世界の真実   作:まぜこみごはん

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なんか勢いでかいた


世界の真実 

 

「遅かったじゃないか、悟」

 

 

「君で詰むとはな…わたしの家族たちは無事かい?」

 

 

『揃いも揃って逃げおおせたよ、京都のほうもお前の指示だろ?』

 

 

「まぁね……君と違って私は優しいんだ。あの二人を私にやられる前提で送り込んだな?乙骨の起爆剤として」

 

 

『そこは信用した、お前のような主義の人間は若い術師を利用もなく殺さないと』

 

 

「…信用か、まだ私にそんなものを残していたのか…これ返しておいてくれ」

 

 

『小学校もお前の仕業だったのか』

 

 

「まぁね」

 

 

『あきれたやつだ……何か言い残すことはあるか?』

 

 

「…誰がなんといおうと、猿どもは嫌いだ。でも…別に高専の連中まで憎かったわけじゃない。ただこの世界では私は心の底から笑えなかった」

 

 

『傑……』

 

 

「……?」

 

 

私は最後の言葉に思わず笑ってしまった。

 

 

「…最後くらい呪いの言葉を吐けよ」

 

 

かつての親友の手によって、私は幕を閉じたはずだった。

 

 

終わったはずだった。

 

 

 

もう目覚めることはない瞳が何故か開くことができる。

まるで先ほどのやり取りが何もなかったかのような感覚、乙骨の最後の攻撃によって受けた影響で損傷した腕も元通りになっている、それどころか傷一つない。

これは何かの術式の一つか? 誰によって?

 

 

どういうことだ? 

 

 

 

目の前に広がるのはまるで探偵ドラマに出てくるようなオフィス。

私は気が付かないうちに椅子に座っており、目の前にいる男を瞬時に見た瞬間に、驚きを隠しえなかった。

 

 

 

「ここはどこだ……?」

 

 

『あー気が付きましたか、夏油傑さん。まぁそう警戒なさらないで』

 

 

白髪が目立ち、体形もかなりのやせ形、黒縁眼鏡をかけ、シワが目立つ茶色のスーツ、顔つきもその辺で歩いていそうな根本的なサラリーマン顔だ。

 

 

「ここがどこか聞いているんだ……!」

 

 

しかし、体を動かそうにも動くことができない、何故だ? この男の術式か?

 

 

 

『そう怒らないで傑さん、落ち着くまであなたの体は動かせません、暴れないというのなら解きましょう』

 

 

 

「………わかった、すぐにこれを解け」

 

 

 

隙を見せた時にこの男を始末すればいい、しかし私が生きている状況が説明ができない。

それにこの男からは呪力を一切感じない猿も同然の男だ、この力がどこからくるものなのか、把握する時間もいる。ここはこの男の主張を聞いてやろう。

 

 

私の言葉に反応した白髪の男は不気味な笑いを見せると、とたんに私の体は自由に動かせることができた。

 

 

 

『ええ、ええ。ようやく落ち着きましたね』

 

 

「ここはどこだ? なぜ私は生きている?」

 

 

『何故……ふむ、どこから説明したものか。貴方が生きているというより、貴方の世界から引っ張り出したというのが正解ですかね』

 

 

「……なに?」

 

 

『貴方の世界は呪術廻戦という呼ばれる世界にカテゴリーされています、そこから貴方を呼び出しただけですよ』

 

 

「…先ほどから何をいっている?」

 

 

この男は何をいっている? 呪術廻戦? 世界? どういうことだ?

 

 

『では簡単にお見せしましょうか、貴方が死んだ後、貴方の世界ではどうなったのか』

 

 

オフィスの横にあったテレビに目線を向けた男につられ、私もそのテレビのほうをみた。

 

 

そこには私が死んだ後の世界が映し出されていた。

 

 

両面宿儺、虎杖悠仁、私の体を乗っ取った羂索という存在、それから先の未来まですべて―――――。

 

 

早送りで映像が進んでゆき、私は驚きを隠せなかった。

これは真実なのか? この男の術式によるものなのか? わからない、何よりも

 

 

わたしの体を取り戻そうと、家族が死んだこと

 

 

 

「やめろ……やめてくれッ!!」

 

 

『少し刺激が強い映像でしたよねヒヒ、すいませんすいません』

 

 

男はリモコンで映像を消した。

あの映像は真実なのか? ありえない、こんなことがありえるわけがない。

 

 

 

『そう警戒しないでください、まぁ順を追って説明しましょう。先ほどもいいましたが、貴方は別に生き返ったわけではありません。正確には貴方の世界、呪術廻戦の夏油傑の情報を抜き取って、それを私がこの世界に呼び出しただけですよ。まぁこの世界はいわば、すべての世界を管理している、管理者みたいなものですかね』

 

 

「先ほどから訳が分からない…世界? 情報? 管理者? あの映像は一体なんだ、答えろ!」

 

 

『まぁ混乱するのも無理はありませんがね。私の仕事を先に説明しましょうか、私の仕事はいわば物語が正史…いわば行くべきところのルートに進むかどうか管理するお仕事です。例えば貴方は乙骨憂太に敗北し、祈本里香も手に入らず重症を負わされた挙句、親友だった五条悟によって命を絶れ、呪術師しかいない世界を作れなかった。しかしこれはどうです、もし逆の結果だとしたら?』

 

 

その言葉を聞いた瞬間に、私は何かに目覚めたかのように気づいてしまった。

 

 

「……ッ…正しい未来ではなく、その道にならないように猿が対処をする、ということか。」

 

 

『おお流石は夏油傑、鋭いですね。猿は余計ですけど』

 

 

理解などできてはいない、いまだ混乱状態だが…どうやらここは私が知っている世界ではないのは確かなようだ。

あの映像もそうだ、作られた映像ではない。嘘だと思いたいがあの映像が真実だとしたら、一刻も早く対処をしなければならない。

 

 

『そう、それは正解の道ではない、不正解の道なんです。その不正解の道にいかないように我々が管理しているんですよ』

 

 

「何が正解で、何が不正解か…君が決めているわけか?」

 

 

『いえいえ私のような下請けはそんなことを決められませんよ。もっと上の立場の人たちですかねぇ。』

 

 

こんなところでも下請けという言葉があるのかと、意外と現実みを帯びた発言をしてくる。

 

 

「私は私の家族を守らなければならない…! 私を元の世界に戻してはくれないか!」

 

 

『戻って未来を変えてやるんだーってノリですか? だからいっているではないですか。貴方は夏油傑ですけど、夏油傑という名の情報体にすぎない、戻ったところで正史通り動くわけですから、五条悟に殺されて終わりですよ』

 

 

「そんなことがッ……!!」

 

 

頭痛がひどくなる一方だ、私は夏油傑だ、猿を憎み、親友を裏切り、すべての術師を敵に回した夏油傑のはずだ。

この男のいう情報体という言葉がひどく混乱させる。

 

 

 

『まぁまぁここからが悪い話じゃないですから聞いてくださいよ、コーヒーでも飲みます?』

 

 

呑気にコーヒーカップにコーヒーを入れる姿でさえ腹立たしい。

 

 

『何故あなたをここに呼び出したのか、お願いがあって呼び出したんですよ』

 

 

「……何?」

 

 

『まぁ今回貴方を呼び出したのは、その不正解になる道を作ろうとしているものたちがいるんです、その対処をしてほしいんですよ』

 

 

「…つまり正解の道になれるように、私が対処をする、ということか? なぜ私がそんなことをする必要性がある。」

 

 

頭の混乱でどうにかなりそうな私も、そこは脳が働いた。

ひどく落ち込んだ私をみて、ケラケラと笑っているこの男も心底腹立たしいが。

 

 

 

『正史でなくなった世界は、世界のバランスが崩れていくんですよ。本来とは別の未来に進んでいけば、世界の崩壊まっしぐらなわけです。そうなると我々としても困るんですよ、世界のバランスが崩れていけば、連鎖するように、ほかの世界も崩壊していきます、ウイルスみたいなものなんですよねこれが。だから危険なんですよ、ゲームでいうIFルートっていうのは』

 

 

「私にどうしろというのだ……」

 

 

 

『そこで正しい未来になれるように手助けしてほしいんです、その厄介な連中を対処してほしいんですよ』

 

 

対処とは、間違いなく始末しろ、という意味だろう。

だが私がなぜそんなことをしなければならないのだ。

 

 

「私が……? なぜ私がしなければならない?」

 

 

『理由ですか、ここは取引しましょう。貴方がやり遂げていただけるなら、貴方の世界の未来を変えましょう』

 

 

「………!」

 

 

私はその言葉の意味を悟った。

私がこの件に関して協力すれば、未来を変えるつまり……呪術師しかいない世界を作り上げることができる、と。

 

 

「正史と違う未来に変えたら、崩壊するのではないのか?」

 

 

『特例措置ですよ特例措置、もっともこれは最終手段で使える回数が限られるんです。その1回分を貴方に差し上げましょう。』

 

 

「………本当か?」

 

 

『ええ嘘はつかないですから、私』

 

 

 

コイツの表情からは何を考えているかはわからない。

本来であれば私は死ぬはず…いやこの男の言う通りただの情報体であったとしても、未来を変えることができる。呪術師の世界を作り上げ、そして私の家族も死ぬことはなくなる。

 

 

すべてを理解できているわけではない、だが私は行動しなければならない、あの未来にたどり着いてはいけないと。

 

 

 

「嘘だったら貴様を呪霊の餌にしてあげよう、覚悟しておけ」

 

 

 

『交渉成立ですね、ようこそ管理者の世界へ。貴方には様々な世界へといっていただきます。そこで起こる変異体……まぁいわば正史では出てこない変異体を抹消していただきます』

 

 

「数はどの程度いる? それは人なのか?」

 

 

『まぁ人でもあるし、人ではない可能性もありますかね。数も未知数でよくわかりません』

 

 

「何も情報がないのか」

 

 

『まぁそこは世界を渡り歩いていれば、会えますよ。さっそくお仕事にいっていただきましょう、ああそうだ、貴方の術式は、ほかの世界でも使えるようになっているのでご安心を』

 

 

「私が別世界にいるのは、異物とはとらえないのか?」

 

 

『貴方の場合は管理者の世界というカテゴリーに変更していますからね、管理者は別の世界にいったとしても、何も影響はありません』

 

 

「…なるほど、理解はした」

 

 

もはや驚きもなくなった、しかしもはやなんでもありになってきたな。

 

 

「あと最後に聞きたい」

 

 

『むむ、なんです?』

 

 

「どうしてわたしを選んだ? ほかにも候補者はいたはずだろう」

 

 

『あーそれですね、人選は私が選んでもいいとのことだったので』

 

 

「理由を聞いているんだ私は」

 

 

『理由ですかーまぁそうですねぇ……ただのファンなだけですよ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




後悔はしていない
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