転生ELダイバー×デュビアスアルケー 作:ガンプラオナシャス!センセンシャル!
アルケーを暫くその場で滞空させていた”私"だったが、ひとたび落ち着くと色々と気になる部分が出てきてしまい、今は膝立ちさせたアルケーの前でコンソールを弄っていた。
主に調べるのは”私"のアカウント関連。
作中の描写から見て、ELダイバー(仮)だと思われる"私”のアカウントも誕生していると考え、アカウントの詳細をチェックしているのだ。
その結果分かったことは―――一般的なことはともかく、専門的な部分はよく分からないということだった。
「よく考えたら当然か……」
元の世界にも、VR技術を利用したゲームは存在していたとはいえ、このGBNやかの有名なS〇Oなどのように、広大な仮想世界を大勢で遊び回れるレベルのものは存在しなかった。
こんな世界を作り出せる上に、リアルではGPDというガンプラを実際に動かして遊ぶという謎技術すら実用化されているのだ。
当たり前の話だが、まず"私”の世界とは技術レベルに大きな隔たりがあると言っていい。
でも、実際どれくらい差があるんだろ?
GBNとかGPD、ブレイクやらビルドやらのデカール系は置いておくとして、他の分野でも進んでるところは進んでるように見えたけど……
「何はともあれ、セキュリティがガッチガチってことは分かったし、もうそれでいいかな……」
裏側を覗き込むのをやめ、気を取り直して表のアカウント自体に戻る。
実はこの表側だけでも、二つ程気になる点が見つかったのだ。
まずダイバーネームについて。
自分で付けた記憶はないし、この世界に"私”として生まれたと同時に与えられた名前なんだろうけど……アルナってどうなの?
アルスと一文字しか違わないんですけど?
使うガンプラも思いっきりアルス産なんですけど?
オマケにアルスコアガンダムって名前にも付いちゃってるし。
それに"私”の目だってどことなくアルス味があるし、完全に無関係とは言いきれないんじゃあ……
……まあひとまず置いておくとして、次に登録ガンプラについて。
今このアカウントに登録されているガンプラは、当然の如くデュビアスアルケーガンダム。
このガンプラは、アルスコアガンダムとデュビアスアルケーユニットがドッキングすることで形を成している機体である。
そしてアルスコアガンダム自体が、クガ・ヒロトが作成したコアガンダムのプラネッツシステムを学習、解析し独自に作り出した代物である以上、そのアルスコアが核となっている本機にも、理論上はプラネッツシステムが適応可能な筈なのだ。
とは言ったものの、そもそもの話、公式的にはデュビアスアルケーガンダム自体が、アルスコアガンダム第三のアーマーに位置付けされている上に、先程ドッキングしたことでシステムが正常に機能していることは確認済み。
……でもこれはあくまでも"私”作のデュビアスアルケーとしての話。
”私"が気にしているのは、他作のプラネッツシステムでも機能するのか否かである。
もしヒロトやアルスの作成したアーマーもドッキングできるというのならば、戦術の幅は大きく広がる――勿論ヒロトのアーマーには手を出す気はないし、奪うのならアルスからと決めている。
このデュビアスアルケーのオリジナルにフェイクニュー、アルスアースリィにリバースターンX……エルドラコアガンダムごと分離するギミックには痺れましたね。
というか、よくよく考えたらアルスコアガンダムって結構ヤバい存在なのでは?
アルスはともかく、自分のガンプラ無断コピーされて、いいように使われてたとかブチ切れ―――あのクガ・ヒロトに限ってありえないか。めっちゃ優しい子だし。
「でも現状じゃどうしようもないからね。しょうがないね」
少なくともサルベージされないことには自分でガンプラ組み立てることすらできない訳だし。
まあそんな事情抜きにしても、乗るならデュビアスアルケーがいいけどね!
せっかく好きな機体に乗れるようになったんだし、この子と行けるとこまで行きたいもの。
……今あからさまにホッとしたね君。
どのアーマー奪おうか画策してた辺りから危機感感じてたようだけど、"私”の相棒は君だけだよ。
そう
「――さて、と。知りたいことは知れたし、"私”もこの世界で遊ばせてもらおうかな」
仮想世界とガンダムの組み合わせなんて、楽しいに決まってるでしょ。
そうと決まれば、まずは……ミッションカウンターにでも行けばいいのかな?
多分このコンソールを弄って――あ、これか。
ロビーと書かれたそれを選択すると、アルスコアガンダムのコクピットに転送された時のように、目の前の景色が切り替わった。
「おお」
驚いてつい声が漏れてしまった。
まあまだ二回目だし。と、誰に言うでもなく心の中で言い訳をしながら、辺りを見回す。
人が沢山いて、1人1人が思い思いの格好をしていた。
近未来的なサイバースーツを纏った人がいたり、中世の騎士じみた鎧を着込んだ人もいる。
中にはガンダムシリーズの登場人物そっくりな人達もいて、その技術の高さが伺えた。
「え、あれって…」
某赤い配管工に踏み潰されそうな人もいた――じゃなくて。
ミッションカウンターは……あった!
「ようこそ。ミッションを選んで、OKボタンを押してください」
カウンターに立つNPDのセリフを聞き流しながら、ミッション一覧に目を通して行く。
表示されるミッションは面白そうなものばかりで、目に付くものも多かったが、とりあえずとチュートリアルでもと簡単そうなミッションを選択した。
次は格納庫だっけ。
ロビーに来た時のように、コンソールを操作し格納庫へ移動すると、ハンガーに固定されたデュビアスアルケーが出迎えてくれた。
こうして見てみると、『怪しい』アルケーなんて洒落た名前を持つだけあって、アルケーっぽいナニカという表現が似合いそうなフォルムをしていると感じる。
全体的なフォルムはアルケーに似ているから、見た人はアルケーと感じるんだろうけど、それはそれとして違和感を覚えると思う。
例えるなら……そう!ナニカをアルケーに偽造した――っていうのは流石に先入観強過ぎたかな。
ただ単にアルケーベースのガンプラとしか感じないかも。
「ハァ。まあいいや」
コクピットに乗り込み、ガンダムシリーズお馴染みのアレをするべく機体をカタパルトへと移動させる。
「ガンダムといえば発進シーン……やっぱり憧れちゃうね」
モニターに映るカタパルトは、数々のMSが飛び立って行ったあの光景を想起させ、自然と"私”の体は興奮に包まれた。
やがて、鈍い振動と共に機体がカタパルトに固定され、モニターの表示も『STAND-BY』から『GO!』に切り替わる。
「アイ・ハブ・コントロール。デュビアスアルケー、発進する」
カタパルトから高速で射出されたデュビアスアルケーが、赤いGN粒子を放出しながら空を駆ける。
やっぱり発進シーンは定番中の定番。ずっと憧れてたし、言葉にはできない様々な感情が湧き上がった。
これだけでもこの世界に来た価値があるって感じられる。
……でもせっかくのゲームなんだし、遊び尽くさないと勿体ないよね?
「でしょ?相棒」
うんうん、この子も頷いてる。
それじゃ、色々あったけど、初バトルと行こうかな!
境界を潜り抜け、バトルフィールドに侵入する。
システムが接近警報を鳴らし、拡大表示されたモニターが木々を掻き分けながら歩みを進める敵機の姿を映し出す。
「リーオーが3機。武装は一緒かな」
記念すべき初ミッション、はてさてどうやって料理してやろうか……ま、でも
「最初はこれだよね!いけよォ!ファングゥッ!」
気合を入れた”私"の声と共に、サイドスカートから10基のGNファングが飛び出す。
毒々しいGN粒子の光を瞬かせたファングの群れが、今まさに引き金に手をかけた1機のリーオーに四方八方から襲いかかり、あっという間にダルマに変えてしまった。
……わあ、流石劇中でさんざん暴れ散らかしたファングさん。めっちゃ強いな。
こりゃ”私"も負けてられない!
空からライフルで狙い撃つのもありだけど、やっぱり”アルケー"といえばバスターソードだよね!
地上に降り立ち、サブマシンガンを構える2機のリーオーの片方に狙いを定め、急接近。
放たれる銃弾の群れをバスターソードの刀身で防ぐ――も防ぎきれずに銃弾が装甲を叩く音が響いた。
連携したもう1機も合わせて結構な数を食らってしまうも、優秀なEカーボン装甲のおかげで、殆ど無傷といっても差し支えない程度に抑えることができた。
「案外難しい…でも」
今ので大体は分かった。
次はこうは行かないと舌舐りし、再びデュビアスアルケーをリーオーに突っ込ませる。
近付いたからか、サブマシンガンをマウントしビームサーベルを発振したリーオーが腕を振り上げる……が。
「当たらなければどうということはないってね!」
姿勢を低くし、脇の下を潜り抜けようにバスターソードを滑らせ、一閃。
ビームサーベルを握ったままの腕が宙を舞い、リーオーが大きな隙を晒す。
そしてそんな隙をみすみす見逃してあげるほど"私”は甘くない。
「そこ!」
バスターソードの柄を両手で握り、上段からの振り下ろしでリーオーを真っ二つに切り裂く。
泣き別れた機体が爆発と共に消え去り、残り1機。
生き残りの1機にメインカメラを向けると、リーオーがサブマシンガンを乱射しながら後退して行く。
え、逃げるの?と別の意味で驚いていると、上空から光の矢が撃ち込まれ、リーオーを貫いた。
「な」
爆炎を上げるリーオーに目を剥き、すぐさま上空に視線を向ける。
「あれは……プロヴィデンス?」
そこには全身をダークレッドに染め上げたプロヴィデンスらしき機影が存在しており、ユーディキウム・ビームライフルを改造したらしい武装をこちらに向けていた。
なんだろう、あの機体……
全身が暗い色に包まれているからか、シルエットが分かりづらい。
辛うじて分かるのは、機体各部にトゲトゲしたパーツが増設されており、それらからスラスターの青い光が発せられていることくらいかな。
あれ、あのガンプラ…悲しんでる?なんで?
不意に感じ取った悲しみに満ちた感情に、訳が分からず困惑する"私”を余所に、プロヴィデンスは銃口からビームの光を打ち放って来た。
「ッ!」
バトルでもなんでもない以上、普通なら避ける必要もなければ防御する必要もない。
しかし、あのプロヴィデンスの様子から、何か嫌な予感を感じた”私"は、咄嗟にレバーを引いてその砲撃を回避した。
なんて威力……
先程までデュビアスアルケーが立っていた場所では、地面が大きく抉られ、赤熱化した泥がまるでマグマのような様相を晒していた。
あまりの威力の高さに恐れ慄いていると、プロヴィデンス側から強制的に通信が開かれた。
「おいおい、手間かけさせんなよ」
「通信が、なんで?」
「ンな事どうでもいい。とっとと死んでくれや」
会話する気あるのかと言いたくなる言動と共に、プラットフォームからドラグーンが飛び出し、オールレンジ攻撃を繰り出してくる。
「ファング!」
負けじとGNファングを射出、ドラグーンと撃ち合って貰うことでこちらに向かう砲火の数を減らし、残りはバスターソードとシールドとしても使える腕部装甲で対応する。
「余所見してていいのかよ?」
「あぶッ!?」
1基のドラグーンを切り裂かんと、バスターソードを振り上げたところで、ユーディキウムと複合兵装防盾システムによる3門の砲撃が飛んで来た。
特に改造されたユーディキウムの一撃は強烈で、その威力はライフルの範疇を軽く超えている。
あまりにもあんまりな火力に、外装を偽装したキャノン砲なんじゃないかと疑ってしまう程だ。
一発一発の間隔がそこそこ長いところが救――うそ!?
「チッ。これも避けやがるか」
「連射できるのは聞いてないんだけど……」
バスターソードの刀身を開き、ライフルモードに切り替え、プロヴィデンスを狙う。
「っ、当たらない!」
「そんなんで射撃のつもりかァ!」
バスターソードや機体制御の面ならばともかく、まだ慣らしも済んでいないライフルの一撃は、虚しくもプロヴィデンスの脇をすり抜けて行き、かすりすらしなかった。
「教えてやるぜ。射撃っつぁ、こうやるってなァ!」
GNファングと一心後退の攻防を繰り広げていた筈のドラグーンの動きが変わり、一斉掃射によってファング6基が撃墜されてしまった。
「ファングが!?」
「おっと、こりゃ参考にならないか。悪ぃなクハハ!」
……今ので分かった。この相手は遊んでいると。
勝手にフリーバトルモードにされているところを見るに、何かしらのチートを使っているのは確かだろうけど、それはそれとしてプレイヤースキル自体もかなり高い。
これ勝つのかなりキツいんじゃ……
苦々しく思いながら、奥歯を噛み締める。
リザインという選択肢が頭に浮かぶもすぐさま断念。
チートによってなかったことにされる光景がありありと目に浮かんだからだ。
「こんな嘘っぱちなゲームで満足するような奴に、このムスペルプロヴィデンスは倒せねぇよ!」
ワー、テンプレミタイナ機体紹介ダナー。
主人公紹介
アルナ
背中の中程まで伸びる灰色の髪と、アルスと同様の紫の瞳。白をベースに黒の模様とラインが入ったサイバードレスが特徴的なELダイバー。
ガンプラはデュビアスアルケーガンダム(再現)。
アルナという名、その瞳、デュビアスアルケーガンダムの存在から、アルスとの関係を疑っている。
※作者のイメージとしては、上記の特徴を持ったミステリアス系トラブルメーカー的な感じですが、瞳の色以外に拘りは無いので、皆様がイメージしやすいように想像してくださいm(*_ _)m
大勢の人が遊ぶゲームなら、大なり小なりチートを使う人も出てくるよねっていう話です。
実際私が遊んだオンラインゲームも、一つ残らずチーターが暴れ散らかしてましたし(笑)
とりあえずムスペルプロヴィデンスの紹介は次回に回すとして、あの表そんな毎回もいりませんかね?
皆さんよければご意見くださいm(*_ _)m