【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
冬の間に悲しい事が起こった……ギータ爺さんとギータ爺さんの奥さんのザジルさんが2人続けに亡くなってしまった。
第一発見者は俺で、来年植える作物について相談しに行ったら2人とも布団の中で冷たくなっていた。
慌てて憲兵に報告すると事件性は無いと判断され、2人は共同墓地に埋葬されることとなった。
いい歳していたが、前に会った時は元気そうだったので、急に2人共亡くなるとは思わなかった。
ギータ爺さんの家や土地は町に住む親族の手に渡ったのでこれ以上の関与はしない方が良いだろう。
知り合いが亡くなるのは寂しさと悲しさが押し寄せてくるが、これから俺はこれをどんどん経験することになると思うと心にくるものがある。
酒飲んで切り替えるしか無いが……。
あと今年の冬は去年に比べて凄い寒さだった。
大寒波である。
バーガータウンは迷宮から食糧を引っ張ってこれるから良いが、春まで長引けば村を出る少年少女が増えるだろうとベアトリーチェさんが言っていた。
奴隷を欲しているクラスの皆には朗報かもしれないが、食糧の値上がりは覚悟しないといけないかもしれない。
秋に小麦を植えた農家が一番ダメージがデカいかもしれない。
雪が溶けずに残ってしまい発芽が遅れ、生育に影響が出てくる。
俺達みたいに米食がメインなら外食を控えれば済むが、馬を飼っていたら餌代で大きな影響が出ていただろうなぁと思ったり……。
過酷な冬になるのだった。
まだ雪が残っているが冬開けのお祭りが今年も開催された。
俺達にとってはこの世界に来て丸2年が経過したことを示す行事でもあり、地球に帰る手立てが全く見つかってない為、もう帰れないんだろうなぁと思いながらも祭りを楽しんだ。
オタクの奴隷達と久しぶりに出会ったが、120か130そこらだった身長は1年で160近くまで成長し、ボディビルダーの様に全身が筋肉の鎧に覆われていた。
凄まじい成長力である。
「金やん米助かったでござる。コイツら鍛えていたでござるが、どんどん精神の数値が減っていったでござるよ。ただ米を食わせて回復させることが出来たでござる」
「それは良かった……」
奴隷達も強靭な肉体を身につけられて満足……というより完全に従属状態に陥っている。
オタクに逆らえない感じだ。
まぁ鍛えても鍛えてもオタクの実力と差が縮まらなかったらそりゃ従順にもなるか……。
オタクはルシア師匠の授業が終わったら本格的に奴隷達と共に迷宮に潜ることをするらしい。
レベリング目的なのでソレンス迷宮の方をメインに潜るらしい。
ちなみにパンドラとハートは奴隷達が毎日しているトレーニング量を聞いて前よりも増えていてドン引きしていた。
祭りも終わり、やはり寒波の影響で冬開けの祭り後も雪が降ったり止んだりを繰り返して寒い日が続き、1ヶ月が過ぎた4月終わり頃にルシア師匠から卒業といきなり言われた。
「聖級までの教えることは教えたからできていない人もある程度トレーニングを積めば出来るようになると思う。パンドラとハートも時間をかければ他の聖級の魔法が使えるようになると思うから頑張りなさい。皆お疲れ様」
そしてルシア師匠は翌日には荷物をまとめて旅立ってしまった。
彼女は弟子に教え終わったら直ぐに出発しないと気がすまないのだろうか……せっかく卒業パーティーを開こうかなんて話もしていたのに……。
ルシア師匠が居ないのは残念だが、豪炎寺と原村さんの食堂ジャパンを夜貸切にしてもらい、俺達だけで卒業パーティーが開かれた。
各々今後どうしていくか言っていき、多くの人が奴隷を雇って鍛えて迷宮に挑んで稼ぐと言う中で、和田さんは
「私軍人になって騎手を目指すわ」
と言い出した。
馬が好きと言っていたが、メンタル回復したとはいえ軍人というキツイ道に進むのはまたメンタル崩してしまうんじゃないかと皆から心配されたが
「ありがとう、でも挑戦したいんだ。私この1年ちょっとで馬に乗るのが好きだって気がついてさ……だから馬に乗るために軍人になりたいの!」
決意は固そうであるのでこれ以上は俺達は誰も言わなかった。
前田先生は
「もし駄目だと思ったら壊れる前に逃げなさい。逃げることも勇気が入りますが、完全に壊れるよりはマシです。逃げることで再起を図る事が出来ますから!」
そう和田さんを激励し、背中を押した。
里崎は王都に行き王宮魔法使いを目指し、野村、佐々木、加茂、二宮の4人はチームを組んで一度世界を巡ってみる旅に出ると言っていた。
つまりクラスから6人が本当の意味で離れ離れになる事を意味する。
「寂しくなるなぁ……」
「でもまた会えるでしょ!」
「そうだな! 今度会うときもジャパンで集まろうぜ!」
「「「おー!」」」
その日1日楽しい時間を過ごすのだった。
クラスの皆は卒業と同時に引っ越しを始め、宿に泊まる人数も一気に10人以下になり、お世話になった宿の竜の巣も経営的に厳しいからとクラスメイトの貸切を解除して普通のお客さんも泊まるようになっていった。
宿に残ったクラスメイトは一緒に宿に泊まった冒険者と仲良くなりチームを組んだり、宿に残ったメンバーで新しくチームを組み直して迷宮に潜ったりしている。
ちなみに俺や宮永さん、中園さん、パンドラ、ハートの5人で久しぶりにソレンス迷宮の8階層に潜り、1年間日帰りで行ける階層しか潜らなかったせいで鈍った体をもんだりした。
象頭が復活していたが、オタクが抜けた状態で、パンドラとハートの実力だとどちらかが致命傷を負いかねないと判断して断念。
ただ2日潜って1日休みというのを2サイクル繰り返して6000万G近くを稼ぐことに成功し、完全に鈍った体を元の感覚に戻すことには成功した。
それから俺は一悶着あった奴隷屋に行き、オーナーと話した上で馬の扱いが出来る奴隷2人を所望し、戦争奴隷でちょうど条件に合致するのが2人居るということで2人を前回の謝罪を込めて1人は無料で、もう1人も半額の値段で譲ってくれることになった。
「おいおい、俺達の新しい御主人が決まったらしいぜ」
「ああ、なんでも女の竜人らしいな」
「戦場で逃げる坊っちゃんのお守りよりは断然マシだろうよ」
「そいつぁちげぇねぇや」
エルリックとシミスターという元騎士の従者をしていた男達である。