【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
2ヶ月経過
ソレンス迷宮を脱出してから2ヶ月が経過し、雨季が始まった。
1週間に1度くらいの雨の頻度だったのが週6で雨みたいな感じになり、特注の雨具を着て空を飛んで移動するが、濡れるので気分は良くない。
オタクと中園さん、宮永さんと4人でソレンス迷宮の深層まで潜るのを追加で2回行い、やはりと言うか象頭のモンスターは復活していなかった。
あのモンスターはボスモンスターだったのだろうか?
モーニングスターをぶん回す宮永さんが絶好調で、前々回攻略の時はゴーレムと機械人形を合わせて78体、前回は80体近く倒し、両方とも1人当たり120万G近く稼ぎ、口座が潤った。
4人でダンジョンを潜る日以外は冒険者ギルドの料理教室に通ったり、パンドラとハートの特訓に付き合ったり、畑の管理をして生活していた。
パンドラとハートは俺達が倒した機械人形の持っていたナタと折りたためる大型ナイフをそれぞれ使うようになり、パンドラが右手にナタ、左手はアームシールドという感じで、ハートが両手にナイフを持つスタイルが気に入った様だ。
贔屓にしている武器屋で焼き入れをしてもらい、2人のミスリル武器も強化しておいた。
武器が扱えるようになったのなら練習あるのみとしてソレンス迷宮に潜ってゴブリン退治を2人は1週間に1度は行い、レベリングを進めていた。
あと2人とも俺や宮永さん、中園さんよりは速度が出ないものの、飛べるようになり、魔法ギルドに毎回抱えられて移動するということも無くなっていた。
畑の方もギータ爺さんのアドバイスで赤芋の種芋を入手して植えることにした。
今年は時期が悪かったのもあるが、秋から小麦等の冬を越す作物を植えようと思う。
そしてルシア師匠との魔法の授業も中級魔法についての勉強をしていた。
理論が分かれば教えることができる為、全員スキルポイントで習得している土魔法を含めて勉強し、着々と魔法を覚えていた。
「今日も雨か……パンドラ、雨季ってどれくらい続くんだ?」
「だいたい3週間程度ですね」
「じゃあまだ2週間は続くのか……」
「雨だと畑に水をやらなくていいので楽なのでは?」
「まーな」
朝から今日も雨が降っており、この時期は冒険者ギルドの依頼も少し変化する。
例えば洪水しないように川の堤防の補修依頼だったり、この時期でしか採取できないキノコの採取だったり……雨ばかりなので商人の馬車の護衛なんかも人気が落ちる。
「ルシア師匠との授業も今日は休みだし、パンドラとハートも飛べるようになったから日帰りで4階層まで行ってみるか」
「いいんですか? ……大丈夫ですかね……」
「飛竜を倒せるようになれば冒険者としても1人前らしいからな。今持ち合わせている技術を応用すればいけると思うぜ」
「わかりました! ハートも呼んできます」
「おう!」
ちなみに宮永さんは今日は絵を描くと言って部屋に引きこもり、中園さんは料理教室に行ってくると先ほど出かけた。
俺も迷宮に潜る準備を進めていくのだった。
雨の中飛ぶこと5分でソレンス迷宮の入口に到着し、雨なので迷宮の中で待機している衛兵に挨拶し、迷宮に潜っていく。
「やぁ!」
「とりゃぁ!」
パンドラとハートはスライムやゴブリンの討伐には慣れて、勢いよく倒していく。
ゴブリンも前までは4体で限界だったが、今では10体同時でも倒せるようになっていた。
「迷宮今回で潜るの何回目だっけか?」
「これで10回目になります!」
「最初の頃よりは安心して見てられますか?」
「うんうん、ゴブリン10体でも安定して捌ける様になったし、だいぶ成長したな! レベルももうすぐ15くらいか?」
「はい……ゴブリンだと経験値の入りが少し鈍くなってきましたが……」
「でもよかったのですか? 私達に経験値が上がる腕輪を貸していただいて……」
俺と中園さんが身につけていた腕輪を最近はパンドラとハートの2人に貸し出すことが増えていた。
2人が早く成長出来るようにということと、経験値増加の対象はレベルアップだけじゃなく、スキル習得にも影響があるらしく、2人が腕輪を身につけるようになってから魔法の習得速度も目に見えて上がるようになった。
なので俺と中園さんがオタクや宮永さんの4人で迷宮に潜る時以外は経験値増加の腕輪を貸していた。
「さて3階層に行くぞ」
「「はい!」」
3階層は音を立てて歩けばモンスターが寄ってくる事の無い比較的安全な階層であるため、商人の真似事をしている冒険者達がたむろしている。
俺達はそれを見ながら先に進み、4階層の入口まで行くと、久しぶりに買取屋のブラッキー一味と出会った。
「よぉブラッキー」
「おぉ、カネ……先週のアタックぶりですなぁ」
相変わらず胡散臭い笑みをしながらニヤついている。
先週オタク達と深層に戻ってくる最中襲ってきた飛竜を倒し、ブラッキーに卸して稼げたらしいし、彼にしてみれば値切り交渉もしてこないので上客なのだろう。
「ブラッキー、これから俺の部下になる2人の鍛錬で飛竜狩ってくるから買い取ってくれよ」
「へいへい! 沢山頼みますぜ」
「沢山ってマックスでも4頭運ぶのが限界なんじゃないのか?」
「最近売り上げが良いので荷車を改造して魔石で動く補助モーターを着けたので1台で3頭まで一気に運べますぜ」
「それ俺みたいに何頭も狩ってくる奴が居ないと赤字だろ?」
「いえいえ、竜人のお仲間さんで飛竜狩りをしてくれる方が複数人いるので結構稼がせてもらえるのですよ」
「あー、クラスの中には日帰りで飛竜倒している奴も居るのか……なるほどな」
「お待ちしておりますので……ごゆっくり……」
「あいよー」
4階層に降りながらハートが
「胡散臭い男でしたね」
と言ってきたので
「確かに胡散臭いけど仕事は出来るし、飛竜1頭900Gの最低買い取りは守ってくれるから町まで飛竜を運ぶのも解体するのも面倒くさいから頼るんだよなぁ……」
「そうなのですね」
そんな会話をしながら、パンドラとハートは初めて4階層に足を踏み入れる。
「「わぁ……」」
巨大な大木をくり抜いた階段が続いているのと窓から飛竜が飛んでいるのが見える。
「よっこいしょっと」
俺は窓に足をかけて飛び降りる。
「わわ!」
「カネダ様!」
「大丈夫だ。2人も飛べよ」
「は、はい!」
2人も窓から飛び出すと空を飛び始める。
俺は飛行している2人に近づいて
「飛んでいると飛竜が襲ってくるから倒していくぞ」
「「は、はい!」」
そう言っているとプテラノドンみたいなのが襲いかかってきた。
この迷宮に居る飛竜は魔法攻撃をしてくるわけでも無く、鋭いクチバシで突っついてきたり、鉤爪や翼で攻撃してくる感じなので対象さえ間違えなければ怪我をすることは無い。
簡単な倒し方は近づいてきた飛竜の攻撃を躱しながら、雷魔法で感電させて倒すというのが一番楽だ。
後は顔面を思いっきり殴って脳挫傷させるのでも良い。
パンドラとハートには倒し方は教えていたが、3メートル以上ある飛竜に恐怖を感じているのか動きが鈍い。
俺は2人の首根っこを掴んで飛竜から距離を取る。
「大丈夫だ。図体がデカいだけで怖いモンスターじゃない」
「……私行きます!」
パンドラが決意を固めると、一気に滑空していき、飛竜に近づいていく。
飛竜も気がついたのかパンドラを襲うが、パンドラはひらりと躱して飛竜の背中に張り付くとバチバチと電撃が飛竜の体を駆け巡った。
飛竜はぐったりし、口から舌を出して白目を剥いており、感電死したことがわかる。
「パンドラよくやった! パンドラができたからハートもできるよな」
「は、はい!」
ハートも滑空していき、すれ違いざまに飛竜の顔面をナイフの柄の部分で思いっきり殴ると、ボゴんと交通事故を起こした車同士の激突の様な音を響かせて飛竜が撃墜される。
落ちている途中の飛竜をハートは捕まえて担いでこっちに持ってきた。
「2人ともよくやった! よし、1度3階層のブラッキーに売ってこれの繰り返しだ。頑張るぞ」
「「はい!」」
その日は飛竜をパンドラとハート2人で18頭も倒し、1人で8100Gも稼ぐ事が出来た。
ちなみにブラッキーも換金したら2500Gも儲かったと喜んでいた。
奴隷代金や設備費用を抜いて1900Gくらいは利益となることを考えると笑いが止まらないだろう。
パンドラとハートも飛竜を倒せたと自信が付き、俺は2人を先に帰して、ブラッキーと一杯やることにするのだった。