【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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ソレンス迷宮 5 3人の感情

 ジャラジャラとモーニングスターの鎖が音を立てている。

 

 鎖付きのモーニングスターの欠点は移動する時に両手が塞がる事だろう。

 

 ただし、射程距離50メートルという圧倒的リーチと鎖が伸縮して格納時には2メートル近くまで縮むのは持ち運ぶ点においては利点だ。

 

 そしてゴーレムの様なモンスターを倒すことで魔石がドロップするタイプにはこのモーニングスターは絶大な効果を発揮する。

 

 俺が敵探知でゴーレムや機械人形が居る場所まで誘導し、視認できればグルングルンとその場で鎖を持って鉄球を回す。

 

 これがスキルロックオンの発動条件らしい。

 

 そしたら敵にめがけてモーニングスターを投げつける。

 

 複数体居たら投げつけたモーニングスターをぶん回して範囲攻撃……鉄球に当たれば粉砕だし、鎖に当たれば巻き付いて鉄球が後からぶつかってくる。

 

 締め付けて敵を拘束するという使い方だってできる。

 

 俺の敵探知と宮永さんのモーニングスターの攻撃で4時間で100体以上のゴーレムと5体の機械人形を倒し、宮永さんは一気にレベルを20近く上げることに成功していた。

 

 宝箱等は見つからなかったが、十分すぎる成果である。

 

「悪いね私だけ経験値稼がせてもらって」

 

「これが一番効率が良いでござるから稼ぐ目的の今回はこれが正解でござるよ」

 

 前後半合わせれば象頭の魔石を抜きにしても600万G……現代換算で6億近く稼いでいることになる。

 

 象頭の魔石が100万Gだとしたら700万Gを超える収入……出費に計画性を持たせないと金銭感覚が狂って恐ろしいことになりそうな金額である。

 

「まぁ今回で小金持ちにはなれたと思うけど、これだけ稼げるなら迷宮潜る比率落として勉強やコネ作りの方に比率偏らせた方がいいんじゃない?」

 

 宮永さんの意見に俺も賛成する。

 

 正直1ヶ月に1度でも良いとすら思える。

 

「それは帰還してから考えるでござるよ。宮永殿、時間は今何時くらいでござるか?」

 

「今外は21時半……今日は寝て、明日朝から帰還を目指す感じでいいんじゃない?」

 

「そうでござるな……はぁぁぁ……気を張ってたから疲れたでござるよ」

 

「今日はうさぎの燻製肉で良いよな。それ食ってさっさと寝ようぜ」

 

 キャンプに移動して食事を取ったら俺はさっさと眠りにつくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 すぅ……すぅ……と隣で金やんが寝息を立てている。

 

 モーニングスターに当たって翼から血をドバドバ出していたし、一番危険なモンスターの懐に飛び込んでの攻撃をしたりと大活躍だった金やん……普通なら興奮して眠れないと思うが……スキルのおかげかぐっすり眠っている。

 

「白湯でも飲むか」

 

 拙者がもそりと起きると中園殿と宮永殿が居ないのに気がついた。

 

 キャンプの外に出ると、2人が地面に座って談笑していた。

 

「寝れないでござるか? 2人とも」

 

「あ、鈴木君」

 

「オタクも寝れてないじゃん……まあ座んなよ」

 

 拙者も腰をかける。

 

「鈴木君と金田君ってさ……仲良いよね。元からなの?」

 

「元から……いや喋るようになったのは3年になってからでござるな。2年の時にクラス替えで今のクラスになったでござるが……喋ると言っても授業の事や連絡事項の確認とかでござるよ……金やん正直男子の中で浮いていたでござるから」

 

「え? 金やんって浮いていたの? 皆からあだ名付けられているからてっきり馴染んで居るんだとばっかり思っていたけど」

 

「金やんの家大家族でお小遣いとかも多く貰えてなかったし、2年の時からあまり他の人と普段関わるタイプじゃなかったでござるし……文化祭とか体育祭とかはクラスで一緒に頑張ってくれたからハブられる事は無かったでござるが……3年になったら急に鍛え始めて卒業したら自衛隊に行く……防衛大ではなく普通の自衛隊員になろうとしていたでござるから……拙者達のクラス金やん以外は大学進学目指していたから少し浮くのは仕方がないでござるよ」

 

「まぁ確かにそうかも」

 

「金やんは拙者が異世界に来てから行動的になったと言っていたでござるが、拙者は元の世界でもイベントとかに積極的に参加する行動派オタクでござる……スタンスは変わってないでござるが、一番異世界に来てから変わったのは金やんだと思うでござるよ……クラスでもリーダーシップを取るような人物でも無かったのに、脱出する際には先遣隊にもなって他の人の為に頑張っていたでござる」

 

「うん……前から金田君に好意を抱いていたけどもこっち来てから更に好きになった」

 

「まぁ中園殿が金やんに好意を抱いているのは伝わるでござる。だからこのチームに誘ったでござるが……あと金やんはクラスから少し距離を置いてほしかった」

 

「それはどういうこと?」

 

「金やん大家族の長男というのもあって自分の意見を殺す事に長けているとこっちに来てからよく分かったでござる。だから危険な事を積極的にやるし、先導役もこなす……金やんは人を引っ張れる力があると同時に自身の事を2の次にするという悪癖があるのでござるよ……だから金やんに好意的な人物でチームを固めて金やんが意見を言いやすい環境を整えたでござる」

 

「なるほどね~、オタクが私と中園を誘った理由が今分かったわ」

 

「うん。金田君を生かす為だったんだ」

 

「拙者金やんがこのままクラスに埋没していくのがもったいないと思ったんでござるよ……だったらチームを組んで、雰囲気で彼をリーダーにしていき、自分の我を出せるようになれば金やんの正義感も合わさって化けると思ったんでござる」

 

「オタクそこまで考えていたんだ」

 

「でも今日ので鈴木君の考えは正しかったと思えたよ。鈴木君が象頭のモンスターで慎重策を言ったのに対して討伐した方が良いって……クラスの今後も考えてだろうけど自ら一番危険な役回りを担って……結果勝てたし」

 

「中園殿に宮永殿……金やんはまだ人として成長する余地が大いにあるでござる。人を導く能力……カリスマ的なのが眠っているでござる。拙者は金やんの可能性を最大限発揮したい」

 

「オタク、普通同性にそんな激重感情を抱くなんて普通じゃないよ」

 

「拙者も拙者の為にやっている部分があるでござるよ……金やんが一人前にできれば他の人を育てる事もできるでござる。拙者最終的に奴隷を買って独立する所まで道筋を立てているでござる」

 

「え? 鈴木君独立するの? ずっとこのチームでやっていくのかと思っていたんだけど……」

 

「拙者、金やんに好意を抱いている女性の中でずっとやっていける自信は無いでござるよ……まぁ1年や2年はこのチームで活動するでござるが、今後を上手く立ち回るためのコネ作りでもござるし」

 

「オタクが将来の事を色々と考えていることはよーく分かったけど、私達は金やんと長く付き合う気持ちでいたんだけど」

 

「拙者から見れば宮永殿も金やんの事Loveの方で見始めて居るんじゃないでござるか?」

 

「そ、そうなの宮永さん!?」

 

「う……今日の金やんはカッコよかったと思ったけど……」

 

「まぁ同性に性転換してなっているし、この世界で同性婚や重婚がどうなっているか分からないでござるが、事実婚みたいにして一緒に住むとかも有りだと思うでござるよ……3人で末永く一緒のチームで活動するのも有りでござるし、何か事業を始めたりするのも有りでござるし」

 

「中園、私は……」

 

「宮永さん、好きになってしまったものは仕方ないよ……だったらどう言う関係や行動が一番良い選択肢になるか考えていこう」

 

「中園……いや、中ちゃんも強いね」

 

「さーて、そろそろ寝るでござるよ。スキルで安眠を取ればぐっすり眠れるって金やんが言っていたでござるからな」

 

 こうして拙者達3人の腹を割っての話し合いは静かに終わるのだった。

 

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