【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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シャベッタ-

 雨季が終わりそうなある日、厩舎の掃除をしているとどこからか声が聞こえた。

 

『おーい……おーい』

 

 誰か呼んでいるなぁと思いながらも掃除を続けていると

 

『女! 女! 聞こえてるだろー』

 

 と言われて顔を上げると牡馬のヤマトがこっちを見て口をモゴモゴしている。

 

「喋っているのヤマトか?」

 

『そうだよ……それより飯くれプボ!』

 

「喋ったぁ!!」

 

 とりあえずお約束の反応をしてから、稲藁を与える。

 

『うっめ、うっめ』

 

 俺はとりあえずエルリックとシミスターを呼んできてヤマトが念話っぽいのをし始めたというのを伝えると

 

「ユニコーンやバイコーンで凄まじく賢い個体は喋ることがあるって伝説がありますが……ヤマトはそんな賢い個体じゃないぞ」

 

「食欲に支配されているからな」

 

「とにかく来なよ」

 

 俺が2人を連れて行くと

 

『うっめ、うっめ』

 

 と頭に声が響く。

 

「本当だ……」

 

「なんか喋ってるが、食事の事かよ……」

 

 とりあえず食事が終わるまで待ってみてから話しかける。

 

「ヤマトそろそろ良いか」

 

『何プボ?』

 

「いつから喋れるようになったの?」

 

『わからないけど前から人間達の言っていることが聞き取れるようになって、言葉を伝えたいと思ったら出来たプボ。ちゃんと聞こえているプボ?』

 

「聞こえてる聞こえてる……エルリックやシミスターも聞こえるよね?」

 

「伝説の馬じゃねぇか!」

 

「き、聞こえてる……」

 

『飯の量が少ないプボよ! せめて倍よこせプボ!』

 

「わかったわかった。工夫してやるから機嫌直せ」

 

『それなら良いプボ』

 

 とりあえずコイツの為に藁をロールで部屋の中に入れておこう。

 

 そうすれば勝手に食べるだろう。

 

「改めて自己紹介をしよう。俺の名前は金田。カネとでも呼んでくれ」

 

「俺はエルリックだからエルで良いぞ」

 

「シミスターだ。呼びやすい様に呼んでくれ」

 

『カネ、エル、シミーて呼ぶプボ。プボはヤマトで良いプボ?』

 

「ああ、君の名前はヤマトだ」

 

『わかったプボ……雨だと走る気にならないプボよ……暴れないからプボの家の通路に続く扉を開きっぱなしにしてくれないプボか?』

 

「逃げない?」

 

『餌くれるなら逃げないプボ。それに通路を歩けるなら通路にある藁ロールを歩いて食べにいけるプボ』

 

 なんか急に賢くなったな……精神米の藁を食べている影響か? 

 

「晴れる日が続くようなら色々な場所を散歩させられるようにするから待ってろよ」

 

『はーいプボ』

 

 というわけで餌箱には配合飼料だけを入れるようになり、ヤマトは厩舎内を自由に動き回ることになった。

 

 大人しくなり、急に蹴る事も無くなった。

 

 

 

 

 

 

 

 雨季が終わり、カラッと晴れる日が続くようになるとヤマトは自由放牧になり、放牧地に出る扉も開きっぱなしで24時間外に自由に出れるようにした。

 

 通路に置いてある藁を食べるし、餌箱の餌も食べるし、放牧地の牧草も食べるし、夜になると馬房に戻ってきて寝藁を食べながら眠ったりする。

 

「やーまと!」

 

『マリーだ! 遊ぼ遊ぼ』

 

 ヤマトはマリーによく懐いてマリーが買い物に行くのに乗せてくれるようになったり、ドライフルーツを冒険者ギルドに売却しに行く時も腰に籠を左右に下げて、鞍を乗っけてマリーの手伝いを進んでやってくれるようになった。

 

 マリーも嗜みとして馬に乗ることは出来たので、走らせるとかしなければ普通に操ることが出来た。

 

「お、ヤマト今日もマリーと遊べて良かったな。マリーは買い物か?」

 

「カネダ様そうですね。ヤマトと一緒に買い物行ってきます」

 

『カネじゃあねー』

 

「はいはい、行ってらっしゃい」

 

 マリーが気性の荒いユニコーンを操っているのもそうだが、街灯に紐で繋ぎ止めておくだけで動かないでマリーの買い物を終えるまで静かに待っているヤマトの事は町でも有名になっていた。

 

 バイコーンでも主人が買い物に行っている間は馬を一時的に預かってくれる所に任せるのだが、ヤマトは待っている間に粗相をしたりしないし、通行人に紐を解かれるいたずらをされても動くことが無いし、馬泥棒が近づいてきても唸って威嚇したり、紐を引っ張られても動かなかったりで、マリーの愛馬として有名になっていた。

 

 ヤマトは表に出しても大丈夫なのだが……

 

『シリウス嬢、今日もお可愛い事で』

 

『あらあらスピカも今日も馬体がピカピカね』

 

 ヤマト同様に喋るようになったスピカとシリウスの方は前みたいに暴れることは無くなったが、上下関係がしっかり出来上がっているのと、知らない人が触ったら蹴り殺すと2頭とも言っているので気性が色んな意味で終わっていた。

 

『下僕! フルーツはまだかしら!』

 

「シリウス! 俺は下僕じゃねぇ! エルリックだ! エルリック!」

 

『はいはい、エルリック……早くフルーツをよくしなさい!』

 

 シリウスはエルリックやシミスターにフルーツを寄越せとよく催促するし

 

『体をまた洗ってくれませんか』

 

「今日もう3回目だぞ勘弁してくれよ」

 

 体を洗うことが大好きなスピカは言葉が伝わるのが良いことに事あるごとに体を洗えとせっついて来る。

 

 2頭もいつの間にか言葉が分かるようになり、念話で話せるようになったと言う。

 

 しかも2頭共にフルーツが大好きで、餌のフルーツの比率を増やすことになった。

 

 まぁ今までも食いきれてなかったが、消費が増えたことと、生のフルーツを所望するようになった事で、ドライフルーツを与える量が減ったので良しとしよう……。

 

 2頭ともわがままであるが、賢くなった事で、自分の馬房に戻ってくることが出来るようになり、24時間放牧が出来るようになった。

 

 で、2頭は遊び相手が欲しいと言い出して、俺は仕方なくマッシュルーム迷宮に生息するソーセージドッグ(体からソーセージの毛が生えており、定期的に取ると喜ぶ)のポチとアップルキャット(尻尾に林檎が実る)のタマを2頭の遊び相手として牧場エリアに放つと2頭も喜び、シリウスの背中にタマが乗っていたり、ポチの毛並みをスピカが整えたりするのが日常光景になっていた。

 

 ポチとタマは番犬や番猫として畑に出没するモグラを仕留めたり、野鳥を追い払ったりと大活躍である。

 

 ポチとタモは外で放し飼いであるが、餌の時間になると厩舎に来て餌をねだってくるので分かりやすい。

 

 一方で迷宮に潜っている俺達(エルリックやシミスター、マリー以外)はマッシュルーム迷宮の6層に潜る計画を立てているのであった。

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