【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
スキルの体内時計では年が明けたと表示されているが、バーガータウンでは年明けの行事なんかは行われずに平常運転……。
初代勇者が大魔王を討伐した記念日以外はお祭りらしいお祭りも無く、それも冬が明けた時期にやるらしい。
まぁ冬の間に貴重な食糧を大量に使うお祭りは中々できないか……。
一応家ではお正月のお祝いとして貴重な砂糖を買ってきてスイートポテトを何個も作り、新年のお祝いとして食べた。
本当はおもちとかも食べたかったが、もち米じゃないので断念。
餅無し雑煮も作り、新年をほそぼそと祝うのであった。
冬の休みの日は迷宮に潜るくらいしかやることが無く、パンドラとハートのレベリングも済んだので、年が明けた最初の迷宮へのアタックで、オタク、宮永さん、中園さんと俺の4人に荷物持ちとしてパンドラとハートも深層に連れていくことにした。
今まで5階層までしか潜ってこなかったが、レベルも35となり、翼でガードするウイングシールドも特訓をして出来るようになっていた。
特訓内容としては俺が投げる石を翼でガードするという単純な事だったが、最初は石が翼に当たると痛みを感じていたが、翼の筋肉に力を入れたり、魔力を翼に集めたりすることで、本気ではないが6階層の飛んでくる鉱石くらいの速度の石を痛み無く弾く事が出来るようになったので、潜れるだろうという判断が下った。
あとは2人は暇な時に野村から石を投げるコツを教わり、すっかり野球のボールを投げる動作を習得し、投石によるサポートもこなせる様になっていた。
「よっしゃあ今日から約1日半8階層に潜って稼ぐぞ!」
「「「おー!」」」
「「頑張ります!」」
「一応パンドラとハートは最初だから説明しておくけど、7階層までは襲ってきたモンスター以外は基本無視。襲ってきたモンスターでも体が残る奴は近くに他のパーティーが居たら譲るか居なければ土葬して進んでいく。魔石だけは拾っていくけどな」
「だいたい8階層までは早くて3時間、遅くても4時間程度で到着できるから、朝一番の今の時間からだと昼前には到着できると思う」
「休憩兼昼食を取ったら8階層へアタック開始。4時間ごとに休憩を挟んで2サイクルしたらその日は7階層のキャンプで就寝。置きたらもう1サイクルして外を目指す。そうすれば昼過ぎには戻る事ができると思う」
「換金した金はオタクが奴隷を購入したいって言っているからオタクが多めで、換金できない魔道具とか宝箱から出てきたアイテムはその時に決める感じで」
「「「「「異議無し」」」」」
「それじゃあ行くぞ!」
始めて到達した6階層でビュンビュン魔石が飛んできたり、オークの巣があることにパンドラとハートは驚き続きつつも順調に6階層を突破し、7階層に到達した。
7階層のピラミッドの天井に空いた穴から外に出てキャンプに到達し休憩に入る。
「パンドラとハートは疲れたか?」
「6階層は驚く事が多かったですけどカネダ様のしてくれた特訓のお陰で無事突破することができました!」
「翼を鍛えろの意味がよくわかりました! たしかに飛び出す鉱石を防ぐためには翼でガードできないと危ないですね!」
少し過剰なランニングとガード重視で鍛えてきて良かったと俺は思った。
これなら8階層でも十分に戦力になる。
パンドラとハートに7階層で自生する植物について教え、食材を集めていく。
持ってきた乾燥させた野菜に自生していた食材を入れて鍋にして食べる。
相変わらずにんじんにんじん喋るカブみたいなマンドレイクは鍋にするとうめぇなぁと思いながら、作戦会議を挟んで8階層に向かう。
敵探知のスキルを発動させてマップを見ると隠しエリアだった場所に白い反応が1つある。
「おい、恐らく象頭が復活している」
俺がそう言った瞬間にパンドラとハート以外の皆の雰囲気が変わる。
「倒すべきか?」
「倒せるのか? 前だって結構ギリギリだったけど」
「宮永殿の頑張り次第でござるな……同じ武器を持っているから上手く無力化できれば……」
俺とオタク、宮永さん、中園さんは頷き、再び挑むことを決める。
「パンドラ、ハートは今から向かう部屋には入るな。見ているのも十分に警戒しながらにしろ……俺達でも勝てるか怪しいモンスターが復活している」
「「は、はい!」」
俺達は道中のゴーレムを倒しながら隠し部屋のある場所まで進み、土魔法で入り口を掘り起こす。
「いっせーので行くぞ……いっせーの!」
俺達が一斉に駆け出して部屋の中に入ると中に居たのはやはり象頭であり、ブンブンとモーニングスターを回し、こちらを攻撃し始めていた。
投げてきた鉄球を俺は指輪に力を込めて魔法の盾を展開し、押し込まれるのをミスリルの片手剣を抜いてガードの構えをして防ぎきる。
ギュイイーンとモーニングスターと鉄球の間の鎖がけたたましい音をしながら引き戻しが始まるが、宮永さんが自身のモーニングスターの鉄球を投げて、象頭のモーニングスターの鉄球と絡ませる。
ガチンと絡まる音をがし、モーニングスターを抑え込むことには成功する。
宮永さんと象頭の綱引きみたいになるが、オタクと中園さんも綱引きに参加して互角……ややこちらが有利の引き合いになる。
俺は壁を蹴ると低空飛行しながら象頭に近づき、首を刎ねる為に体を捻って回転を加えながら一気に近づく。
身の危険を感じた象頭はモーニングスターを手放して、俺の攻撃を回避しながら自慢の長い鼻をムチの様に使い、俺の体を地面に叩き落とす。
ドゴと鈍い音の次に地面に俺は叩きつけられるが、ダメージはそれほどない。
俺は体を捻って側転しながら立ち上がると、象頭に一気に接近する。
象頭は近接戦闘の構えを取り、俺が短剣を振るうのを避けたり、手で剣の腹を叩く事で軌道を逸らし、俺の体勢が崩れた瞬間に膝蹴りを入れてくる。
膝蹴りが入る瞬間に左腕でガードするが、腕がジンジンと痛む。
「ちっ!」
「金田君! 今アシストする!」
中園さんが地面に手を付けると象頭の足元から石柱が伸びて、象頭の股間に思いっきり激突し、そこが象頭の急所であったのか……俺も無いはずの玉がキュッと引き締まる感覚がしたが、一気に畳み掛ける。
動きが鈍くなった象頭の腹部を思いっきり蹴り上げると、象頭頭は10メートルほど浮き上がり、俺は落ちて来た象頭の腹に片手剣を突き刺して、思いっきり引き裂いた。
腹部から内臓が飛び散りながらも象頭はまだ動き、傷を再生し始めるが忍び寄っていたオタクが特注のミスリルロッドで象頭の頭部をかち割る。
フルスイングした勢いで頭部にある巨大魔石が押し出されて象頭の顔面を突き破り、ボーリング玉の様な魔石がゴロンゴロンと地面を転がる。
頭が無くなった象頭の体は膝から崩れ落ちて、動かなくなり、砂のように消えてしまった。
すると後には宝箱が出現する。
「ふぅ……今回も何とかなった……パンドラ、ハートも来て良いよ」
俺がそう言うとパンドラとハート達も近づいてきておそるおそる巨大な魔石を触っていた。
「復活サイクルがわからねぇ……半年に1回か?」
「年を越したから復活したもあり得るでござるな」
「2人共! 予想は後! 宝箱開けようよ」
中園さんの言葉に俺は突如現れた宝箱の方を見るのだった。