【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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旅行の中止

 翌日は宮永さんが部屋で絵を描くのでメアリとエレナの2人をホテルに残し、中園さんと競馬場に向かった。

 

「おお、やっぱり生でユニコーンやバイコーンが多頭数走ると凄い迫力」

 

「競馬場ってもっと汚いイメージだったけどこっちの競馬場は家族連れも多いし、綺麗な座席になっているね……プロ野球の球場みたいな綺麗さがあるね」

 

「そうなのか? 行ったこと無いからそれは分からないけど……」

 

「金田君は今日は賭けるの?」

 

「1レース10G程度ね。大金は賭けない。どんな馬が走るのかを見て牧場の育成に反映させることが目的だからね」

 

「なるほどね。私も少額にしよ」

 

 事前に予想される人気が出て、パドックで実際の馬を見て馬券を購入する。

 

 競馬新聞みたいなのが馬券購入口近くに張り出されていて、それで大まかな予想をするみたいである。

 

 馬券の売り上げはそのままレースの賞金や馬の管理費、厩務員の給料に還元されるため、レース場では馬券が売れる仕組みを作っているらしい。

 

 大きな町に場外馬券場みたいなのがあるのも資金を回収する一環である。

 

 軍の貴重な収入源である為、騎手も八百長なんかが起きない様に徹底的に管理されており、八百長が発覚しようものなら例え公爵が関与していたとしても罰則が行く。

 

 騎手は騎手免許の取り消しの上で除隊処分。

 

 関与した者が平民なら処刑、貴族なら爵位取り消し、公爵でも家長交代くらいの重い罰が発生する。

 

 軍事費の十数%が競馬の利益で賄われる事を考えると金食い虫の軍がいかに力を入れるかが分かる。

 

 そして競走馬としては失格でも軍馬として求められることもある。

 

 軍馬に求められる役割は1に故障しないこと、2にスタミナで3が速さになる。

 

 競走馬とは役割が違う為に生産する側もどこを目標にするかで変わってくる。

 

 俺が今の生産方法で作れるのはユニコーン由来の故障のしにくさとどんな環境でも耐えられる精神力……軍馬に向いている生産をしているという自覚がある。

 

 もちろん利益だけの事を考えるのならば適当なユニコーンを捕まえてきて精神米の藁を食べさせて、精神力を上げて出荷すれば金にはなるだろう。

 

 しかしそこには一切のロマンが無い。

 

 軍馬や農耕馬として売れる道筋を作りつつ、競走馬としてもデビューさせられる馬……欲張りであるがそんな馬を俺は生産したい。

 

 ただ多頭数のレースを見ていると、少頭数で活躍できる馬を本当に輩出することが現実的に可能なのか……馬産を舐め腐っているだけじゃないのか……そんな思いがこみ上げてくる。

 

 俺だって出来ることなら大規模な牧場で多頭数飼ってレースにバンバン出すような馬を育てたいと思う気持ちもある……しかし土地が無い。

 

 これ以上の農園の拡張は近所との軋轢を生む為出来ない。

 

「強い馬を作る事だけを考えよう。それが売値になる」

 

 俺はボソリとそう呟き、レースを観るのであった。

 

 

 

 

 

 翌日、メアリとエレナが居るので1度バーガータウンの家に戻った方が良いんじゃないかという話になり、食材を買ったら早めに旅行を切り上げて一度家に戻ることに決まった。

 

 錬金術の本もマクロの冒険者ギルドが報酬として譲ってくれるし、メアリとエレナという教師役も仲間に加わったので勉強も捗るだろう。

 

 それにホテルに留めていたらメアリとエレナの事がバレるかもしれないので、自分の拠点に早く連れ帰りたいという気持ちが強かった。

 

 というわけで2人を体内に入れてひとっ飛び。

 

 一度マッピングしているので寄り道すること無く家に帰るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

「お早いお帰りでカネダ様、ミヤナガ様、ナカゾノ様!」

 

「ただいまパンドラ。他の人達は?」

 

「ハート、エルリック、シミスターが馬の世話、マリーが買い物にヤマトに乗って出かけています」

 

「お疲れ様。メアリ、エレナ出てきていいよ」

 

 俺がそう言うとゴーストの2人が体内から現れる。

 

「ゴースト!」

 

 パンドラが臨戦態勢に移るが、俺が眷属化させて使役しているから安心しろと言うと直ぐにパンドラは警戒を解いた。

 

「エルリックとシミスターが驚くかもしれませんが」

 

「高名な霊で直ぐに受肉させて復活させること、受肉するまでは屋敷から出さない事を言っておかないとな……マリーもそうだけど」

 

「分かりました。ハートも含めて伝えておきます」

 

「眷属化のことはくれぐれも」

 

「ええ、ハート以外には特殊な魔法で使役していると伝えます」

 

 物分りの良い奴隷で助かる。

 

 とりあえず買ってきたレッドピラニアと言う1メートルあるモンスター(淡水魚)や香辛料系、キムチ等の漬物をバッグから取り出していき、冷蔵庫に仕舞う。

 

 ちょうど帰ってきたマリーにゴースト2人を特殊な魔法で捕らえて受肉させると説明すると複雑そうな顔をしていたが納得してくれた。

 

「つまりメアリさんとエレナさんは呪いによって殺されてゴーストのまま生かされているので新しい肉体を与えて復活させたいと……そんな事出来るんですか?」

 

「2人曰く人体錬成……ホムンクルスの技術を使うことで復活することが出来るらしい」

 

「ホムンクルスですか? バーガータウンでは聞きませんが、そういう技術があることは知っていますが……あと自分の意思じゃ無いとはいえ、ゴーストはモンスター……本来は浄化するのが筋ですよ」

 

「それもそうなんだが、バーガータウンまで錬金術を教えに来てくれる先生なんか訳ありじゃ無いと居ないだろ。それにモンスターを飼ってはいけないならユニコーンやバイコーン、ポチ(ソーセージドッグ)やタマ(アップルキャット)を飼うのだって駄目になるぞ」

 

「う……確かにそうですけど……」

 

「なに、ゴーストだけど2人に邪念は無いよ。それにそのうち受肉するんだ。そしたら人と同じに戻る」

 

「はい……」

 

 とりあえず不満は飲み込んでくれた。

 

 俺はメアリとエレナを2階の自室に連れ込む。

 

 〈言いくるめていたわね〉

 

 〈カネダ様は悪い子ね〉

 

「そう言わねぇと納得しねぇだろ。自らモンスターになったって普通の倫理観じゃ受け入れられねぇからな。ちゃっちゃと俺に錬金術を教えて受肉してくれ……めんどくせぇ」

 

 〈はいはい〉

 

 〈ちゃんと教えるけど錬金術の道具とかは何処にあるの? 〉

 

 俺は自室に旅に使っていた道具とかを置くと、2人を連れて隣の離れのキッチンに向かった。

 

 母屋のキッチンをメインで使っているため、離れのキッチンは錬金術を行うために時間がある時にちまちま改造していた。

 

 〈おお、ずいぶんと質の良い錬金釜があるじゃないか〉

 

 〈うわ、貴族の財力でも入手困難なのが出てきたな……〉

 

 メアリとエレナはまず黄金の錬金釜に驚いていたが、他は全然駄目だと言われた。

 

 〈錬金術には色々な道具が必要になるけど錬金釜以外まともな道具が無いわね〉

 

 〈竈の形も悪い。調理とは別なのだから竈は1から組み直した方が良いわね……〉

 

 〈いや、そもそもアトリエを1から作った方が今後の事を考えると良いでしょ……小屋を作れるほどの土地はあるわよね? 〉

 

「あぁ、あるぞ」

 

 〈なら錬金術を学ぶ前にアトリエ建築をしましょうか〉

 

 〈設計は私達でするから、建材を集めるのをお願いするわ。マクロだったら確実に揃うと思うわよ〉

 

「分かった。1から教えてくれ」

 

 こうしてまずはアトリエの建築から始まるのだった。

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