【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
数日後、俺達はエルリックやシミスターの2人の冒険者登録を行い、グリーンビット迷宮の4階層に向かった。
「おお、空を飛ぶとはこれほど気持ちが良いことなのですな」
「落とさないでくださいよ」
「落とさない落とさない」
俺とパンドラがエルリックとシミスターの2人を背負って空を飛んでいた。
そして、一気に4階層に到着するとユニコーンを見ていく。
「さて、なるべく強い牡馬牝馬のユニコーンを見つけないと」
「バイコーンにはしないのですか?」
エルリックから言われるが、俺は温厚なユニコーンの方が売られた時に買い手から喜ばれると思い、実績が出来るまではユニコーンの純血の生産が良いと判断していた。
よほどのキチガイでなければ精神米で気性改善もすると思うが……。
「とりあえず馬を扱う2人の意見を聞きながら選びたいが……」
「選ぶと言っても野生のユニコーンをまじまじと見ることは難しいんじゃないか?」
「じゃあ私の出番だね」
中園さんが使えるようになった眠りの魔法を使うと白い煙が辺りに放たれる。
水魔法と回復魔法の応用かつ中園さんに適性があり、対象が無機物でなければ相手を眠らせる強力な魔法を覚えていた。
流石に象頭のモンスターには試していないが、オークは煙を嗅いだ瞬間に睡魔に襲われ、攻撃されても起きることが無かった。
その為、眠りの魔法の煙を吸ったユニコーン達は直ぐにうとうとと眠りつき始め100頭は居たユニコーンが脚を折り畳んでしゃがんで眠りついてしまった。
「「おお!?」」
エルリックやシミスターはその光景を見て中園さんの凄さを褒めるが、直ぐにユニコーン達が触っても起きないことを確認すると、触って筋肉の作りを確かめていく。
「馬格は良いけど年を取りすぎているな……」
「こっちの方が良いんじゃないか?」
俺もユニコーンを触ったり透視で筋肉の作りを見ていく。
そのうちの1頭の牡馬が他の馬よりも筋肉の密度がぎっしり詰まっていることを確認した。
俺がこのユニコーンは良いんじゃないかと言い、2人にも確認してもらうと確かに他のユニコーンよりも筋肉の付き方がしっかりしていると言われたが、軽く持ち上げて脚を確認するとハンガーみたいに酷く湾曲していた。
「大将これは駄目だと思いますが……」
「こんな曲がった脚の馬は見たことないですよ……」
「いや、それでもこのユニコーンに可能性を見た。育てたいと思う」
「そこまで言うのでしたら……」
「じゃあ牝馬の方は俺達が選びますよ」
エルリックとシミスターは脚部が逆に真っ直ぐしていて少し軽めの牝馬を2頭選んだ。
「馬格が大きい馬ばかりを配合すると重く成りすぎて自分の体重に脚が耐えられなくて脚を故障しやすい馬が出来上がります。ユニコーンは滅多に故障しませんが速度だったりパワーの面で重すぎるというのは不利に働くのですよ」
「脚が頑丈なら凄まじいパワーを身に着けられるが、大将の選んだユニコーンの脚部が曲がっているのが遺伝した場合パワーを耐えられる脚じゃなくなるかもしれないからな。なるべく真っ直ぐで、全体的にバランスの取れたユニコーンにしておいたぜ」
とりあえず今回良さそうな牝馬はこれくらいしか居なかったのでこれくらいにし、空いている馬房分の牝馬は後日選ぶことに決まった。
ユニコーン達が眠っている間に迷宮から運び出し、俺達の牧場の馬房の中に寝かせる。
約1時間後にユニコーンは起き上がり、キョロキョロと周囲を見渡した後に馬房の中をぐるぐると探索し始め、鼻で水の出るカップを押してみたり、餌箱に顔を突っ込んでみたりしていた。
しかし、俺が見える位置まで近づくとヒヒーンと叫んで馬房の隅に逃げ出してしまう。
「敵じゃない、安心しろ」
俺はそう言いながら稲藁と餌を餌箱に半々にして入れる。
遠くから様子を伺っていたがお腹が空いたのか、稲藁を食べ始め、ソワソワしながら馬房の中をぐるぐる回っては餌を食べるを繰り返していた。
俺はエルリックとシミスターが対応している牝馬の方を見に行くと、牝馬達が大暴れしており、壁を蹴るし、馬房の中でこちらを威嚇するし、横の牝馬がそんな感じなので横の馬房の牝馬もパニックになってしまっていた。
「やっちまったかな……」
「これキチガイ引いたかもしれねぇぞ」
同じ場所に居たパンドラとハートが落ち着かせようとするが、滅茶苦茶暴れ回り、どうしようもないので、放牧地に解き放った。
すると凄い勢いで走り回るり、飛び跳ねたりしていたが、落ち着きはじめ、牧草を食べ始めた。
「気性やばいな……」
「片方は比較的大人しいけどビビリ、もう片方は気性激悪……」
とりあえず環境に慣らしていくしかないと言い、育成が始まった。
翌日、ユニコーン達に名前を付けないと紛らわしいため、名前をどうするかということになった。
まず牡馬は普通の栗毛、ビビリが芦毛、大暴れしているのが青鹿毛という毛色をしていた。
ファミリーの皆でどんな名前が良いか話し合った結果、俺が何気なく言った元の世界の土地の名前や川の名前で良いんじゃないかと言うことで、牡馬はすんなりヤマトという名前に決まり、中園さんが牝馬は星の名前にしたいと言い出したので芦毛の子がスピカ、青鹿毛がシリウスという名前に決まった。
異世界人の人達はどういう意味かよく分かって無かったが、3文字や4文字だと言いやすいので異論は無いと言われ、名前が決まった。
ちなみにスピカやシリウスという名前は異世界だと普通にある村や人の名前らしく、異世界人の人達は牝馬に男性名を付けるんだと思ったがその場では言わなかった。
「ヤマトー! ヤマト餌の時間だよー」
数日もすると牡馬のヤマトは環境に慣れてきたのか、餌の時間になると餌箱に顔を出してブルルと早く餌をくれと鳴く様になっていた。
餌を与えると勢いよく食べ始め、稲藁も他の牝馬達の2.5倍くらいくらい、食べ終わり、裏の扉を開けて放牧地に放つとそこでも牧草をよく食べていた。
「お前よく食べるな……」
試しに赤芋のツタを乾燥させたのを差し出すと、それすらも美味しそうに食べてしまった。
餌を食べている間は大人しいので、ブラッシングする時は餌を食べている最中にやると蹴られる事は無い。
スピカは綺麗好きかつ3頭で一番気性がマシで、毎日体を洗ってやれば言うことを比較的聞いてくれた。
シリウスは環境に慣れてきたからか初日ほど荒ぶる事はなくなったが、それでも隙あらば蹴ろうとする悪癖があった。
あとシリウスはドライフルーツが好きで、必ず普通の餌を残してドライフルーツを追加でかけてようやく完食するという食へのこだわりがあった。
そんな感じで俺達の牧場が始動するのだった。