【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
冬になり俺達はいつも通りの日常を送っている。
ユニコーン達は牧草が枯れてしまって食べられないので藁の量を増やして対応したり、パンドラとハートに連れられてメアリとエレナのレベリングが行われたりもした。
そんな日々を送る中で冒険者ギルドから街道でゴブリン達がまた増えてきているので退治して欲しいと言われ、退治をして冒険者ギルドに戻るとオタクとバッタリ出会った。
「オタクじゃん! 元気か!」
「金やんこそ!」
そのままオタクは奴隷達を家に返して、俺と2人で酒場で飲もうということになり、酒場に出かけた。
今回入った酒場は個室があるタイプで、商人達が会合に使ったりもするタイプで、オタクがここのエールは美味しいから頼んでみればと言われ、俺もエール酒を注文する。
「「乾杯」」
運ばれてきたエールを1杯グイッと飲む。
最近はようやくエールの飲み方がわかってきて、喉越しを楽しめるようになってきた。
しかもこのエールはハーブが加えられているのか口の中がサッパリする。
「美味いな」
「そうでござろう」
おつまみのチーズクラッカーをクリームソースを付けて食べる。
これもなかなかの旨さだ。
「最近どうよオタクは稼げてるか?」
「ボチボチでござるな。奴隷達もソレンス迷宮は5階層まで、マッシュルーム迷宮は4階層までは安定して降りれる様になったでござる。今はマッシュルーム迷宮の5階層を抜けるための魔法に強い抵抗のある素材集めをしているでござるよ」
「こっちから素材分けようか? マッシュルーム迷宮の2尾狩りの次いでに倒しているジョン鳥の羽毛と8階層のコンテナヤドカリの甲羅で良ければ譲るが」
「対価は払うでござるよ。でもあるんだったら受け取りたいでござる」
「おう、何日が都合が良い?」
「5日後が休みでござるからその時に」
「おう、分かった」
それとは別にオタクの奴隷育成はどうかと聞くと
「レベルは40まで、各ステータスも体力、力、防御は100近くまで伸ばすことが出来たでござるが、ソレンス迷宮のオーク狩りくらいしかレベリングが出来なそうな場所が無いのが辛いでござるよ」
ソレンス迷宮の5階層のオークの下……6階層は鉱石が飛んでくるエリアで人の身で通るのは至難。
全身鎧が無いと進めないだろう。
だったらマッシュルーム迷宮の5階層の魔法の果実の対策をし、突破して6階層の2尾相手にレベリングした方が良いわな……。
まぁ気をつけないとジョン鳥に蹴り殺されるけど……。
コンテナヤドカリの甲羅ならジョン鳥の蹴りじゃ砕けることは無いと思うから、当たりどころ次第になるか。
「金やんはどうなのでござるか?」
「実はな」
俺はマクロに行った際に賢者の弟子だったゴースト2人を眷属化で縛り、錬金術で人体錬成して俺の子供として産み直しを行ったと説明した。
「凄いことをしたでござるな……宮永殿や中園殿もよく遺伝子を使う許可をしたでござるよ」
「女同士だから子供が生まれないことを考えたんじゃないか?」
「でも人工精液を体内に注入して体内で卵を育てるってなったら子供作れるんじゃないでござるか? ゴーストの2人が言っていたのは無精卵を外部で有精卵にした場合と試験管の中で胎児を育てた場合でござるから……体内で有精卵にした場合には魂が宿るんじゃないでござるか?」
「確かに……そうでなかったら活用法が全然無いもんな……」
言われてみればその方法があった事を今更ながら考える。
まぁまぁ過ぎた事だ。今は赤ん坊を育てる時期でも無いからな。
「でも良いことを聞いたでござるな。錬金術を使えば女同士でも子供が産める……拙者達には朗報でござる。豪炎寺と原村殿とかは知りたいんじゃないでござるか?」
「確かにそうだけど教えて良いものか……俺自身もまだ錬金術を学んだばっかりで理論が追いついてない。教えるとしても実力が追いついてからになるな」
俺はエールをオタクの分含めて追加注文する。
「オタクは今後どうしていくとかあるの? 奴隷買って独立するのは前に何処かで聞いたことがあったよな」
「1年以上も前の事をよく覚えていたでござるな。一緒に食事した時に少し喋ったでござるか……」
オタクは追加で来たエールを半分飲む。
「かぁ! 効くぅ! ……拙者も将来はバーガータウンを出るでござるよ……今の奴隷達を眷属化させて力を付けて開拓団で辺境に行くか、魔道具の製造で食っていくか……どちらが良いか悩んでいるでござるよ」
「確かに辺境に行けば魔道具の製造は難しくなるわな。素材が集まらないだろ」
「そうでござるよ。ただ開拓団で開拓に従事し生き残れれば貴族になることが出来る。バーガータウンみたいに上手いこと町が大きくなれば上級市民として地位がある状態で好きなことをやって生活することが出来るでござるよ」
オタクも今後どうするか悩んでいた。
奴隷を持つこと、家を持つこと、一定の収入を得ること……これらをクリアしている以上開拓団に参加して生活水準を下げるのは苦痛だと思うが、刺激にはなるだろう。
オタクも俺が錬金術を学んでいるように刺激が欲しいのだろう。
「オタク、1度奴隷達を連れてマクロに行ってみろよ。視野が広がると思うぞ」
「公国の首都でござるか?」
「バーガータウンは確かに魔道具の製造で栄えているが、技術力は公国だとマクロが1番だ。マクロまでは乗合馬車で3日で行ける距離にあるし、気分転換に行ってみたほうが良いぞ」
「そうでござるか……見てみることにするでござる」
俺達はまたエールを飲み干しておつまみと一緒に追加注文する。
次に届いたおつまみはピザ1枚。
ソーセージとチーズがたっぷりの美味しそうなピザである。
「でも自分の城みたいなのは持ちたいよな」
「城でござるか?」
「城というか何かの分野で一流になること……オタクだったら魔道具の技術でトップを目指すのでもいいじゃんそんなに好きならさ……俺は今のところ全部中途半端。色々手を出して模索してるのよ。凄い熱中できる何かを求めてな……馬産が結構良いと思ったんだけど、そうなると今の牧場の規模じゃ駄目なんだよなぁ……」
「金やん……」
「ドラゴンの体は強者の体。才能と寿命、それに健康どれも最上の肉体をしているから可能性は無限大だろ。だから困る。打ち込む何かが見つからないと」
「委員長はバーガータウンで上級市民になって町長になることを目標にしている。まだまだ時間がかかる目標だろう」
「豪炎寺と原村さんは現状に満足しているようで料理への探求心を捨ててない。店を大きくして弟子を増やして……更に美味しい料理を作る研究をしているだろう」
「王宮魔法使いになると言って飛び出した里崎、騎手を目指し軍に入隊した和田さん、世界を見て回りたいと言って出ていった野村達……皆立派だよ。現状を捨てる決断をして明確な夢を見つけたからな。そいつらを見ていると俺は中途半端だなぁって考える時があるんだよ」
「そんなこと無いでござるよ。金やんは宮永殿と中園殿を幸せにするってことをしているじゃないでござるか。立派でござるよ」
「そうかな……」
「そうでござるよ。それになにをそんなに生き急いでいるでござるか。拙者達の人生はルシア師匠曰く長いんでござるよ。10年、20年自分探しをする気でいるクラスメイトも居るんでござるから、興味を持ったことを色々試してみるでござるよ」
「そうか……そうだな。ありがとうオタク」
「また定期的に飲むでござるよ。互いに愚痴を言い合ってスッキリするでござる」
俺達は追加のエールを飲み干すのだった。