【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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特別冒険者

 受付のお姉さんに2階に案内され、2階の部屋に行くとさっきのギルド長と初老のお婆さんが座っていた。

 

『俺がギルド長のジュナルド』

 

『私がサブギルド長のベアトリーチェです。よろしく』

 

『教員をしていて彼らの纏め役の前田です』

 

『補佐役をしている前園です。ゾノと呼んでください』

 

『先程はどうも金田です。カネと呼んでください』

 

『参謀の鈴木でござる。オタクと呼ばれているでござる』

 

『和田でーす。よろしく』

 

 ベアトリーチェさんが皆の名前を確認していく

 

『マエダ、ゾノ、カネ、オタクにワダね。よろしく』

 

「オタク、参謀は言い過ぎだろ?」

 

「良い役職が思いつかなったでござるよ」

 

 進行役はベアトリーチェさんが行う。

 

『まず皆さんの立場の確認ですが、遠く離れた異国で転移の魔法実験をした際に失敗し、その場に居た31名がソレンス迷宮の最深部に転移。そこで脱出を試みモンスターを倒し約1ヶ月かけて脱出したと』

 

『はい、ただ気になったことが』

 

『私からも……先にこちらから聞いておきますが、肉体の年齢が0歳にステータスがなっていますので、新しい肉体になってしまったのでは?』

 

『はい、なので私を含め転移では無く転生ではないかと考えていますが……』

 

 前田先生がそう答える。

 

『なるほど……それでドラゴンの肉体に転生を……極稀……100年に1度程度ですが過去に他の生物への転生に成功した事例もあります。もっともその人物は転生後に町に危害を加えたので討伐されたのですがね』

 

『では過去に事例があると』

 

『はい、ただ魔法実験を再現したからといって再び元に戻るのも難しいですし、今度は転生できずに死ぬ可能性の方が高いので遠くの国に旅をして帰るか、こっちで生活することを考えた方が良いでしょう。それにドラゴンという種族は一般的には天災の一種にもなるほどの強力なモンスターです。皆さんのステータス的にもここらの冒険者が束になっても勝てないと思います。勝てるとしたら勇者と呼ばれる人達か王都にいる戦略魔法使い達でしょう』

 

『勇者に戦略魔法使いですか?』

 

『まぁ今は関係が無い話なので飛ばしますが、転生してドラゴンになる前の種族は』

 

『人間……こちらで言うところの人族ですね』

 

『なるほど前のステータスとかは覚えてますか?』

 

『あまり覚えていませんね。私達の地域では冒険者ギルドもなければモンスターもいませんし、ましてや迷宮でしたっけ……そういう場所も無いところの学業を学ぶ平和な場所でしたので』

 

『国名とかは分かりますか?』

 

『日本国ですね……聞き覚えは』

 

 ギルド長とベアトリーチェさんは顔を見合わせるが首を横に振る。

 

『そうですか』

 

『とりあえず皆さんの今後の話をしましょう』

 

『そうですね』

 

『まず冒険者ギルドとしては強力な力を持つ皆さんが迷宮に潜ったり依頼を受けてくれるだけで助かります。正直バーガータウンの冒険者は質より量と言った感じで、強力な冒険者が居ないのですよ……迷宮が3箇所もあるので多くの冒険者を囲い込む必要があります。そして迷宮は深部に潜れば良い物が出てきますが、迷宮によっては浅瀬でも宝箱が出やすかったり、特定の場所に強いモンスターが湧いて、それを倒すと高値の素材を剥ぎ取ることができる、魔石を落とすとかだと良いのですが……』

 

『正直言って安定はするが、宝箱も出が悪く、5階層以下はモンスターも強くなり労力に見合わない。ただ放置しておくと深層からモンスターが溢れて上の階層に侵食し、押し出される形でモンスターが地上に溢れ出す可能性もある。それだけは避けなければならない』

 

『ギルドとしては深部まで潜って定期的にモンスターの間引きをしてくれる強い冒険者を欲しています。最深部から全員五体満足で帰還できた皆さんが積極的に迷宮を攻略してくれればこの町の冒険者ギルドとしてはありがたいのです』

 

 ベアトリーチェさんが言うには迷宮深部の間引きをしてくれるのであれば特別に冒険者ギルドが補助金を出して懇意にしている質の高い宿に希望者を格安で泊める事が出来るらしい。

 

 他にはオークションの手続きの代行をしたり、俺達に専属のギルド職員を付けたりもすると話してくれた。

 

『なるほど……それは魅力的ですね。正直泊まる所に困っていた所で、冒険者ギルドがオススメしてくれる宿であれば安心して使えます』

 

『ええ、皆さん美人さんなので輩に絡まれる可能性もあるので場合によっては宿の貸切も視野に入れますが』

 

『そんな事もできるのですか?』

 

『ええ、31人も長期的に泊まってくれるのであれば宿としても嬉しいでしょうし、こちらからも補助金をだしますのでどうか考えてはくれないでしょうか』

 

『皆さんはどう思います?』

 

 前田先生は黙って聞いていた俺達に話しを振った。

 

 最初に口を開いたのは和田さんだ。

 

「正直帰れないんじゃないかとは思っていたし、長期的な考えで動かないといけない以上冒険者ギルドの信用は得ておきたいと思いまーす。私達が他の人より強いとわかって暴走するクラスメイトは居ないと思うけど、ここで一旦長期的な休憩をしないと女子達は結構ストレスを溜め込んでいるからガス抜きしないと危ないよ」

 

 委員長も和田さんの様に一旦心の整理をする時間が欲しいのと文明的な生活を送りたいとして賛成した。

 

 オタクに関しては

 

「将来的には中級市民になってそれぞれ独立するのも視野に入れないとでござるよ……ダンジョン内かつ緊急事態でクラスは一致団結していたでござるが、高校を卒業したらバラバラになるように、拙者達も徐々にプライベートを広げても良いんじゃないでござるか?」

 

 流石に俺はオタクに

 

「まだ早いんじゃねぇか? 異世界に来てから1ヶ月も経過してねーし、町に来たのは今日だぞ」

 

 と言う。

 

「あくまで今後の話でござる。元男子も今後はこの身体で生活をしないといけないでござるし、女子も良い人が居れば異世界人と恋仲になるかもしれない……この世界で行きていくとなったら自立した生活を見据えて行動しないといけないでござるよ……前田先生も最終的には自立しないといけないと思うでござるよな?」

 

「鈴木君の言うように最終的にはですが、いきなり自立と言っても見捨てられると捉えてしまう人が多いでしょう。宿の部屋を個室にする。日中は自由に活動する。それぞれでお金の管理をすると言ったプライベートの拡張をしつつ、又木高校3年B組という枠組みを相互援助の組合へと昇華できれば最良だと思っています」

 

「……ちょっと先走り過ぎたでござるが、冒険者ギルドの支援を受けて宿を取るのは賛成でござる」

 

「俺も賛成……たぶんこれで反対意見を言うのは居ないと思いますからこの場で決めて良いと思います前田先生」

 

 前田先生は頷くと

 

『すみません纏まりました。冒険者ギルド側の提示をこちらは受け入れます。最初は冒険者ギルドが指定する宿に宿泊させてもらってなるべくダンジョン深部の間引きや冒険者ギルドの依頼を受けたいと思います』

 

『助かる』

 

 ギルド長は書類を見せて前田先生が代表してサインをする。

 

『一応扱いは特別冒険者と皆さんは言わせてもらう。本来は長年冒険者ギルドに貢献した冒険者に与えられる特権だが、冒険者ギルドの判断で贈ることが可能だから、今回それに当てはめてマエダ達を特別冒険者にし、特権を享受できるようにする。冒険者ギルドでも受付をする時は受付に話せば2階で担当が個別対応をするようにする。ベアトリーチェ頼めるか』

 

『ええ、分かりました。ただ私も年なので個別担当者は若い子をもう1人育てますからね』

 

『ああ、幹部候補の奴を使え』

 

 ギルド長とベアトリーチェさんとの話し合いも纏まり、俺達は先程の話を伝えるために1階の丸いテーブルと椅子が置かれたロビーの様な場所にたむろしている皆の所に移動するのだった。

 

 

 

 

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