「先生と生徒を困らす外道は丸焼きじゃあああぁぁ!!」“うわぁ、この人でなしィ!!” 作:サンタが轢き逃げ
「今日の朝
「あー、なんだ、
『□□□□□』
「おぉっとお!! ちゃんと狙えってんだウスノロが。――で、確実に何か変わってんな、これは間違いなく変わってる。俺とアイツの勘は騙されんぞ」
違和感の正体は不明、なれども確実に『変化があった』と感じられる。
しかし、この感覚は『あちら側』で宇宙開発に乗り出してからというもの久しく味わっておらず、結果として異変の詳細を完全に把握できない。
理解の及ばない変化をもどかしく思って歯噛みをしつつ、死に物狂いで機関銃を撃ち放った。
「だいぶ遠いとこまで来ちまった。このままだと時間が過ぎるだけ過ぎて相ぼ、妹が先に帰りかねん」
「――まて、『妹』?」
妹。
俺は確か、アイツの事は兄弟だのなんだのと呼んでいた。それがどうだ、さっきの俺はアイツのことを妹だと宣った。
つまり俺たちは、完全にこの世界に馴染んだのか?
「…にしては様子がおかしいにも程がある、これからは注意して動かないと」
ひとまず諸々の面倒な事は後回し。今はこのデカい鳥の相手をしなきゃならない。
「わるいね。ちょっとした変化ひとつで焦りにつながるお年頃なもんで。ってなわけで続けようか、言っとくけど死ぬつもりはないからな?」
にやりと笑ってハンドルを握りなおしまして…っと。
「あそこまでひとっ走り行こうぜ、ブラザー!!」
さあ、試合続行だ。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
〖大変です、先生! ここからそう遠くない場所で、私たちの指揮下に入った生徒が何者かと闘っています!〗
“あぁユイだねそれ。あの娘意外と強いから、あんまり気にしなくていいよ?”
〖そーいうものなんですかね? 気にしませんかふつう?〗
生徒たちに物資を渡して交流を交わす最中、ぜぇぜぇと息を切らしてセイが教室に駆け込んできたので驚いた。
しかも「いいから外を見ろ」とだけ言って外に飛び出していったので、てっきりユイが戻って来たのかと思い外を見れば――――
「あぁくそっ、なんだよこいつら、どっから湧いて出たんだよ!」
「数は少ないけど無駄に装備だけ一丁前だ! たぶん雇われだと思う!」
「湧くってお前なぁ!! アタシらのことハエかなんかとおもってんのか?!」
「ハエの方がましだわ!! メットの変質者が襲撃とか冗談キツイって!!」
これだ。
いや、ユイじゃないんかい、とかなんとか文句を宣うつもりは毛ほどもない。
でもひどくない? 待ってたのに来たのがヘルメットの生徒ってさ、ひどない?
何はともあれ、来たものは来たものという事で。
今、こうして指揮を執っているけれど……はっきりいって特筆すべき点やシーンなんて、微塵もありゃしないのである。
なにせ戦況を淡々と見極め脊髄反射で命令を飛ばす、これだけでほとんど片付いてしまうのだから反応に困る。せめて勝機を見据えてから襲撃しにきてほしい。
“ホシノ。瓦礫の陰からカヨリを狙ってる娘が近くに居るけど、そこから狙えそう?”
「うん、いけるとおもう。背面撃ちっての、いっかいやってみたかったんだよねー」
「うわっ!?」
「うっへへぇ…下手に動くから当たるのさ~、なーんてね!」
ほらまた一人吹っ飛んだじゃん。ほらまたじゃん。
以前の環境だとほぼ毎日のように自腹で購入した拠点を軍が勝手に
というか散々こきおろすのも悪いだろうが、揃いも揃ってというか……あんまりにも向こう見ずがすぎやしないだろうか。
「とつげきー!!」
「URYYYーッ!!」
なにをご親切に正面突っ切って突入してきてるんだあの二人は。もっと回り込むなり工夫しろ…って、あーあ。ノノミのミニガンで一掃された。
「ぐぇ!」
「おぅっ?!」
「ちょうどいいとこに転がってきたわね、くたばりなさい!!」
「「おわあああああああ!!!!」」
しかも突っ込んできたせいで後続が
もう少しマシな襲撃対象あったんじゃないの??
「なんだ、ドローン――かぁッ!?!?」
「ん、うまくいった。案外ちょろい」
“わぁすっごい(棒読み)”
せんせい大困惑だよ!? てっきり『向こう』みたいなさ、「とりあえず殺しゃいいんだろ」的な危険極まりないレイドを想定してたからめっちゃ大困惑だよ!?
―――などと困惑しつつも、戦況が終盤に差し掛かって完全にやることが無くなってなお、しっかりと指示を行う。
あっ、セイがこっち見た。んで口パクでなんか言ってる。
「___! ____。_______、_____!!」
『飽きたんだろ! ひょっとしなくてもさ。いややっぱ絶対に、ゼッタイに飽きてるよな!!』などと言われましてもな、しかもなんか高度な戦術というか戦略というかをとってくるわけでもないし…。
「_______!!」
…おうこら少女の姿で中指立ててんじゃねえよ、可愛いくって綿菓子ヘアーなのにイメ損まっしぐらじゃろがい!! あとセリカがドン引いてるからやめとけ!!
…あーもうだからその戦い方と煽り方はハリウッドなんだって、ここはキヴォトスはい復唱!! 腹パンはそりゃ合理的だけど、いくらなんでもストックで高速連打はやりすぎ!!
「頭痛くなってきた」
『大丈夫ですか…?』
“大丈夫だよアヤネ。ただちょっとだけ、なんというか、その……ね?”
“――随分と猟奇的な手段をとってる娘がいたものだから、びっくりしちゃって。”
〖セイさんとカヨリさんですか。確かに、あれはなんというか、その…バイオレンスですね。〗
片や妖怪ストック乱打、片や妖怪にほんへ魂。
【先生】からの指揮を受けずにあれだけの戦闘技術を魅せられる生徒は、おそらくこのキヴォトスの何処を探しても、片手か両手ちょっとで数えられるくらいしかいないだろう。
まあ、そっちは脇に置いといて。
問題は想定していた倍くらい血の気が多いという点である。
カヨリが蹴散らしてセイが露払いと追い打ちを担当する究極の
しかも感覚から察するに、この世界のアオハルテクスチャはかなり敏感。ここいらで少し彼らを説得すべきだろうか。
“シロコ、セリカ、みんな! そろそろ敵が逃げていきそうだから、あそこのバーサーカーふたりを優先して!”
「ちょっっっと、バカじゃないの?! カヨリがああなったらもう私たち止めれないんだけど!?」
「ん…たぶん放っておいたら、ず~っとどこまでも敵を追っかけてく。いまのうちに、ホシノ先輩に手伝ってもらって鎮圧したほうが良いとおもう」
「あらあら、お医者さんからゆっくり安静に…といわれていたのに、凄く元気に走り回っていますね~♪ ……おしおきです☆」
あっ、また一掃された。
▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「――――なんかあっち騒がしくねぇ?」
場面変わってアビドス砂漠のどこか。
「気のせい…なわけないか、うん。だって向こうも向こうで大変なんだものな。んでうちのパパラッチはそろそろ息切れと…。まったくあの鳥ヤロウめ、マジでしつこいったらありゃしない。」
『
「よぉ鳥ヤロウ! さっさと不時着して鹵獲されやがれってんだ、そうすりゃちったぁ好待遇を約束してやるぜ」
『
「おーらぃおーらぃ、ほぅらこっちこい!」
俺の方は相変わらず熱心なストーカーとカーチェイスの真っ最中、いい加減代り映えしない状況に飽きてきた。
ただ、あれだけ飛び回っていたせいで燃料が切れたのか、ジェットエンジンの音が次第に小さくなっていく。やはり翻弄を対処するにあたって相応の量のジェット燃料を消費したようで、小回りの利く足回りを存分に活かした蛇行が効いたらしい。
ただ、このまま持ち直されると第三ラウンドが始まるため、現状あの運転方法は「効いたからって何だよ」程度のMVP未満にすぎない。
ビデオ判定のためにもさっさと落ちてくれることを祈るばかりだ。
「落ちるか……あー落ちないか。いや落ちるなこれは……んぁ、また落ちない」
ひらり、ゆらり。大きな機体が上手く風に乗って、陸地を目指して滑空する。
道中にあった変な岩場――おそらく何某かの拠点と思わしき物体をド派手に削り取りながら、Phantomが不時着。
「さて、リザルトと行こうか。まずは『777』っと…」
『パスワードが違います』
「なら次、『54981』はどうだ?」
『パスワードが違います』
「……オーケー●ー●ル」
『はい、なんでしょうか――って、ばれてましたか』
「 wow。そういやAI代わりのマイコン積んでたなぁとは思ったけどさ、こんな美少女ボイスも人格も実装しちゃいないぞ? 技術的に無理だもの」
久しぶりに会った戦闘機が人格を獲得していた。これも異世界転生とかいうジャンル特有の現象だったりして…なぁ?
『何を考えたのかはわかりませんが違います。人格ではなく、これは神秘といえましょう』
「神秘?」
『ええ。ですがまぁ、これ以上は喋れそうにありません。あの『大バカ者』が聞き耳を立てているやもしれない場所で、こうぺらぺらと喋る事は得策とは言い難いものですので』
「その『大バカ者』ってのは誰だ?」
『プロフェッサーと名乗っていた、「私達」とおなじ『あちら側』から来た男です。』
「またかよ。軍隊といいなんでアッチの馬鹿共は侵略が大好きなんだ、バカばっかりだ」
【 哀れ、ヘルメット団のアジト半壊!! 】
そして中の人は "例の赤色" になってることにも気付かず通常運航しておりました。
なんたるウカツ、本当にありがとうございます!