【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ソレンス迷宮 3 象頭のモンスター

 俺達が先に進むと、広い空間に出た。

 

 そこの奥にはモンスターが鎮座している。

 

 象の様な頭、ギロリとこちらを見つめる三つ目の瞳、水晶の様に透き通る立派な牙、イチョウの様な形の大きな耳、灰色かつ筋骨隆々な肉体……そして手には鎖付きのモーニングスター……持ち手の棒と鎖に繋がれた棘付き鉄球があるタイプが握られていた。

 

 そしてそのモンスターがモーニングスターをブンブンと振り回し始めた。

 

 敵探知の表示が白から赤に変わる。

 

 敵が俺達のことを認識したらしい。

 

「来る!」

 

 俺がそう叫ぶと鉄球が目の前に勢いよく飛んできていた。

 

 鎖は見た目以上に伸びるらしく、明らかに最初に垂れていた鎖よりも長く伸びている。

 

 象頭のモンスターと距離が50メートル近くあったのに鉄球が飛んできているため、この空間は射程範囲内なのだろう。

 

 俺は咄嗟に翼でガードするが、翼に棘が突き刺さる。

 

「うぐ!?」

 

「「金やん!」」

 

「金田君!」

 

「ちい! 皆飛べ! 空戦で回避した方がマシ!」

 

 俺も飛ぼうとするが、翼に穴が空いたらしく、血が噴出し、上手く飛ぶことができない。

 

 俺は急いで回復魔法を自身にかけるが、モンスターは待ってくれない。

 

 鉄球を電動のリールの様にけたたましい音をたてて手元に回収した象頭のモンスターは再び鉄球を俺に向かって投げてきた。

 

「金田君は殺らせない!」

 

 中園さんが壁に手を付けて石の槍を地面から生やして象頭のモンスターを攻撃する。

 

 象のモンスターに飛び出てきた石の槍が命中するが、石の槍の方が負けて、突き刺さらずに当たった瞬間にボッキリ折れてしまう。

 

「そんなぁ!」

 

「金やん!」

 

 俺は高速思考により飛んでくる鉄球の弾道を読み切り、ギリギリで回避する。

 

 翼の止血も丁度終わるがまだ翼に穴が空いている為、飛べそうには無い。

 

「オタク! あのモンスターはなんだ!」

 

「インド神話のガネーシャやスリランカの邪神ギリメカラににているでござる!」

 

「弱点は!」

 

「神話だと剣で首を切断されて討伐された逸話が邪神の方はあるでござる!」

 

 オタクが叫ぶときにも鉄球が飛んでくる。

 

 次に狙われたのはオタクで、ギリギリの所で旋回して回避する。

 

「中園さん落とし穴!」

 

「うん!」

 

 機械人形で通用した落とし穴からの土の生成による生き埋め戦術を実行する。

 

 象頭のモンスターはストンと穴に落ち、宮永さんが土を生成して穴に落とし込む。

 

 生き埋めにできたと思った瞬間に地面が爆発し、象頭のモンスターが土を吹き飛ばして這い出てきた。

 

 生き埋め戦術は効かないらしい。

 

 象頭のモンスターはドドドと走り始めるとモーニングスターを振り回しながら攻撃をしてくる。

 

 モーニングスターは空中に逃げた3人を狙っているらしく、重い鉄球らしからぬ動きで3人をどんどん壁際に追い込んでいく。

 

 3人も当たらないようにランダムな軌道で飛行し、回避運動をする。

 

 俺は走っている象頭に走って近づくと、首めがけて手刀を振り抜いた。

 

 ガッギ──ーン

 

 金属と金属が高速でぶつかった様な音が響き、俺の手が真っ赤に腫れ上がる。

 

 痛みを感じるよりも象頭が俺を蹴り飛ばしてきたので両腕をクロスして防御体勢を取る。

 

 蹴り飛ばしの勢いは凄まじく、俺は50メートル近く飛ばされて、壁に激突した。

 

「金田君!?」 

 

 中園さんの悲鳴が響く。

 

 ただ見た目は派手だがモーニングスターに翼が当てられた時のような痛みは無い。

 

 両腕も蹴られた跡はあるが、骨が折れているわけでも無く、打撲や内出血している感じも無い。

 

「問題ない!」

 

(手刀は駄目……となると……)

 

 俺は地面に転がっている袋に目を向ける。

 

 その中にはミスリルの剣が入っており、ミスリルの剣ならあの化け物の首を切断することも可能であると判断した。

 

「皆一瞬足止め頼む!」

 

 俺はそう言うと走り始めていた。

 

 俺の言葉を聞いたオタクは飛びながら象頭のモンスターに向かって火炎放射をする。

 

 中園さんと宮永さんは効果が無いと分かっていても石の槍を生やしてモンスターの注意を惹く。

 

 俺は袋に思いっきり手を伸ばして掴むと、思いっきり入り口の奥に投げた。

 

「撤退!」

 

 俺はモンスターの四方を石の壁で囲み、視界を一瞬遮断すると、皆も飛行しながら入り口に戻り、全員入った所でまた石の壁で通路を塞いだ。

 

 すると赤く光っていたモンスターの反応は白に戻り、動きも止まった。

 

「金田君! 今治すね」

 

 中園さんが回復魔法で俺の翼を治しながら俺は剣の土汚れを水で洗い流す。

 

「このまま撤退するのもあるが……ミスリルの剣ならあいつの首を落とすことも可能だと思うが……俺は今アイツを倒しておきたい」

 

「拙者は撤退を具申するでござる。もう少しレベルを上げてからでも良いのではないでござるか?」

 

 意見が分かれ、女子の方に注目する。

 

 宮永さんは少し考えた後に

 

「倒そう。もし他の人がアイツに別の場所で出会ってしまった場合死人が出るかもしれない……倒し方さえ分かればよりこの迷宮が安全になるし……もしかしたらあれがこの迷宮のボスってことはないの?」

 

「確かにそれはあり得るでござるな。地球でも神と呼ばれる造形をしたモンスター……ただ本当に首を斬れば倒せるかは未知数でござるよ」

 

「それでも挑む価値はあると思う」

 

 黙っていた中園さんが

 

「あのモンスターが守っているのはなんだろう」

 

 と言う。

 

「守っているもの?」

 

 俺は中園さんに聞き返す。

 

「うん、あのモンスターが最初に居た場所の奥に通路があったから、更に奥を守っていると思うの……」

 

「更に奥を守る……ダンジョンにありがちなボスモンスターでござるな」

 

「オタク、こういう展開だと奥の先には何がある?」

 

「うーん、1つは宝物庫、もう1つは次のエリアに続く道、邪道だと別のダンジョンに続いていたりするでござるな」

 

「……鉄球さえ気をつければモンスターの近接攻撃も派手だが痛くは無い。だから懐にさえ潜り込めば勝ちだと思う」

 

 俺の言葉に中園さんも

 

「金田君が倒せると確信してるなら倒そう」

 

 と言ったことで多数決で倒すことが決まった。

 

 じゃあどうやって倒すかを少々考え、作戦も決まり、俺達は石の壁を破壊するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 広い空間に出た瞬間に俺は飛行を開始し、右回りで飛行しながらモンスターに近づく。

 

 モンスターは先ほどの石壁に囚われていたが、叫び声をあげると破壊して、モーニングスターを振り回し始め、俺に向かって鉄球を投げつけた。

 

「今!」

 

 オタクがモーニングスターを投げる瞬間に天井から石柱を生やしてモンスターの腕に勢いよく命中させる。

 

 するとモーニングスターの軌道が変わり、俺からズレて鉄球が飛んでいく。

 

 そして待機していた2人が石柱を次々と生やして鎖部分を石柱で固定する。

 

 モンスターは鉄球部分も手元に戻そうとするが、十数本の石柱でロックしているため動かない。

 

 俺はその隙に一気に距離を詰めてモンスターの懐に潜り込む。

 

 モンスターは空いている手で俺を掴もうとしてくるが、俺は剣を振るうと、モンスターの腕がスパンと切断された。

 

 そのままの勢いでモーニングスターを握る腕も片手剣で切断し、首にミスリルの剣を振り抜いた。

 

 ミスリルの剣は肉を斬り裂きながら進むが、首の骨の部分で止まってしまう。

 

 モンスターは切断した首の肉を再生しながら抵抗するが、俺はモンスターの腹を思いっきり蹴っ飛ばして転ばせた。

 

「オタク!」

 

「おう!」

 

 転ばせた瞬間にもう1本のミスリルの剣を持っていたオタクが飛んできて、上から思いっきり剣を振り抜いた。

 

 スパン

 

 首が勢いよく前に飛び出し、ゴロゴロと硬い地面を転がる。

 

 象頭のモンスターの身体は頭が無くなると徐々に崩れだして砂に変わってしまった。

 

 頭も崩れると、頭の中からボーリングの球みたいな大きさの魔石が現れてゴロリと転がり、ドロップ品として象頭のモンスターの牙が2本転がっていた。

 

 そしてモーニングスターも消滅せずに残るのだった。

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