転生ELダイバー×デュビアスアルケー 作:ガンプラオナシャス!センセンシャル!
結局、あれからフレンドが増えることは無く、”私"は変わらずぼっちでプレイを続けていた。
……いやね?”私"だって色々考えたんだよ?考えた上での結論がぼっちだから勘違いしないでよね?
なーんて冗談はさて置き、色々考えたのは本当。
まずあれから様々なディメンションを渡り歩き、ダイバー達と交流を重ねて来た訳なんだけど……その内の誰からも【有志連合】や【ビルドダイバーズ】という単語が出てくることはなかった。
偶々だとか、偶然とかなら兎も角、"私”のビルドダイバーズについてどう思う?っていう質問にもなんだそれ?って返ってきたし、多分確定。
この世界ではまだ、第二次有志連合戦や黒幕との最終決戦は起こっていないと見た。
起きてないのなら知らなくても無理は無いよねって感じだし、それだけなら笑い話で済むんだけど……それって見方を変えると、まだELダイバーのサルベージ体制が整ってないってことにも繋がるんだよね。
なんならまだELダイバーの存在を知る人も、某ヒロイン消した系主人公しかいないと思う。
当たり前だけど、初代ビルドダイバーズのビルドデカール云々も存在しない。
なんだこれ控えめに言って地獄か?
”私"の姉にあたるであろうイヴや、妹にあたるサラのことを思うと生き残れる気もしないし……
「そこんとこどう思う?相棒?」
当然ながらガンプラが言葉を発することは無い。
けれども、我々ELダイバーはガンプラの気持ちが分かるのである。
それを踏まえた相棒の返答は……なんと無言!!
いやいや無言はちょっと想定外なんですけどぉ?
あっ、そうだ。
「ねえ相棒。ひとつ試して貰いたい事があるんだけど、聞いてくれない?」
どうせ面倒なことなんでしょ?とでも言いたげな感情が漂ってきた。
こいつ……まあいいや、いくら生意気でも
「まずはコアになってるアルスコアと"私”――というより、"アルナ”とのデータリンクを直結」
通常のGBNの仕様のものとは異なる、紫のエルドラ文字の羅列が並ぶ画面を直感的に操作して行く。
読めるようで読めない幾何学模様のようなそれらを操作することに、目を逸らしていた命の危険について改めて実感させられたが、どっちみち遅かれ早かれだと覚悟を決める。
不安になる度に相棒に相談しながら、なにかの設定を弄りまくっていた、その時だった。
「――え?」
突如として姿を現した、これまでの紫のそれらとは明らかに異なる真っ赤な色をしたエルドラ文字の画面。
これ、なんかやっちゃった?
サーっと顔から血の気が引いていくのを感じる。
もしこの体がGBNのエラー検知機能に引っ掛かりでもしたら、それこそ一瞬でお陀仏だ。
戦々恐々としながらステータスコマンドで機体状況にアクセスする。
……ふむふむ、なるほどねぇ。
どうやら強引に弄りすぎたようで、純正のエルドラ産ともいえるアルスコアの部分と、素材的に100%地球産のアーマー間で情報の齟齬が生じ、そこからなし崩し的にエラー塗れになってしまったみたい。
うーん、焦りすぎたかな。
”私"がやろうとしているのは、デュビアスアルケーのコアである、アルスコアとデータリンクで繋がることで、”私"の体が溜め込むバグを一時的にアルスコア側に移し、こちら側で取捨選択をしてしまおうという試みなのだ。
……そもそもの話、こうしてガンプラバトルにどハマりして、廃人のようにミッションを熟している"私”のデータ量は、それこそ現段階で実体化している他のELダイバー達の比にならないと”私"は考えている。
それは言い方を変えると、取り込んでいるバグの量も多いと言える訳で……一刻も早くなんとかしないとどうなるかわかんない☆という訳である。
でもやっぱり焦り過ぎはダメだよね……仮にも命かかってる訳だし、落ち着いてやって行くべき、か。
……ん?
「救難信号?」
一体どこから……割と近いけど、どうしよう。
正直な話、”私"は迷った。
幾ら救難信号を受信したとはいえ、所詮相手は他人。友人でもなんでもない赤の他人なのだ。
未だフレンド0人の”私"な以上、ネット上の友人の可能性もないからねぇ。
よし、ほっとこ。
さてさて、次はアプローチを変えてやってみますかねっと。
救難信号を無視し、再びコンソールを弄り始める。
先程はちょっと強引になっちゃったし、今度は一つずつやっていかないとね。
コアが搭載されているアルスコア頭部に再度アクセス、"私”本人のコアとバイパスで繋げ、簡易リンクを構築する。
さっきはいきなり直で繋げようとしちゃったし、多分それが失敗の原因だと思うんだけど……どうかな?
「……」
ドキドキとしながら待つこと数分。
……その間も何度も鳴り響く救難信号。
「うるさいなぁ」
なんで何回も受信してんだか。
また非表示にするも、した直後から反応が出る。
またまや受信した救難信号にイライラが……いや、これおかしくない?
作業を中断し、考え込む。
そもそも一度非表示にすれば暫くは受信しても表示されない筈なんだけど……
んー、チートかと思ったけど、わざわざそんなことにチートも使わないよね。
となると……バグ案件か?
バグとなるとちょっと面倒くさそうだし余計行きたくないんだけど……でも、行くしかないよなぁ。
ほっといたら”私"にどんな影響が出るかわかったもんじゃないし。
「そうと決まれば、予定変更かな」
とっととお掃除して、とっととおかたづけと行きましょうか。
「アイ・ハブ・コントロール。デュビアスアルケー、発信する」
スラスターから真紅のGN粒子を放出しながら、デュビアスアルケーが空を駆ける。
割と近いし、もうすぐ着く筈……にしては戦闘の音が小さ過ぎる。嫌な感じ。
目を細めながらモニターを覗いていると、明らかに様子のおかしい、穴だらけとなったデスアーミーが飛び出してきた。
「うーん。もう見るからにって感じか」
バスターソードを構え、猛スピードで接近。
相手にこちらに反応する暇すら与えず斬り裂く。
堪らず爆散するデスアーミー……かと思えば、真っ二つになった筈の体が歪にくっつき再生していく。
あー、なるほどねぇ。
やっぱり面倒くさいやつじゃん……
「っと」
ゲンナリしている間にデスアーミーが武器をを振るって来た為、左手で受け止め、力で粉砕する。
武器を失いたじろいだ隙に、今度はライフルモードのバスターソードを叩き込み、連射。
コア部の胴体を中心に、バラバラに爆散した残骸にもライフルを撃ち込み、文字通り消滅まで追い込む。
「ここまでやってようやくってとこね」
こりゃ、のんびりもしてられないかもね……
「TRANS-AM」
即座にトランザムを発動し、僅かな戦闘音の響く奥地目掛けて飛翔した。
「クソっ!なんなんだよこいつら!?」
渓谷地帯を駆け抜ける1機のガンプラの中で、そのダイバーは青く染まった顔面を背後から迫る敵達に向けていた。
「なんで、なんでこんなことに…」
いつも通りの筈だった。
ガンダムベースからログインし、愛機であるNEOリ・ガズィの新装備の性能チェックの為、適当なミッションに挑み、この異常な敵達と遭遇するまでは……
ちくしょう!ちくしょうッ!ちくしょうッ!!!
ビーム兵器のエネルギーはとっくに切れ、腕部に仕込んだ90mmガトリング砲の砲撃も効果がない。
更に特筆すべきはその異常な加速性能。
サイドスカートに装備されたブーストアーマーの恩恵により、大幅に底上げされた筈の推力を持ってしても、振り切ることができないその敵達に、ダイバーの顔色はどんどん悪くなっていく。
……そしてついに、1機のデスアーミーがNEOリ・ガズィに追いついた。
「っ!く、クソぉッ!」
咄嗟に左腕のガトリング砲を撃ち放つ。
無数の弾丸を受けたデスアーミーが倒れ、地面を転がった。
しかし、その光景を見たダイバーが油断することはない。
そんなのもう何度も見た。そして、その度に……
「ちくしょう!!本当になんなんだよこいつら!?」
ダウンした筈のデスアーミーが再び立ち上がり、追跡を再開してきた。
「い、嫌だァ!」
辺りには無数のデスアーミー。
いくら倒せども立ち上がるゾンビ兵達の姿に、そのダイバーの心は折れかかっていた。
まだ折れていないとはいえ、それももう時間の問題――ダイバー自身が己の末路を想像した、まさにその時。
「――伏せろ!」
「っ!!」
どこからか声が響き、反射にも近い動きで機体を伏せさせた。
その直後、無数の粒子ビームが頭上を飛び越えて行き、デスアーミーの群れを襲った。
「な、なにが…?」
怯えながら目を向けたダイバーの前に、真紅に染まったそのガンプラが姿を現した。
「あ、アルケー……ガンダム?」
トランザムを発動したのか、機体を覆うGN粒子が真紅に輝くそのガンプラは、正しくアルケーガンダム――をベースにしたらしいデザインをしている。
助けてくれたということは、こいつは味方なのか?
先程までの恐怖に塗れた体験から、疑心暗鬼に陥ってしまっているダイバーは、そのアルケーらしきガンプラに、思わず問い掛けた。
「お、お前は?」
見上げる形となったNEOリ・ガズィに対し、ツインアイを輝かせたそのガンプラが、高々と答えた。
「通りすがりのダイバーだ、覚えとけ!」
ネタが本当に思いつかなかったので、これからも更新の間隔は広くなる一方だと思います。
※NEOリ・ガズィの紹介はまた次回に