【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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口座開設と満腹セットメニュー

 皆の所に移動すると、皆は見習いのギルド職員マリーに持ってきたピンクバナナを与えて餌付けしていた。

 

「ああ、おかえり前田先生に皆」

 

「お疲れ様です宮永さん。マリーさんでしたっけ? 皆囲んでバナナ与えてますが……」

 

「一生懸命皆の質問に答えるのでお礼にバナナを渡したんですよ。そしたら凄い気に入っちゃって」

 

「地上ではバナナは無いのか?」

 

「無さそうですね。好きな果物を聞いたらリンゴと言っていたので、リンゴはあるらしいですが」

 

「なるほど」

 

 マリーちゃんはニコニコしながらバナナを食べていたが、もう3本譲ってくれないか言われたのでマリーにバナナを3本渡すと、受付の先輩達にも分けていた。

 

 こういう気遣いができる子に日本人は弱いんだよなぁ……。

 

『お待たせしました! すみません分けてもらって! 凄く美味しかったです!』

 

『それは良かった』

 

 マリーの笑顔に皆メロメロである。

 

 パンパンと前田先生が手を叩き、座席に座り、先程の話を伝える。

 

 自分達が特別冒険者となり、定期的に迷宮の深部に潜り、モンスターの間引きやギルトの依頼を受ける代わりにギルドから特別扱いを受けることの取引だ。

 

 サインをした書類にも同じ様な内容が書かれていた。

 

「確かに今日から泊まる宿をこれで確保できたことになるけどよ。今後は各自の都合で動く感じか?」

 

「そうなる……ただ悲報があって転移も転生も過去の事例はあるらしいが、同じ様な状況になっても地球に戻れる可能性は低く、今度は死んでしまう方が高いらしい」

 

「地球に戻れないの!」

 

「そんなぁ!」

 

「家族の事、友人や恋人、大学への進学のこと……皆さんの世代なら見たかったアニメや漫画、スマホでの利便性を知っているととにかく不便でしょう。薄々感じていたかもしれませんが、冒険者ギルドのギルド長という詳しい人達が出した結論です。とりあえずこの世界での長期滞在を前提に動く必要がありますし、それを前提にどう動いていくか考えていきましょう」

 

 前田先生に不満を言ってもどうしようも無いので不満を喚き散らしたり誰もしないが……女子達は泣いたりするかと思ったが、精神の値が伸びた影響で我慢の許容量が上がったのかもしれない。

 

 悲痛な顔をしている人、他人の顔色を伺っている人、前田先生をじっと見つめる人、今後のことをもう既に考えている人と様々である。

 

『はい、まずはお金の話をしましょうか。宝石類はこの世界では魔石と呼ばれているらしく、換金することができるので私達が持っていても仕方がないのでこの場で換金してしまいましょう……マリーさん、換金の手伝いをお願いします』

 

『はい! わかりました!』

 

 先生の言葉に野村と佐々木が皆から集めた魔石をマリーに提出する。

 

『わわ、ちょっと量が多いのでサブギルド長を呼んできますね』

 

 ベアトリーチェさん! とマリーが呼ぶと2階からベアトリーチェさんが降りてきた。

 

 マリーから話を聞いてベアトリーチェさんが鑑定を始める。

 

『15万の魔石が12個、5万の魔石が38個、それに上質な木綿30キロは1キロ200Gで6000G、他の細々とした魔石で373万Gになりますね……そのまま買取でよろしいですか?』

 

『お願いします』

 

『少々お待ちを……金庫からお金を引き出しますので』

 

 1Gが100円計算で約3億7300万円にもなる……それを一括で換金できる冒険者ギルドの資金力恐るべし……。

 

 普通銀行でも躊躇する金額だぞ……。

 

『あ、ベアトリーチェさんお金を預けておくことはできますか? 流石にそんな大金を管理しておくのは難しいので』

 

『ええ、可能です。口座は分けますか?』

 

「前田先生、皆に10万G配って残りは先生が管理してよ」

 

「うん、最悪前田先生が使っても良いから……個別口座にしようよクラスでの口座とか絶対に揉める原因になるから」

 

「わかりました」

 

『ベアトリーチェさん、口座は各自に10万Gの振り込みで、残りは私の口座に振り込んでください。あと手持ちのお金も欲しいので3万1000Gほど出してはくれませんか?』

 

『わかりました。用意いたします』

 

 ベアトリーチェさんは直ぐに口座と金額を用意してくれた。

 

 こちらが各自の口座が書かれたカードになります。

 

 冒険者カードと似たようなカード……プレートを渡された。

 

 そこには残金が10万Gと書かれており、説明を聞くと冒険者ギルドであれば1度に100万Gを超えなければ引き下ろすことができるらしい。

 

 今回全額引き落としをしようとしたのは口座がなかったからで、口座がある場合の高額換金は口座に振り込まれる形が取られるらしい。

 

 俺は口座カードと冒険者のカードの2枚のプレートにそれぞれ穴が空いていたので針金草を使ってリングを作り、ネームタグの様に2枚をリングに通し、首輪を別で作って首からぶら下げた。

 

 他の皆も同じ様に首からぶら下げたりしている。

 

 まぁ服に隠れているので見えないが。

 

『どちらも再発行できますが無くすと犯罪に使われたりするので大切に身に着けておいてください』

 

『オススメはカードポーチっていうのが売られているから腰のベルトに通す形で入れておくと便利だよ! 財布とかも一緒に入るし』

 

 マリーにそう言われ、とりあえず1000Gの入った袋を全員に渡された。

 

 中身を見ると10枚のコインが入っていて1枚100Gの価値があるらしい。

 

 紙幣は無く全て硬貨で最大だと1万硬貨があるらしい。

 

 普通に使う分には100G硬貨が最大でお店とかでは1G硬貨や10G硬貨で扱うことが殆どだとか……。

 

 ベアトリーチェさんが気を利かせて少し細かくしてくれた。

 

 ベアトリーチェさんは手続きが終わると宿へ話をつけるらしく先に宿に歩いて行った。

 

 残った俺達はまだ昼ということで食事を取りたいのと受付のお姉さん達に話すと冒険者ギルドの正面にある食堂が安くて量が食べられるからオススメと言われ、ベアトリーチェさんが戻って来る前に食事をすることになった。

 

 冒険者ギルドを出て道を挟んで正面に骨付き肉が描かれた看板の掛かったお店があり、ここも冒険者ギルドと同じくウエスタンドアと普通の扉の2重扉になっていて、両方を開くと長いテーブルと長い椅子が並べられていて、学食とかフードコートの様なシステムらしい。

 

 料理を注文したら番号札が渡され、料理ができれば番号が呼ばれて番号札と交換で料理が渡される。

 

 流石にこのシステムなので先払いだ。

 

 一緒に着いてきたマリーにオススメの料理を聞くと量が食べたいなら満腹セットメニューを頼むと良いと言われた。

 

 料理のメニューの看板が掲げられていたが、セットメニューが5つ、単品が10個、飲み物も水は有料らしいが金を支払えばタンクから水を汲み放題の飲み放題のシステムに近いらしい。

 

 元男子達は満腹セットメニューを、女子達はステーキセットメニューやシチューとパンのセットメニューを注文する。

 

『見慣れない顔だね! ようこそバーガータウンへ! 歓迎するよ!』

 

 食事を作っているおばちゃんからそう言われ、おばちゃん達が鉄板で豪快に料理を作っていく。

 

『はい、1番から6番までの満腹セットメニューできたから取りにおいで!』

 

 俺の番号は4番だったので取りに行くと巨大ハンバーガーにスープと切ったリンゴが付いてきていた。

 

 ハンバーガーはアメリカンサイズで日本のメジャーなハンバーガーの4倍近く巨大だ。

 

 そりゃ満腹だわと思う。

 

 値段は5Gで、日本円換算で500円と考えると物価が安いのを加味しても凄く安く感じた。

 

 水の1Gを含めても6Gである。

 

 1G支払えば木のコップが渡される感じだ。

 

『うちは安くて満腹をめざしているからね! いっぱいお食べ!』

 

 料理が冷めてしまうので各自で食べることになり先にいただく。

 

「いただきます」

 

 ハンバーガーはバンズの中に挽肉を焼いたパティ、ソース、目玉焼き、もう一枚パティ、ソース、玉ねぎ? スライスして焼いた芋(恐らく長芋だと思う)、レタス、もう一度ソースと言った感じか? 

 

 片手では手の大きさ的に厳しいので両手で掴み、大きく1口……ジューシーな肉汁にレタスと玉ねぎ、スライスした芋がシャキシャキと口の中で音を奏でる。

 

 ソースはガーリックマヨネーズと若干のピリ辛……マスタードみたいな調味料が混ざっているのか今まで素材本来の味で豪炎寺の料理を食べていたが、調味料のパンチの効いた味がとにかく食欲を掻き立てる。

 

 スープはオニオンスープで細かく切られた玉ねぎに肉と野菜で取った汁を注いだスープになっていた。

 

 切られたリンゴは甘いというよりは少し酸っぱく、原種に近い感じがした。

 

 巨大ハンバーガーだったが10分もしないで食べ終わり、周りを見ると他の人達も調味料の効いた食事に感動しながら食べていた。

 

 豪炎寺は少し悔しそうにしていたが、ダンジョンの中で考えられる最高の料理を作っていたと思うのでそう悔しがる必要は無いと思う。

 

 ただドラゴンの肉体は巨大ハンバーガーを食べても腹6分目くらいでもっと食べられそうだが、今回は自重しておく。

 

 目の前に座って食い終わっていた野村に

 

「うまかったな」

 

 と言うと、野村も

 

「ああ、ハンバーガー屋のハンバーガーみたいだった。チェーン店じゃなくて個人店の方の」

 

 そう答え、俺は

 

「確かに」

 

 と答える。

 

 野村の意見に俺も同意だ。

 

 ちなみにステーキメニューを頼んだ女子にはフォークとナイフが渡され、2ポンドくらいのステーキが皿に乗っていた。

 

 牛では無くポークステーキっぽいが、その肉の分厚さは圧巻である。

 

 シチューとパンのセットを頼んだ女子には大皿にクリームシチューみたいなシチューが、なみなみ入っていてフランスパンみたいなのが付いてきた。

 

 満腹セットメニューと同じく5Gで食べられるから驚きだ。

 

 流石にステーキは10Gするが……それでも破格の安さだろう。

 

 ちなみにマリーはお子様セットというハンバーグとパスタが少量盛られた2Gのメニューを食べるのであった。

 

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