【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
4日間のルシア師匠との授業を終えて、パンドラとハートと約束したグリーンビット迷宮に潜る日になった。
「4階層しか無いらしいけど頑張っていくぞー」
「「おー!」」
それぞれの武器を腰にぶら下げて迷宮に向かって歩く。
迷宮の場所は前に野村から聞いていたのですんなり到着し、衛兵に挨拶して中に入っていく。
ソレンス迷宮の入口は遺跡みたいなのだったが、こっちは木製の鳥居みたいなのが入口になっており、くぐると草原が広がっていた。
空から偵察するかと空を飛んでみると、鳥居が空間の端にあるのか、鳥居の手前は見えない壁になっていて進むことができなかった。
天井もしっかりあり、だいたい100メートルほどで、見えない壁に到達する。
上から見てみると、スライム、ゴブリン、フェアリーが多く存在し、フェアリーは人の姿をしているという感じでは無く魔法使いのマスコットみたいな姿をしていた。
一番近いのは鳥の羽が生えたフェレットが表現として正しいだろうか。
ちなみに色は赤、緑、青、白、黄、黒とさまざまで、魔法を使う……というわけでも無く、甘噛みしたり、引っ掻いたりしてくる程度で、引っ掻かれても病気になったりすることも無いらしい。
ただ絶対に人に懐かないので見た目は可愛いがペットにはできないのだとか……。
「眷属化したらどうなるか気になるっちゃぁ気になるな……」
「やるのですか?」
「私達は構いませんが……」
「うーむ……今日は辞めておこう。眷属化ってそうやすやす使うスキルでもないからね……」
俺は今回は見送り、とりあえずフェアリーを剣で倒していく。
「キュピー!!」
断末魔も可愛らしい……罪悪感が出てくるので辞めて欲しい。
ただパンドラとハートは容赦なく倒していく。
お前ら罪悪感とかわかないのかと聞くと
「村に居た時の害獣に似ていて……」
「野菜とか齧られて売り物にならない事が多々あったので……」
どうやらフェアリーは害獣扱いらしい。
倒すと魔石がドロップし、売値は1個10Gらしく、初心者向けのモンスターらしい。
ただグリーンビット迷宮は1階層でもゴブリンが出るので注意しなければならない。
俺達は2階層に続く鳥居をぐぐる。
地下に続くというよりは別の空間に飛ばされている感じがする。
2階層では大きなスライムのビッグスライムやほぼ鶏のバジリスクが居ると冒険者の授業で習っていたが……。
「コッコケコココ」
「コイツがバジリスクか?」
鶏の体にアオダイショウの様なヘビが後ろにくっついていた。
「襲っても来ねぇし」
近づいても鶏もヘビも我関せずみたいに……というより鶏に引きずられてヘビ伸びてるし……。
「えい」
ハートがナイフで鶏の方の首を落とすと血を噴き出しながら走り出し、ヘビがグルングルンとぶん回っている。
2分ぐらい走り回ったあとに倒れて動かなくなった。
尻尾のヘビもぐったりしていて項垂れている。
「倒したは良いが……食べるか?」
「そうですね。もったいないですから食べましょうか」
「私もう2匹捕まえています」
ハートがそう言ってナイフを持って駆け出していった。
俺がバジリスクの羽を毟ったり、尻尾のヘビ部分を分離させたりしていると、ハートが戻り、頭を落としたバジリスクの尻尾のヘビを腕に巻きつけていた。
そのまま3人で羽を毟って、内臓を抜いて、肉を細かくして焼き鳥として火で炙っていく。
「ほい、完成……塩でいいよな」
「「はーい!」」
棒を尖らせて串にした焼き鳥に塩を振りかけて食べていく。
3羽分ともなると結構な量であったが、塩の焼き鳥は美味い。
正直タレやネギまにしても良かったと思うが、味変で食べたヘビ部分の串焼きも淡白な味わいでなかなかいける。
これは塩というより醤油をかけて食べたかったな。
「満腹満腹! ……このバジリスクなら外でも飼えそうだな……卵で増えるのかな?」
「冒険者ギルドで教わった事ですが、バジリスクは家畜として飼われる事があるらしいですよ。ただストレスがかかると鶏部分とヘビ部分が喧嘩して、ヘビ部分が鶏部分の首を絞めて自殺するらしいので放し飼いが基本らしいです」
「今度鳥小屋作って飼おうかな……卵毎日食えたら最高だし……あー、でも卵の果実を育てられたらその手間も必要ないのか……食べたかったらグリーンビット迷宮に来れば良いしな……やっぱり無しー」
そのまま飛行していると緑色のビッグスライムが飛び跳ねていた。
近づいて触ってみるが、ブヨンブヨンしているだけで襲いかかってくる気配は無い。
「1階層はゴブリン居たけど、2階層はビッグスライムとバジリスクだけなら安全だな」
俺の呟きにパンドラとハートも頷いている。
一応ビッグスライムを倒してみるが、少し大きな魔石(買取価格30G)を落とし、液体をばらまく程度で特に無い。
一応火炎放射で燃やして液体を処理しておいたが、よく燃えるなぁ以外の感想は無く、俺達はそのまま次の階層に向かった。
鳥居をまたくぐり、次の階層も平原が続く。
話には聞いていたが、最後の階層まで平原が続くらしい。
3階層で現れるのは1階層でも居たフェアリーの進化系ハイフェアリー。
ハイフェアリーになると魔法を使って攻撃してくることがある。
姿は色付きフェレットそのものだが……。
あとはこちらが襲わない限り襲ってこないドーナッツライオン(たてがみの代わりに付けているドーナッツは甘くて美味しく、倒すとドーナッツと魔石を落とす)や草を食べる芝刈りドッグなんかも居る。
ここの階層のモンスターは倒すと魔石を落とすタイプで、ハイフェアリー以外は近づいても攻撃してこないのも特徴的だ。
パンドラとハートはハイフェアリーも容赦なくナタやナイフで斬り裂いて倒していき、ドロップした魔石を大切そうに袋にしまっていた。
今日は金やレベリングというよりは気分転換とグリーンビット迷宮の探索がメインなので、ドーナッツライオンを倒してドロップした大きなドーナッツを3人で分けて食べたりもしながら、次の階層に向かうのだった。
最後の4階層は草原と湖があるエリアで、湖近くにはユニコーンが沢山生息している。
今日俺達はユニコーンを捕獲する気は無いが、ユニコーンを捕獲しようと頑張っている冒険者が多くうろついており、投げ縄を投げて捕まえようとしていた。
中には犬(芝刈り犬ではなく普通の犬)を使ってユニコーンを誘導し、誘い込んでから捕まえるという高度な事をしている人も居て、人間観察するのも面白い。
軽く最後の階層を観て回ったが、ユニコーンやビッグスライム、ハイフェアリーが居るくらいで特に面白い物も無く、ハイフェアリーをパンドラとハートがある程度シバいて帰るのだった。
飛行し、2時間かけて迷宮を出て、俺達は冒険者ギルドに向かう前に、捕獲されたユニコーンがどう売られるのか見る為に馬喰の集まる馬市に向かった。
馬喰とは馬を取り扱う商人だったり馬の獣医を示す言葉であり、馬の売買に関係する人を博労と言う。
馬市はバーガータウンの中……ではなく郊外にある。
馬が売れるまで飼っておく馬小屋が並んでおり、冒険者ギルドの出張所も置かれていた。
ユニコーンを捕まえてきた冒険者はまずこの出張所で冒険者ギルドにユニコーンを売り、それを病気が無いか等を確認した後に競りにかけられる。
冒険者ギルドは健康なら1頭2500Gで買取り、3000Gから競売が開始される。
毛並み、馬格、脚が真っ直ぐか等色々な要素で値段がつき、手を上げ、そのサインによって上がる値段が変わる。
例えば握りこぶしのまま上げたら10G、指1本立てる事に100G、親指を立ててグッドのポーズをしたら2倍みたいな感じだ。
「でました3500G! 3500G以上いませんか……はい、10番さん3500Gで落札です」
だいたい他の博労が馬を購入し、数頭集めて他の町や村に馬を売りに行くらしい。
見栄えが良いユニコーンは地元の牧場が買い取って種牡馬にしたり、個人が買い取って競走馬にしたりすることもある。
中には軍人らしい人も混じっており、軍用馬を求めてバーガータウン郊外の馬市に来るのだとか……。
そんな競りをハンバーガーを食べながら観戦し、程良い休日になるのだった。