【TS】クラス全員ドラゴン娘にされて異世界転生したった!【共学】 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
2年目開始 馬産の下準備 1
2年目になったことでオタクがまず動き始めた。
オタクは中級市民になる権利を得ると、直に中級市民へとなり、借家ではなく物件を土地ごと買う方向で決めた。
町の下級市民が多く生活しているエリアだが、ちょうど物件が売られており、それが気に入ったらしい。
2階建てで10部屋ある結構広い家で豪炎寺と原村さんの食堂ジャパンにもほど近い場所だ。
風呂とトイレもしっかり付いており奴隷5人くらいと一緒に生活するのに何の不便も無さそうである。
オタクは冒険者ギルドに求める奴隷の役割を伝えた。
まず冒険には出ないが家の家事をしてくれる人材を1名。
冒険者として一緒に迷宮に潜る人4名。(なるべく若い子)
こんな感じらしい。
中級市民なのでもっと雇うことも出来るが、とりあえずこれで様子を見ると言っていた。
冒険者ギルドは直に要望した奴隷のリストを提示し、リストから面接をして最終的に決めたいと話し、約1週間かけて5名を選んだ。
家政婦をしてもらう人は前まで食堂で働いていたらしいが、食堂の店主が急死してしまい、急遽店を畳むことになり宙ぶらりんになっていた20代後半の女性奴隷と同村出身の男女半々で怪我をしてしまい、治療費を支払うためについ先日奴隷落ちした少年少女らしい。
オタクは早速雇った奴隷と共に新しく住む家の家具を揃える事を始め、俺の方に奴隷を鍛えるから当分一緒に迷宮に潜ることができないと伝えられた。
俺達は気にしないからガンガン鍛えてやれよと伝え、オタクは12歳とか13歳の少年達は食い盛りなので料理をガンガン食わせてクタクタになるまで走らせたり筋トレや素振りをさせた。
俺にトレーニングメニューを見せて怪我しない負荷を教わったり、サボらないように見張りの冒険者を雇ったりして徹底的にしごいているらしい。
オタクや冒険者の見張りが居ないとどうしてもサボってしまうらしい。
パンドラとハートはどんなにキツくても従順に従っていたが、眷属化の影響なのか……それとも本人の資質や性格か……。
オタク曰くまだ迷宮に出せる段階では無いとの事である。
オタクは他のクラスメイトにも奴隷の育成計画を共有し、後々奴隷を雇おうと思っている人達にアドバイスをおくっているらしい。
そんなこんなでオタクの奴隷育成計画が始動したのだった。
一方俺の方はまず借家という契約だった土地を相場の2倍の金額で買取り、自分の持ち家にし、ご近所さんに土地の購入交渉を行った。
どこの家の農地も俺の持つ農地の5倍から10倍あり、一部農地を購入していくだけでも家の農地を拡張することができそうだったが、お隣さんが1000万G出してくれるなら農地を全て譲っても良いと言ってくれた。
相場の20倍の値段であるが飛び地じゃない農地が欲しい俺は飛びつき、田んぼ100枚分……今ある畑の面積を合わせると12町分の畑を手に入れる事が出来た。
ちなみに畑を譲ったお隣さんは俺の金で町に借家を何件も建設して賃貸収入で食っていく方向にシフトし、上級市民の仲間入りをすることになる。
俺達は広がった畑に肥料を撒いたりして土壌を整え、4つのエリアに分けて栽培することにした。
まず米を育てるエリア、赤芋を植えるエリア、大豆を植えるエリア、その他色々な作物を植えるエリアに分けて毎年交換していくことに決めた。
これで米も100トン近く収穫出来る予定である。
今年は土魔法の熟練度も上がっているので更に効率的に作物を植えたり耕したりすることが可能である。
本当は水田にしたいが、川が遠いのでこればっかりは仕方がない。
あとはギルド長やグリム様から言われた馬産に関してはノウハウが全く無いのでお隣のクリノ牧場にお世話になり、馬の世話の仕方や出産や種付けの事を週2で教わる事にし、それでも分からなければ馬産関係の人を奴隷として雇うことも考え、来年から参入できれば良いなぁと思うようになるのだった。
「中さん(中園)、宮さん(宮永)……俺の都合に付き合わせて悪いね」
「いいのよ! 一緒に頑張りましょ!」
「わ、私も農業楽しいから大丈夫だよ! お米作るの今の所私達しかできないし」
パンドラとハート、マリーにも協力してもらうが今年はとにかく米や農作物の増産をしようということに決まり、クラスメイトにも迷宮の宝箱から作物の種とかを見つけたら譲ってほしいと伝えるのであった。
田植えや種まきの時期になり、俺は冒険者ギルドに頼んで臨時で冒険者を雇い、種まきや苗を植えるのを手伝ってもらった。
畑を耕すのは事前にやっておいてあとは植えて追肥をするだけにしておいて、種を撒いてもらう。
30人くらい雇ったお陰で1日で植える作業は終わり追肥も完了した。
あとは定期的な草取りと水やりである。
特に米は地面が湿っていた方が良いため、毎日1回は水をやる。
ルシア師匠の授業が終わったら水魔法でスプリンクラーみたいに水を大量に撒いていく。
俺だけだと時間がかかるのでマリー以外のメンバーにも協力してもらって米を植えている4町分の面積を40分かけて水をやっていく。
5月頃にはどこの畑も芽が伸びて緑の絨毯みたいになっているのだった。
「今日からよろしくお願いします」
「おう、カネさん家の皆さんよろしく」
種まきが終わった頃からクリノ牧場にお世話になり馬の事を教えてもらう。
「まず馬の種類だが主にモンスターでも何でもない普通の馬、モンスターのユニコーン、混血種のバイコーン、そしてペガサス、竜馬の5種類が競走馬に指定されている馬で、竜馬はペガサスとワイバーンの混血で1世代限りで種を残せない個体だから生産数も限られ、一部貴族の愛馬にする程度でほぼレースに使われることもないから考えなくて良い」
「バーガータウン周辺はユニコーンの捕獲できる迷宮が近くにあるためユニコーンを捕まえてきて馬やバイコーンと交配させてバイコーンの生産をする牧場が殆どだ」
「ユニコーン、バイコーン、馬の3種が入り混じる大地を走る地上レースをメインに生産している。この3種は空は飛べないがペガサスよりも力強く、農耕馬や軍馬としての人気も高い為に需要が高く、売れ残るというのが少ない。滅茶苦茶高値が付くことも少ないが、バイコーンなら1頭5000Gから1万Gで売れる」
バイコーンの育成は毎日管理する必要があるため最初に冒険者と兼業というよりは実際の育成面は奴隷に任せて、配合だったり売却の交渉をしたりする牧場長的な役割を担った方が多分良いだろうと言われた。
ちなみにバイコーンの利益は10頭以下の少頭数なら確実に赤字らしく、競走馬になって運良くレースで勝って生産者賞金が入ってようやくトントンやや黒字になるらしい。
「僕の所みたいに100頭200頭を生産する所でも人件費と餌代を考えても相当かかる。まぁ僕の所はレースで実績があるから競りの前に庭先取引ってのがあって購入したい人と直接値段交渉をするんだけどね。そっちの方が値段は付くし」
「庭先取引だとどれぐらいで売れるんですか?」
「1頭5万Gは硬いね。今年の最高額は20万Gだったよ。そうなってくると牧場でもちゃんと利益を確保できるからね」
「なるほど……」
「競りに出すとだいたい軍馬か農耕馬になっちゃうから競走馬にはなかなかならないんだよね……それを知らない牧場が競りに期待してそこまで値段が付かなくて赤字垂れ流して撤退っていうのが殆どで……」
「それを教えても良かったのですか?」
「まぁ実績付くまでは競りで買ってもらうしか無いからね……実績作るのに息子や娘を軍人として送り込んで騎手にするっていう牧場もあるけどね……僕の所はバーガータウンの初期の頃から牧場をやっていたのと、騎士に就任した新貴族の方に売り込んだユニコーンがたまたま公国の大きいレースで入着して実績を積むことができたのが大きいんだけどね」
クリノさんの話は続くのだった。