【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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開拓団の現状と危険地帯探索

「開拓団の現状を知りたい?」

 

「というよりバーガータウンがどうやって今の都市になった歴史が知りたいのですが」

 

 ある日、俺は冒険者ギルドのベアトリーチェさんに開拓村から地方でも魔道具の生産地として有名になり、他の町に比べて生活レベルを高く維持できている方法を聞いた。

 

「ふむ、私も業務がありますので、詳しい人員を教師として連れてきますね」

 

 そう言って隣の部屋に移動し待つこと数分、ベアトリーチェさんの部下で、メガネをかけたザ·オバサンみたいな人物が入ってきた。

 

「冒険者ギルドで歴史を教えているヒムラです。よろしく」

 

「カネダです……あれ? 声からして男性ですか?」

 

「事故で男性器を切除することになり、容姿が中性的になってしまって……これでも大きな息子と娘が居る父親なんですがね……」

 

「それは大変な事で……」

 

「まぁその話は良いでしょう。確かに冒険者ギルドの授業で教える歴史は概要レベルなので詳しく知りたいとなれば個人で教える必要がありますからね。半日はかかりますが大丈夫ですか?」

 

「あ、時間は気にしないのでお願いします」

 

「分かりました」

 

 まずバーガータウンが町として成立したのは約40年前になるが、開拓村時代の歴史はもっと長かったと言われた。

 

「まずこの地域は開拓が遅々として進まなかった地域でした。理由は迷宮が3箇所もあったからで、迷宮がある危険地帯あるあるなのですが、迷宮からモンスターが湧き出て、他の地域よりも危険地帯となってしまうのですよ」

 

「開拓団がやって来ては潰れてを100年近く繰り返していたらしいですが、今から60年前、現公爵……今の国王の3代前の公爵様が勇者を複数人投入して大規模なモンスター掃討作戦が行われました。危険地帯だった前線をこの作戦で大きく押し上げることになり、前線基地としてバーガータウンの前身となる村が複数箇所誕生します」

 

「しかしその時には迷宮が発見されずに開拓が進み、15年が経過した時に1組の英雄率いる冒険者パーティーが定住します。現町長の祖父に当たる人物で、彼らが迷宮を1箇所発見し、迷宮の探索が進みます。最初に見つかった迷宮がグリーンビット迷宮でした」

 

 ヒムラさんの話曰く、それから5年かけて開拓が進み、マッシュルーム迷宮、ソレンス迷宮が見つかり、ゴールドラッシュみたいに新しい迷宮の富を求めて多くの人が定住し始めて40年前に人口が1000人を超えた事でバーガータウンが誕生。

 

 初代町長に英雄冒険者達のリーダーだった現町長の祖父がなり、功績のあった村民達が爵位を授与されて上級市民、中級市民、下級市民の枠組みが出来上がり、グリーンビット迷宮でユニコーンの捕獲が安定した為馬の競り市が開設、馬産地としてバーガータウンが有名になった。

 

 そして25年前に先代公爵のご子息がバーガータウンを含む地域を領地として拝命し、その人物が自身の生活水準を上げるためにマクロから多くの技術者や知識人を引き抜き、魔石の生産地であったバーガータウンに魔道具加工の工場を複数箇所建設し、魔道具の生産を開始。

 

 25年前はマクロ学派が崩壊した時と一致するため、マクロ学派の一部がバーガータウンに流入したと思われる。

 

 それから徐々に冒険者と農地を拡張していき、外部の村と連結し、僻地としては栄えている迷宮都市バーガータウンが完成したと言われた。

 

「領主様は10年前にご子息を残さないで病死した為、公爵領地に再編入され、バーガータウンには領主様時代の功臣、バーガータウン創設の功労者、成り上がった者達の3種の上級市民が誕生し、それぞれが協議して評議会を運営し、代表として町長を置く事になっているのです」

 

 バーガータウンの詳しい歴史は良くわかった。

 

 この話から開拓団として旨味がある場所は、モンスターが多い地域は迷宮がある可能性が高いこと、バーガータウンみたいに平地が多く、開拓に有利であること。迷宮の産物、馬産、魔道具と3つの主力産業があることが噛み合った事で急成長することができた事が分かる。

 

 俺はヒムラさんに、じゃあ今の危険地帯も勇者を大量投入してモンスターの根切りを進めれば開拓がより進むのではないかと言うと、公爵……現国王がそれをしないのは3箇所で紛争地帯を抱えているからと、東西両帝国の抑止として勇者を投入しづらい環境があるためだとのこと。

 

「それは難しいですね」

 

「他にも今は纏まっていますが、現国王もだいぶ高齢になってきているので、亡くなった時にどうなるか未知数ですから……」

 

 王国の弱点として直系の王家が断絶してしまっている点がある。

 

 有力諸侯が持ち回りで国王を決めているが、そこで揉めると内乱になってしまう事が起こる可能性が高い。

 

 公爵としても防衛上これ以上の領土拡張は他の諸侯とのパワーバランスを崩壊させる可能性が高く、消極的なのだとか。

 

 となるとたまーに行われている開拓団の組織も町の人数調整以上の行いでは無いのかもしれない。

 

 そのことをヒムラさんに聞くと

 

「確かに現状は領地拡張の意味よりは前線国境の維持という意味が強いですね。なので本当の意味で領地を求めて開拓するとなると莫大な労力が必要になると思いますよ」

 

 そう締めくくられた。

 

 あと現状の開拓地域の地図を見せてもらったが、山脈のある地域にぶつかっていて思うように開拓が進まない理由がある。

 

 地図だけではどれくらい開拓が難しいか分からないので飛行して行ってみることにするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヒムラさんにお礼を言い、冒険者ギルドから出て家に戻り、家族の皆にちょっと公国の地図を埋める為に1週間ほど出かけてくると言って、翌日、食糧をバックパックに詰めて飛行して危険地帯に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 危険地帯と聞くと枯れた木々に紫色の大地、マグマや毒の沼が点在する人の住みにくい地域とゲームとかでは描かれるが、そんな事は無く、森がとにかく広がっていた。

 

 で、ヒムラさんに言われたように高い山々が連なる山脈があり、その山脈が東南の国家との国境となっていた。

 

 山脈はワイバーンや飛竜の巣窟になっており、こりゃ人の住む場所じゃねぇなと思いながら更に南下すると大きな湖があり、更に奥は森がずっと続いていた。

 

「500キロ以上南下しても森が殆ど、所々に平原や川があるけど人の村や国は無いな」

 

 草原にて1泊した後に更に南下すること300キロ……海にぶち当たった。

 

「バーガータウンから800キロで海にぶち当たるのか……これを開拓するのは何百年も必要だな」

 

 ただ海岸近くに降り立つと風化していたが、ピラミッドの様な石造りの建物の残骸が残っていた。

 

「人類の最盛期はここまで到達していたのかもしれないな……そんな文明が崩壊するほどの大魔王ってヤバかったんだろうな」

 

 過去に存在した巨大王国と大魔王……いかにやばかったのかがよくわかる。

 

 俺はマッピングしながら危険地帯を巡り、家に帰ってからマッピングで確認しながら地図を作るのだった。

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