【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
魔法の熟練度を上げるには大なり小なり魔法を使い続ける必要がある。
これは俺達でもよく分かっていて、ルシア師匠はその中でより効率的にトレーニングすることのできる魔道具があり、安かったから人数分用意してくれたらしい。
渡されたのはボウリング玉程度の大きさのスノードームの様な物で、上にキャップの様な蓋が付いており、中には土が入っていた。
「魔法練習機材のシュミレー球だ。使い方は簡単。この玉には内側には魔法の影響が出るが、外には魔法を遮断する結界の様になっている。それぞれの魔法を使うことで天候を操作することが出来るようになっている」
と言われた。
例えば土魔法を使えば土で色々な物を造形したり、柱を作ったりして、水魔法だと雨、風魔法で砂埃が吹き荒れ、火魔法だと中で火柱があがり、雷魔法だと落雷が発生し、それらを複合的に組み合わせることで全部の魔法の熟練度を満遍なく上げることができるのだとか。
魔法の階級が上がっていけば土や水を増やしたり、玉の中を炎で覆ってみたり、落雷発生機みたいに電気で稲妻を発生させまくるみたいな事もできると言われた。
俺も試しに風魔法で竜巻を作ってみると玉の中で竜巻が発生し、土ぼこりが舞っていた。
「この玉を使うことで新しい魔法でも安全に実験することができる。敵への攻撃方法を試したりもできる。まぁこの玉の欠点は手を当てていないと魔力が流れない点だ。触れていないと外部との魔力を遮断する効果によって魔力が流れないからな」
遠距離でこの玉の中に現象を起こさせる事は難しいらしい。
「まぁこれはあくまで室内でやる練習で、水魔法で体を洗ったり、土魔法で畑を耕したり、火魔法で料理を作ったりと日常生活で魔法を多用することもトレーニングになる。普通の魔法使いは魔力総量が少ないから冒険者は特に魔法をここぞという場面で使おうとしてトレーニングの回数を減らそうとする。私はそれはよろしく無いと思うし、君達は魔力総量が多いから日常生活でも魔法を多用できるだろ?」
とルシア師匠が締めた。
結局熟練度を上げるためには使うしか無いのだ。
その後は各魔法の初歩についての練習に移り、俺も雷魔法の下級を覚えることができるのだった。
それから4日間ルシア師匠の下で魔法について学んだり、迷宮や種族、ライン王国国内の領地の違いなんかを学びながら魔法の練習をし、その中で借家に引っ越しをして新しく生活を始めた。
料理はパンドラとハートがパンを焼くことができたので、2人にパンの作り方を教わりながら、朝食は2人に用意してもらい、朝食を食べたら空を飛んで魔法ギルドに直行し、ルシア師匠の授業を受ける。
昼食をクラスの皆と取って、再び授業に戻り、授業が終わったら皆と別れて5人でレストランで夕食を食べる。
それから帰るまでにパンドラとハートの冒険をするための準備を少しずつ整え、家に帰ると晴れている日は庭で筋トレや素振り、時間があれば家の前でダッシュをしたり、マラソンをしたりして、雨の日はリビングで筋トレをし、それが終わったら家の掃除をしたり、洗濯物をして、風呂に入って柔軟やマッサージをし、乾燥室にしている部屋に服を干して、パンドラとハートに飛行のトレーニングをしてから眠りに着く。
パンドラとハートはスキルポイントでスキルを習得する感じでは無いので、俺達がスキルでしている動きを1つ1つ模倣していくしか無い。
なので翼を動かして落下速度を落とす浮遊から覚える必要がある。
そんなこんなの日常を送りながらお休みの日になるのだった。
「今日は近所に挨拶回りだな」
初めての休みになったのでとりあえず近所に挨拶に行く。
郊外で周囲も広い畑が広がっているが、近所の人付き合いは大切である。
とりあえず質の良いタオルを持って5人で挨拶をしていく。
と言っても近所と言える家は5軒しか無く、隣まで徒歩で10分以上かかる。
「あら、パトラさんの家(借家の老夫婦のこと)の新しい住民さん? あらあら、引っ越しの挨拶なんて悪いわね……畑は再び耕すのかしら?」
最初に行った家の奥さんにそう言われて耕す予定ですと伝えると
「良かったわ……畑って荒地が近くにあると周りの畑も駄目にしていっちゃうのよ……パトラさんもそこそこの広さの畑だったから雑草が生えるとそこから周りの畑を侵食してね……どんな作物を植えたほうが良いとかは教えるから聞いてね」
そんな感じの事をどこの家からも言われた。
まぁ農民にとっては荒地が近くにあるのは死活問題なのだろう。
肥料を買う場所だったり、作物の種のお店の場所を教わったりし、最後の家に向かう。
5軒目の近所さん所は他の農家と違い、牧場も兼業している所だった。
「あぁ、パトラさんの所に住む人か……あの爺さん達も息子さん達がバタバタ亡くなってすっかり老け込んでいたからな……。俺はクリノ……クリノ牧場を経営している」
「カネダです。カネと呼んでください」
「ナカです」
「ミヤでーす!」
「こっちの2人はパンドラとハートで一緒に住んでるので挨拶を」
「パンドラです」
「ハートです」
「おお、美人な嬢ちゃん達だな。俺の所はユニコーンやバイコーンの競走馬や軍馬、農耕馬の生産と繁殖をしているんだ。この前俺の牧場で産まれたバイコーンが大きいレースに出たりもしたんだ。農耕馬でよければ売るし、馬の育て方とかは教えるから気軽に声をかけてくれ」
そう言われた。
今は馬の管理を出来るような施設も人員も居ないし、俺達の本職は冒険者なので機会があればと断った。
挨拶周りを終えて、昼食を町で食べた後、俺と中園さん、宮永さんは畑の整備を、パンドラとハートは家の屋根に登って空を飛ぶ練習をすることにした。
なるべく早く畑の整備をしてほしそうだったので、とりあえず俺達3人は別れながら火炎放射で焼畑を行っていく。
雑草を焼いて土壌の中の虫とかも焼き殺し、焼き終わった場所から土魔法で深く耕していく。
それを1日かけて行い、耕した畑に種籾を撒いていく。
後は町でスライムの肥料を購入し、明後日運んで貰うことになったのでスライム肥料を追肥すればとりあえずはオッケーだ。
まぁ米を撒いた面積は田んぼ5枚分くらいなので15枚分くらいまだ残っているので、近所の人に聞きながらどんな作物を植えたほうが良いか聞いた方が良いかもしれない。
今度聞いてみようと思うのだった。
屋根から飛び降りて、飛ぶ練習をしていたパンドラとハートの2人はとりあえず空中で留まる事は出来るようになったらしく、2階の位置で翼をバタつかせて浮いていた。
雛鳥が必死に翼を動かしているみたいで可愛い。
「でもカネダ様、迷宮で空を飛ぶ必要があるのでしょうか?」
「私もそう思いますが……」
「ソレンス迷宮だと4階層は空を飛べないとショートカットができないんだよね。他の迷宮でも空を飛べたほうが空中戦という選択肢が増えるだけで安全性が大きく違ってくる。……せっかくだし明日2人にはソレンス迷宮に挑んでもらおうかな。俺もついて行くから」
「ええ!?」
「だ、大丈夫でしょうか……」
「俺の剣も貸すから頑張ってみようぜ。まぁ明日行くのは2階層のゴブリンを倒すぞ」
「「ゴブリン……」」
2人にとっては嫌な思い出……トラウマになっていてもおかしくないが、早めに乗り越えなければいけない壁だろう。
正直2人が荷物持ちでも出来るようになれば稼げる金額も大きく上がる。
オタクが将来離脱することを考えると2人でオタク分の働きはしてもらわないと……。
「よし、今日は夕食にパスタを作ろう。俺買い物行ってくるから2人は中園さんと宮永さんを誘って風呂入っておけよ」