【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
上空から軽くは見たが、実際地上からマクロの都市部を観るとバーガータウンでは木造の建物も多かったが、年季の入った石造りだったりコンクリート造りに近い建物が多く見受けられ、バーガータウンだったら中級市民の区画が町の外周部……一番安いエリアになっていることに驚いた。
どこのお店も老舗という感じがして、入るのには勇気がいる店が多いが、冒険者っぽい人達や商人、大工っぽい獣人が店に入っているので老舗ではあるが、一見さんお断りみたいな感じでは無さそうである。
とりあえず1週間滞在する宿を探そうということになり、町の案内屋にまず入った。
バーガータウンにもあるのだが、町のオススメの宿や飯屋の紹介、行っては行けない場所だったり、目的の場所の簡単な地図を描いてくれたりもする場所である。
雑誌とかが無い為に、こういう場所の需要があるのだろう。
俺達も宿と冒険者ギルドの場所、行っては行けない場所を聞くと、案内所の男性スタッフは丁寧に説明してくれて、女性でも安心な大きな宿を3箇所教えてくれた。
「冒険者ギルドは町の市民街の中央に続く南の道の大通りに隣接しているし軽く地図を描くから待ってろ。行ってはいけないのは貴族街だ。この町は円の様になっていて、王宮、貴族街、商人街、市民街と外に行く事にランクが下がっていく感じになる」
「貴族街だと貴族かその従者、御用商人か軍人しか入ることが許されていないからな。一応入り口には検問所があるから間違って入ることは無いだろうが、場所が場所だからな。粗相があれば普通の刑罰よりも重くなるから注意な」
そう言われた。
ちなみに競馬場やキックボール場は郊外にあるらしい。
お金を支払ってまずは宿に荷物を置きたいので宿に向かう。
宿……というより目の前にそびえるホテルを眺める。
日本のビジネスホテルの様な姿をしていて、この世界で初めて5階建て以上の宿を見た気がする。
このホテルは6階建てで1部屋4人まで泊まる事が出来、朝食を出してくれるらしい。
部屋にシャワーとトイレがあるとのことで、最初のホテルの6階に決めた。
驚いたことにエレベーターがあるのだ。
昔のエレベーターの様に、個室がぐるぐると回っているタイプであり、乗って待っていると6階に到着した。
6階は最上階ということで値段が他の部屋よりも高く設定されていたが気にしない。
扉を開けるとダブルベッドが2台に化粧台、シャワールームとトイレが置かれていた。
一番驚いたのが窓がガラス製ということで、窓を開けるとベランダに繋がっていて風が気持ちよく感じる。
嬉しいことにこの部屋から王宮が見ることができ、絵を描くにはうってつけの景観をしていた。
「おお! 当たりの部屋だ!」
「こりゃ良いな。城をここからでも眺める事が出来る」
良い部屋を引き当て気分が上がり、とりあえず貴重品以外の着替え等を入れたバックパックを部屋に置いて、また外出する。
向かうのは冒険者ギルド……とりあえず挨拶だけしておこうと思い、案内所の地図を見ながら進んでいく。
道中美味しそうな匂いのするお店をチェックしながら道なりに進み、マクロの冒険者ギルドに到着した。
「いやいや、一目見てもわからねーよ。ビルじゃん」
マクロの冒険者ギルドは4階建ての商業ビルの様な造りをしており、建築様式がコンクリート式が多いのがマクロの特徴なのかと思う。
扉を開けて中に入ると、冒険者ギルドというより役所という感じである。
バーガータウンの冒険者ギルドと全然違くてキョロキョロしながら進み、受付の前まで来て、受付のお姉さんに
「バーガータウンから来た冒険者なんですけど、バーガータウンの冒険者ギルドから挨拶をしておいてくれって言われて……」
「失礼、冒険者証明書(冒険者カード)を見せてもらえますか」
そう言われたので、俺達は冒険者カードを渡していく。
「バーガータウンの特別冒険者の方ですか。担当の者が向かいますので2階の28号室に入って待っていただけますか?」
「あ、はい……2階に行けば分かりますかね」
「そちらの階段を登っていただいたら通路が真っ直ぐ伸びていますので、部屋の上に何号室かプレートが吊り下がっていますので分かると思います。もし迷った場合には直ぐに近くの職員に聞いてください」
と、言われてしまった。
階段を登りながらさっきの受付の人が事務的で少し感じ悪いねと中園さんが言い、宮永さんが役所ってこんな感じじゃない? と返答する。
「バーガータウンのほんわかした冒険者ギルドに慣れすぎたのかもな。まぁ人の出入りが激しい冒険者ギルドなんて、普通はどこもこんな感じの事務的なのかもしれないけどな」
そんな事を話していると学校の教室みたいに部屋が分かれており、中で事務員達が色々な書類を作成している。
「ここか? 28号室って」
広い部屋では無い……学校の準備室程度の広さの会議室の中に入り、椅子に座って待っていると水色の髪のパッツンヘアーの女性が入ってきた。
灰色のスーツで真面目そうなのが来たぞと思ったが
「いやぁ~! 皆さん初めまして! ようこそマクロへ! 歓迎しますよ!」
メチャテンションの高い人物だった。
「私はマーズ! よろしくね~」
「俺はカネダ、カネって呼んでください」
「私はナカゾノ。ナカでお願いします」
「私はミヤナガ、ミヤで良いよ」
「カネ、ナカ、ミヤね! いやぁ~遠くからご苦労さま。バーガータウンの業績が凄いことになっていてね。飛行船の根幹魔石を2つも入手できたり、君達特別冒険者を任命してから収益が跳ね上がっていたからね! マクロ冒険者ギルとしても注視したいんだよ……一応冒険者証明書を見せてもらっていいかな」
俺達が見せるとマーズさんは目をキラキラさせながら
「全員勇者並みのステータスじゃん! 良いなぁ! バーガータウンの人達羨ましいわ〜引き抜きたいなぁ〜」
言っちゃ駄目な事まで言い出していた。
「コホン、3人は今回マクロに来たのは観光?」
「はい、1週間程度で帰る予定ですが」
「そうかそうか、マーズさん的にはマクロで困っている依頼をやってもらいたいんだけど……駄目かな?」
「何日も拘束されるのは困るんですが」
「1日で終わる! なるべく取り壊したくないだけだから」
「どういうことですか?」
「いやー昔賢者って呼ばれていた人物が弟子の成長の為に屋敷に罠を仕掛けて解除できれば屋敷を与えるという条件を与えたんだけど、その弟子達が解除に失敗して亡くなって……しかもその弟子達がゴーストになって徘徊しているらしくてね……英雄並みの力があればゴーストの退治もトラップの解除も出来ると思うから依頼受けてくれないかなぁ……始まりの勇者が活躍していた時代からある建物で、賢者さんが余計な事をしなければ10億Gの歴史的価値がある建物でね……」
「なるほど……勇者に頼むとかは駄目なのですか? コニーさんとか」
「勇者の力を借りると冒険者ギルドの所有権が取られてしまってね。賢者が余計な事をしなければ冒険者ギルドで運用していた建物だったのに……」
「失敗しても許してくださいよ……勇者コニーに力量で凄まじい差を漬けられていますし」
「勇者コニーは公国最強の勇者だよ! 流石にその人と比べることはしないよ」
「とりあえず頑張って解除してみますが、出来たら錬金術関連の書籍をください。勉強したいと思っているので」
「ああ、分かった! いつ行ける?」
「宮さん、中さん、明日で良い?」
「私は良いよ」
「私も〜」
「じゃあ明日の午前中にもう一度冒険者ギルドに来ますのでその屋敷の案内を頼みます」
「OK〜じゃあ頼んだよ!」
ちなみにその後で聞いたが賢者というのは魔法と錬金術といった学問を修めた人の称号らしい。
なので初代勇者の賢者とは別人なのだが、初代勇者の賢者を開祖とする賢者の中の派閥でも結構有名な方だったらしいが、2人の弟子のどちらかに引き継がせるために試練を残したらその2人とも屋敷の解除に失敗して死んでゴースト化。
他の弟子達は他の派閥に吸収されてマクロ学派と呼ばれた賢者グループは消滅してしまったのだと……。
ちなみにそんなゴタゴタが25年前に起こり、賢者を信用して貸し出していた冒険者ギルドは維持費で損害を垂れ流しているのが現状らしい。
そんな依頼を俺達は受け、その後バーガータウンの様子とバーガータウンの迷宮の深層についての説明をマーズさんにするのだった。