【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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災い転じて福となす

 マリー達は俺の家に到着すると頻りに謝られた。

 

「すみませんカネダさん……いや、カネダ様、借金を肩代わりしてもらって……」

 

「家族そろって購入していただいてありがとうございます」

 

「一応これからの事をお話しましょう」

 

 とりあえずマリー達を席に座らせてお茶を淹れる。

 

「恐らくギルド長からも話されているように俺が3人の奴隷の所有権も買取り、一括して借金の返済をしようと思います」

 

「まずマリーのご両親には俺の仲間が今度経営する食堂の従業員をやってもらいます。そこで働いてもらうことで飲食店従事として最大の50Gの支払いを私がしましょう。お店側からも従業員の部屋を貸し出す事、食事の賄いを出すこと、食堂の設備を使うこと(風呂やトイレ等)、そして借金返済とは別に50Gの給金をお店側から出してもらう約束を取り付けています。契約期間は10年で契約が終われば10年分の費用の1万Gをそれぞれに支払います。無駄遣いせずに貯めていれば老後も暮らせる金額になると思います」

 

「次にマリーは俺の家でメイドの様な役割をしてもらいます。食事を作ることと料理を作ること、作物の収穫期には収穫も手伝ってもらいます。で、契約では冒険者奴隷として働いていることにし、毎日200Gの返済と賃金として50Gを支払おうと思います。家に部屋も与えますし、料理も3食食べさせます。で、俺達冒険者をしているのでここに住んでいる全員が冒険に出掛けることが今後出てくると思うので、家の掃除や設備の点検をしておいて欲しい。場合によってはお金を与えるから各種魔石の交換なんかも任せたい」

 

「一応週に1度は休みを与えるけど、その日も返済金は発生していることになるから安心して欲しい。仲間と相談して家族で週に1日は過ごせる時間も作るから」

 

 俺がそう説明すると困惑の方が大きかった様で

 

「そ、そこまでしていただいて良いのですか?」

 

「我々はきつい事をさせられると覚悟していましたが……」

 

 とマリーの両親が俺に聞くが、冒険者ギルド職員という高給取りから賃金も下がるだろうし、自由の時間もぐっと減る。

 

「マリーちゃんが俺達に良くしてくれていたのでマリーちゃんが困っているし、こっちは着服した金額分くらいなら稼げる能力がありますので……マリーちゃんの働きを見ていたので俺達が動かされただけですよ。俺達の国の言葉にこういうのがあります……困ったらお互い様ってね」

 

 そう言うとマリーちゃん含めた親子は泣き初めてしまった。

 

 とりあえず冒険者ギルドが家財を差し押さえているので、衣類等は返却してもらわなければならないので俺はボロ布で外出させるのもあれなので、パンドラとハートを連れて冒険者ギルドに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 冒険者ギルドに到着した俺は奴隷商会にサクラを用いた値段の釣り上げをやられた事を報告した。

 

「あの野郎……こっちは特別冒険者かつ元ギルド職員の買い戻しって言ってるのに値段を釣り上げただと……ぜってぇ潰してやる」

 

 ギルド長は顔を真っ赤にして激怒。

 

 ただ被害を受けたのは俺なのでギルド長は

 

「本来買えた差額を支払います」

 

「いえ、悪いのは冒険者ギルドでは無く、奴隷商会ですので……ちなみにこの町には奴隷商会はあそこしか無いのですか?」

 

「小さい奴隷商人は居ますが、競りが出来るほど大きいのはあそこしか無いですね……まぁ客の足元見て商売しているようならそのうち信用無くなりますよ、えぇ。こっちも面子に泥を塗られたので報復は必ずしますのでご安心を」

 

 とりあえず冒険者ギルドも着服されて現金がごっそり消えている状態で差額を支払わせるのは酷なので奴隷商会への報復は冒険者ギルドの方に任せ、あとはクラスの仲間にこの事を話してあそこの奴隷商会から買わないように言うだけで十分だろう。

 

 オタクも奴隷を欲しがっていたが、そんな値段の釣り上げをされたらたまったものでも無いだろうし……というか今回の件で俺達ドラゴンは金を持っていると思われて俺達が買おうとしたら釣り上げられるみたいな事をやられかねない。

 

 だったら冒険者ギルドに頼んで奴隷を融通してもらった方が全然良いかもしれない。

 

 俺は本件であるマリー一家の賠償額分を冒険者ギルドに支払い、奴隷の契約を引き継いだ。

 

 そしてマリー一家の差し押さえされている家に行き、衣服や使えそうな物をパンドラとハートと共に回収していき、借家だったのでマリー達のことを大家に説明して明日マリー一家に必要な物を回収しに来ますということと、その後残った物の処分や部屋の清掃は冒険者ギルドが責任を持ってくれるらしいので、何人か出入りするということを伝えた。

 

 また迷惑料として1000G程を大家に渡し、荷物を担いで家に戻るのだった。

 

 

 

 

 マリー一家は服を着替えて普通の格好に戻り、お風呂に入ったり、食事を食べたりしてもらって休んでもらう。

 

 俺は皆に今日のことを伝えるためにまた外出し、マリー達の事を中園さんと宮永さんに任せるのだった。

 

 竜の巣の宿に飛んで移動し、女将さんに少し話したいことがあるので食堂を使わせてほしいと言って30Gほどお金を渡し、中に入ると皆食堂で食事をしていた。

 

 明らかに不機嫌そうな俺の顔を見て委員長が

 

「金田君何かあった?」

 

 と聞いてきたので、マリー一家を買い取る時にサクラを使われて値段の釣り上げが行われた事をぶちまけた。

 

「商売なのにモラルねーな」

 

「うわ、金あるって見られたか……最悪じゃん」

 

「私奴隷買うってなってもその奴隷商会使わないようにするわ」

 

 非難轟々である。

 

 前田先生も

 

「信用勝負の商売でそれをやるなんて……下の暴走ならまだしも上がその対応なら関わらないほうが良いですね」

 

 と言っていた。

 

 奴隷を買いたがっていたオタクも流石にサクラを使った値段の釣り上げは見過ごすことができないので、きっちり報復をするべきと言うが、報復は冒険者ギルドに任せ、奴隷を購入する時は冒険者ギルドを経由しての購入の方が良いと説明した。

 

 今回の件で冒険者ギルドも本来は管轄外らしいが、特別に俺達に奴隷の仲介をやってくれるらしいので、希望を言えば他の町から引っ張ってくると言ってくれたし、冒険者希望の労働奴隷を見繕うこともできると言っていたのでオタクが必要としている冒険者にも合致する。

 

 その話を聞いて他の人も俺は損を受けたが、マリー一家は買い取ることができたし、自分達は利益だけ享受している感じになるので俺に対して悪いなと言われた。

 

 まぁ俺も引きずる程には気にしてないし、マリー一家の一件と今回の奴隷商会の件で冒険者ギルドに貸しを2つも作れたので、収穫時期に早めに冒険者を雇いたいと言えば融通してくれたりもするだろう。

 

 特に米の収穫は稲刈りから脱穀、精米とやることが多いので人手がとにかく必要だし……。

 

 まぁ災い転じて福となすとはこの事だろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日俺の家に奴隷商会のオーナーが謝りに来た。

 

 どうやら俺の日程を知った下っ端職員の暴走だったらしく、ギルド長からクレームが入ったのを聞いて直ぐに動いたらしい。

 

 サクラを雇った職員は解雇、サクラをやっていた人は一般人だったので逃げられたらしいが、奴隷商会には出禁処分にしたらしい。

 

「誠に申し訳ありませんでした……釣り上がった費用は返金致しますし、及び今度奴隷を購入する場合は例え戦争奴隷であっても1人分全額こっちが費用を持ちますので……どうか……どうか……」

 

 まぁそれぐらいが妥当だろう。

 

 謝罪という誠意を見せてくれたのだから、こちらも誠意で返さねば無礼である。

 

「奴隷商会側の誠意は受け取りました。これ以上こちらも揉めたくは無いので今回の件はこれまでにしようと思います。ただ今度奴隷を購入する時はオーナーさんに一声かけますのでよろしいですね」

 

「はい、誠に申し訳ありませんでした」

 

 失った信用を完全回復には至らないし、クラスの仲間は奴隷商会を利用することは無いだろうが……とりあえず和解はした。

 

 そのうちこれも笑い話になるだろう。

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