ラヴィーネを含めた十二人の受験者たちは第二次試験を合格。
その後、私―――カンネを含めた一級魔法使いたちが呼び出され、ゼーリエ様がいる部屋に集まった。
「よく集まった。さて……集まった理由はわかるな?」
他の一級魔法使いたちは黙り込む。
仕方ない。
代わりに私が言うか。
「今回の合格者が多い……という感じですか?」
「その通りだカンネ。合格者が十二人……異例の多さだ。多すぎる。全員協力型の試験は大いに結構だ。今の一級魔法使いには協調性がないからな」
「面目ありません」
「だがその中で……あってはならないほどの実力を持った者がいた」
ゼーリエ様のために紅茶を淹れていた年寄りの魔法使い―――レルネンさんが答える。
「フリーレ様ですね」
「いや……確かにフリーレンはあってはならないほどの実力を持った者だが、そいつとは違う。《氷剣のラヴィーネ》だ」
ゼーリエ様は静かに私を見る。
まるで蛇に睨まれた蛙になったような感覚が私を襲う。
「お前の幼馴染はずいぶん派手にやってくれた。おかげで実力に見合わない者まで大勢合格した。従来通りの第三次試験ではそいつらは全員死ぬことになる。ゼンゼ、それはお前の望みとはかけ離れたものだ。それに私とてそこまでの無駄死にはさすがに望んでいない」
「ゼーリエ様」
ゼンゼが謝罪の言葉を述べるよりも早く、ゼーリエ様の口が動く。
「謝る必要はない。悪いのはすべてラヴィーネだ。異例に異例を。第三次試験は私が担当する。平和的に選別してやる」
やっぱりこうなったか。
アニメ通りにゼーリエ様が第三次試験を受けることになる。
さて……ラヴィーネは合格できるか。
「ああ、そうだ。カンネ……お前はこれから私と付き合え。今から一人だけ先に第三次試験を受けさせる」
「それって……」
「ああ……今からラヴィーネを一級魔法使いに相応しいか見定めてやる」
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とある草原でゼーリエ様は椅子に座り、私は彼女の隣で立って待っていた。
一人の魔法剣士を。
空は雲に覆われており、涼しい風が吹いている。
「……来たか」
閉じていた瞼を開き、呟くゼーリエ様。
今、私とゼーリエ様の視線の先には……腰に剣を差し、青と白のロングコートを羽織ったねずみ色髪の少女—――ラヴィーネの姿があった。
彼女は歩いて近付いてくる。
覚悟の表情を浮かべて。
「よう……待たせたな、ゼーリエ」
足を止めて、ゼーリエ様を睨むラヴィーネ。
彼女の瞳は爛々と輝いていた。
「ほう……いい目をしているな。《氷剣のラヴィーネ》」
「そいつはどうも。で?……ここで第三次試験をやるのか?」
「ああ……第三次試験は……合格だ。今日から一級魔法使いを名乗るといい」
「……ずいぶんあっさりだな」
「実力もある。そして私と戦う意思もある。そんなやつを不合格にするほど、私は愚かではない」
ゼーリエ様は椅子から降り、ラヴィーネに近付く。
「さぁ……約束だ。一級魔法使いの試験に合格したお前は……私と戦う機会を得た。一撃でも私に当てることができたら、お前の勝ちだ」
「本当にお前に勝ったらカンネは連れ帰っていいんだな?」
「ああ」
「剣を使うことを許してくれるんだな?」
「もちろんだ」
「そうか……」
ラヴィーネは大きく息を吸い、フゥ―と息を吐く。
心を落ち着かせ、緊張を取った彼女は鞘から魔法剣を抜いた。
「返してもらうぞ。
「奪ってみろ。
ありとあらゆるものを凍らせ、切り裂く氷の魔法剣士。
何千、何万の魔法を使うことができる大魔法使い。
二人の戦いが、今……始まった。
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