【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】   作:星野林(旧ゆっくり霊沙)

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キッチーナと酒場で

「少し気になったが、冒険者のゴールって何だ?」

 

「何だ藪から棒に?」

 

「いや、キッチーナみたいに冒険者ギルドの職員になるっていうのも長期的に見れば勝ち組だろ? 安定した職業だし……ただそうではない普通の冒険者もゴロゴロ居るが、そういう奴らのゴールってどうなのかと思って」

 

「歳を取ってからの冒険者ってことか? まぁ色々あるわな……まず冒険者の大多数の目標は土地持ちだ。英雄願望とかの奴もいたりするがそしたらもっと経験値の入る迷宮を目指したり、自身のレベルに合わせての行動をするから、ここら辺では全然居ない。まぁ多くが村から右も左も分からずに追い出されてきた子供ばかりだからな」

 

「土地持ちになるには土地を買い取るか開拓するしかねぇ。町で土地を持てれば家屋を建てて、宿を経営したり、借家にして貸すこともできる。郊外だと自分の畑を持つことだな……これが目標になる。若いうちは皆それを目指すが、ある程度してくると現実が見えてくる。このまま冒険者を続けていれば死ぬなってのがわかる日が来る……そういう奴らは衰えが顕著になる前に開拓団に志願することがあるんだよ」

 

 キッチーナの説明によると定期的に発生する魔王や魔王の眷属による破壊活動により国の外周部の村や町が壊滅する事があるらしく、復興するのに人員の募集が行われ、限界を感じた冒険者だったり、新しい事をしたがる若者が志願して復興地に向かって、そこで新しく村や町を作っての繰り返しらしい。

 

 バーガータウンも最初期は復興した村だったらしいが、迷宮が発見されて人が流入して今の形がある。

 

 ちなみにバーガータウンから国境付近の危険地帯までは100キロ近くの縦深があるので魔王による襲撃はほぼ無いらしい。

 

 その前に勇者だったり領主の軍隊が対応してしまうのだとか……。

 

「運が良ければ町や村が被害に遭わずに拡張していき、新しい村や町ができて、内側の村や町は安全になる……それの繰り返しだぜ」

 

 キッチーナはポテトを食べながら話を続ける。

 

「それだとこの国はもっと広がって無いと駄目なんじゃないか? バーガータウンから中心地の王都まで800キロ、バーガータウンから危険地帯まで100キロ……900キロ……数百年の歴史ある国がそれだけの領土しか得られてないのか?」

 

「カネ、開拓団に魔法使いが行く事は殆どねぇんだぞ。危険地帯はモンスターや木々が生い茂る森だ。場合によっては原住民族と戦う場合もある。10組の開拓団が出たら5組定着すれば成功、その5組のうち1組が村として成功したら万々歳って確率だ。冒険者でも実力ある奴は実力ある者で集まる。その方が生き残れる確率が上がるからな」

 

「でもリターンもでけえ。バーガータウンみたいに30年やそこらでこんだけデカい町になることもある。そんな所に開拓団として入植していた奴らは広大な農地や利権を手にしているだろうよ」

 

 魔法使いは町でそもそも働き口があるので無理して開拓団には参加しない。

 

 そのためモンスターへの対処が難しくなり被害が拡大する……そんな感じか。

 

 バーガータウンの周りでもゴブリンが繁殖していたりもするからな。

 

 確かに更に森が広がっている場所ならば危険度は倍増だろう。

 

 キッチーナ曰く口減らしの意味も含まれていると話す。

 

「ベテランでも人気のある奴は冒険者ギルドがそれとなく後進の育成とかを理由にポストを用意するが、そうでない奴は開拓団に推薦されたりする。意味を深く理解していない奴は土地持ちになれるかもという希望で言いくるめられて志願しちまうんだよなぁ」

 

「なるほど」

 

「あと有望な冒険者は商人が囲ったりもする。職員、用心棒、護衛……使い道は色々ある。商人の片腕として護衛隊のリーダーとなったベテラン冒険者も居たりするな」

 

「キッチーナは詳しいな」

 

「俺はアンテナ張ってないと中堅の冒険者ってのは生き残れねぇんだよ。ベテランになってから動き出したら遅いからよ。でもカネ達の出会いは運が良かったぜ。カネとコネがあることも冒険者ギルドは評価してくれたらしく、それまでは何度も落とされていたギルド職員も俺へ指定依頼をしてくれただろ? それから繋がりが続いたからなれたと思うぜ」

 

「まぁキッチーナが元気そうで良かったわ」

 

 また酒を注文し、キッチーナと再会祝いとして俺が奢るのだった。

 

 

 

 

 

 

 冬服にすっかり衣替えで、翼や尻尾が邪魔にならないロングコートを服屋に仕立てて貰い、寒さが厳しくなる冬に備える。

 

 畑もすっかり霜が降り歩くとザクザクと言う音が聞こえてくる。

 

 マリーもすっかり俺達との生活に慣れたのか、寒い朝に一番に起きて朝食を毎食作ってくれる。

 

 パンドラとハートは冬になってから鍛錬の量が増えて毎晩俺と一緒に素振りや筋トレをすると限界まで鍛え、食事をし、風呂に入って柔軟をすると睡魔に負けて爆睡する生活をしていた。

 

「金田君にパンドラちゃん、ハートちゃんに私からプレゼント」

 

 中園さんが手編みのマフラーをプレゼントしてくれた。

 

 寒い冬にはとてもありがたい。

 

 ちなみに宮永さんは全員分のスリッパを器用に作り、羊毛でモコモコ仕様にし、寒い冬に足から冷えないようにという気遣いである。

 

 寒さに震えていたマリーは宮永さんのスリッパのプレゼントに大喜びし、室内のどこに行くにも宮永さんのスリッパを履いていた。

 

 雪も振り始め、日本の雪国みたいにメートル超えの積雪ではないが、数センチ積もっては溶けてを繰り返している。

 

 冬場になるって変化したことといえば町の市場の活気が減った事だろうか。

 

 毎日屋台が並んでいたが、冬になると野菜とかも備蓄モードに入る為か、収穫した物が並ぶという事が無くなり、小物とかを売っていた店も並ばなくなった。

 

 やっぱり寒いと人も外で商売をするのは厳しいのだろうか……。

 

 そんな冬に新しく出来た建物もある。

 

 春の終わり頃に競馬が魔道具で王都の競馬場が映されていたが、シホン公国の首都であるマクロの郊外にあるマクロ競馬場のレースが映し出される場外馬券場みたいなのがオープンした。

 

 まぁ競馬だけでなくキックボールの試合の映像も流れるらしく、スポーツ観戦するための場所という側面が強い。

 

 賭けられるのは大きいレースや試合のみで、他の町のオッズと連動はしていないので賭けのオッズもバーガータウンの観戦所で完結する感じらしい。

 

 試しに休みの日に皆を連れて行ってみたが、汚いおっちゃんがいっぱい居るみたいな感じでは無く、家族連れが映画を見に来るみたいな感じが強かった。

 

 バーガータウン郊外でユニコーンやバイコーンの牧場経営をしていたり、ユニコーンの馬産地ということで、競馬に興味がある層が多いらしく、メインレースでないのにバーガータウン出身の馬が出てくると大盛りあがりで、他の町に負けるなーみたいな応援をしている人が多かった。

 

 パンドラやハート、マリーも楽しめていたし、中園さんと宮永さんもレースを楽しみながら軽食を食べるのは程良い時間潰しになると言っていたり、ユニコーン綺麗だねーとか言っていた。

 

 

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