裏社会の始末屋、キヴォトスにて絆される   作:渡邊ユンカース

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お久しぶりです。ブルーアーカイブに曇らせ姉ショタ概念がなかったので布教しにやってきました。
とりあえず顔と声が良くてナイスバディー(例外あり)お姉さんはありだと思います。

それとある程度、書き留めてから投稿しているので誤字や設定の齟齬があると思うので報告してくれたらありがたいです。


始末屋

 キヴォトスでは常日頃から銃撃戦が行われている。

 ケンカ・いたずら・盗難・縄張り争い・抗議活動・反乱といったように様々な理由で銃撃戦が繰り広げられている。

 特にブラックマーケットは治安が非常に悪い。停学や中退をしている生徒で溢れていたり、絶対に市井では出ない違法改造品や横流し品の販売が当然のように行われている。一応、ブラックマーケットを管理する機構は存在するものの基本的には治外法権がまかり通る危険な場所だ。

 

 そんなブラックマーケットでとある廃工場を縄張りとするスケバンたちがトランプで遊んでいた。賭けているのは盗品、銃器や高額なアクセサリーがやり取りされていた。

 

「うっし!これは私のモンだ!」

「ちっ、取ってけ!」

「いやー、やっぱりトリニティのお嬢ちゃんは良いの持ってるぜ」

「わかるわかる!この手鏡も高級感があっていいよなぁ」

「それあたしが盗ってきたやつだからな。ぜってぇに勝って取り返す」

「やってみろよバーカ」

 

 賭けに興じるスケバンたち、自分がしたことを悪びれることもなく当たり前のように過ごしていた。罪悪感を感じないほどに悪行を繰り返してきたのだろう。

 しかしそんな余興も終わることになる。

 突如として室内が真っ暗になる。上を見上げると全ての照明が切れていた。

 

「な、なんだ!?」

「あぁ?停電か?」

「ったく、変電所から電気盗んできてるから不安定なんだよな。ちょっとブレーカー直してくるわ」

「おう頼んだわ」

「勝手に盗るんじゃねぇぞ、やったらぶん殴るわ」

「うっせ、とっとと行けよ」

 

 面倒くさそうに頭を掻きながらブレーカーのある部屋に向かうスケバン、ガチャンと部屋の扉を開けた。

 その瞬間、そのスケバンは鈍い打撃音とともに後方へ吹き飛んでいった。

 

「お、おい!?」

「何が起きた!?」

「あ、あがが……」

「完全に気絶しちまってる!敵だ!」

「テメェら得物でとっとと撃て!」

 

 暗闇の中、スケバンたちは臨戦態勢を整えると照準をその扉付近に合わせて引き金を引いた。大量の銃弾が銃口から放たれて突き進んでいき、扉付近に着弾する。銃声と金属同士が当たることで生まれる火花や衝撃音が合わさり、廃工場内に反響する。

 一通り斉射を終えた後、スケバンたちは弾倉を替えながら警戒を続ける。

 

「これでくたばっただろ」

「へっ、あの弾幕じゃ耐えきれねぇよ」

「おい誰か見てこい」

「ふざけんな、行きたくねぇよ」

「ちっ、アタシが行くよ」

 

 一人が襲撃者の正体を確認するために扉付近に近づく。念のために備えて後方のスケバンたちは味方ごと撃つ準備はしていた。

 スマホのライトで辺りを見渡すが誰もいない。ブレーカーのある部屋も注意深く確認するため足を踏み入れた。

 

「うぐっ!?」

 

 踏み入れた瞬間、そのスケバンの体が浮いた。正確には首を持ち上げられて宙づりになったという表現が正しかった。ジタバタと数秒暴れた後にパタリと抵抗がなくなり、どさりと地面に倒れた。

 

「もう一度斉射して――――」

 

 再び斉射をしようと引き金を握った瞬間、カンっと軽い金属音が響く。そして室内は眩い閃光と破裂音に包まれた。

 

「眩しい!?」

「閃光弾かぁ!!」

「目、目がッ!?」

「撃ち続けろォ!」

 

 眩い閃光に目をやられたスケバンたちは両手で目を抑えるか、がむしゃらに銃を振るう。

 

「うぐっ!」

「あごっ!?」

「うっ!!」

 

 打撃音とともに何かが攻撃をしている。対応をしようにも視界がままならないためできない。ひとり、またひとりと短い悲鳴をあげながら倒れていく。今度は自分が襲われるのではないかと恐怖と不安がスケバンたちを襲った。

 

「ち、ちきしょう!!」

 

 

 なんとか視界が回復したスケバンが辺りを見渡す。周辺にいた仲間たちは全滅しており、意識不明の状態で地面に伏していた。彼女が最後のひとりだった。

 

「う、うわあああああ!?」

 

 完全に恐怖に屈して壁を背に銃を構える。内心では勝てないと悟りながらも正体不明の襲撃者から身を護るため暗闇に銃口を合わせた。

 

「おいおい、まだ僕に勝てると思っているのかい?」

「うわあああああ!!」

「単調な射撃じゃ僕に当たらない」

 

 襲撃者である声の出所に向けて撃つも襲撃者は余裕綽々といった感じで一歩一歩カツカツと音をたてながら迫ってくる。カチカチと引き金を引いて出るのは銃弾ではなく弾切れを知らせる無情な音。歯の根をガチガチと鳴らしながら彼女は襲撃者に叫んだ。

 

「て、テメエは何者なんだよ!」

「腕利きの雇われさ」

「ふざけんな!?アタシらが何したって言うんだ!」

「まあ端的に言うとアンタらはやりすぎたんだ。恨みは買ってもきちんと処分しなきゃ」

「く、くそおおおおお!!」

「忘れるなかれ、始末屋の名を」

 

 泣き叫びながら哀れにも引き金を引く彼女が最後に見たのは顔のフードと金属製のマスクだった。眉間を始末屋の得物であるトンファーで突かれた勢いで彼女は仰け反り、ゴツンと鈍い音を立てて壁にぶつかった後に昏倒した。

 

「あー、やりごたえのないいつもの仕事だった」

 

 先程まで使われていた椅子に腰かけた始末屋はマスクを外してからタバコを喫煙する。その素顔はまだ幼さ残る少年だったが、壮絶な過去があったのか顔には正気はなく目はやつれていた。

 軽く一服してからスマホを取り出して電話をかける。電話先の相手は始末屋に依頼を頼んだ依頼主だった。正体がバレないようにマスクに付けられたボイスチェンジャーを起動させる。ちなみにだが素性が割れないようにするため、マスクの機能の一つであるヘイローの偽装も起動させている。

 

「おい、依頼が終わったぞ」

『おおっ、そうか。流石は始末屋だ!大金を叩いた甲斐がある!』

「当然に決まっているでしょ。二日以内に金を用意しときなよ」

『……せめて五日は待ってくれないか?』

「何寝ぼけたこと言ってんだジジイ。僕に頼むってことは相応の理解と覚悟をしたんだよな」

『前金だって集めるのに苦労したんだぞ!それを二日だなんて……!』

「へぇー、契約違反になったらどうなるかアンタもわかってんだろ。ターゲットと同じ目にあわせてやろうか、余裕だけど」

『くっ……!わかったわかったから!きちんと二日以内に指定の場所に振り込んでおく!』

「ははっ、悪いね。それでは始末屋のまたのご利用お待ちしておりまーす」

 

 ケラケラと人を小馬鹿にする態度で電話を切った。傭兵やボディーガードと違って始末屋という職業柄、非常に暴力性の高い依頼がほとんどだ。基本的にターゲットを殺す一歩手前まで追い込む、軽くても全治数か月にする。どんな難易度の高い依頼でさえ金額次第で成し遂げる。こうした依頼を何十回もこなすうちに裏世界で名を馳せる人物になった。

 

「ふぅ、そろそろ行くか」

 

 タバコの吸い殻を携帯用灰皿に入れて、懐から一枚のビラを取り出して放る。ビラにはただ一言、始末屋と書かれていた。

 

 

 

 

 

「やれやれ、今日の依頼も楽勝だったな」

 

 始末屋が拠点としているブラックマーケットを抜け出して現在居るのはトリニティ自治区。

 学園都市キヴォトスにおいて三大学園として数えられるトリニティ総合学園が自治している区域であり、生徒数も多い。そのため他所からの来訪者の肩身が狭い思いをすることになる。

 しかし今の時刻は深夜帯、規則に模範的な生徒が多いからか夜は静まりかえっていた。

 依頼を終えた後にわざわざ素顔を晒して私服を着てまで来る理由がそこにはあった。暫く歩いていると古風なカフェに辿り着き、扉を開ける。ちりんと扉のベルが鳴る。

 

「やあマスター、こんばんは」

「おおっ、アゲハさん。今日も遅くに来店ありがとうございます」

「別にいいんだよ。それよりもいつものお願い」

「かしこまりました」

 

 適当な席につき、どさりと腰を据える。店内には時間帯もあり誰もいない。

 暫くしてからマスターが一杯のモカとチーズケーキを運んできた。

 

「お待たせいたしました。いつものです」

「ありがとうマスター、仕事終わりに食べるのが最高なんだ」

「感謝の極み」

 

 アゲハは始末屋としての依頼を終えた後にこの店のモカとチーズケーキを食べるのが恒例だった。どんなに疲れていたり、仕事場から遠くても欠かさず来店していた。そうしている間に店の常連となり、マスターにも注文が知られていた。

 どうでもいいことをマスターと話す。無論、プロとして始末屋としての内容を漏らすことはしない。素性がバレてしまえば公安局やキヴォトス中の学園から追われる身になることは必至だ。もっとも単独で逃げ切る自信がアゲハにはあった。

 

「まだやっていますか?」

 

 ちりんと扉のベルが鳴る。アゲハは横目で来店者を視認する。

 全身が黒で統一されている大柄な女性で腰から生えている翼も非常に大きい。赤い瞳とヘイローが全体の黒に合っていた。

 

「大丈夫ですよハスミさん」

「それならよかったです」

「あっ、ハスミじゃん。やっほー」

「アゲハ、あなたもいたのですか」

「まあね」

 

 ハスミはこの二人と顔なじみだった。ハスミはアゲハの隣に座り、所持している狙撃銃を邪魔にならないところに掛ける。座っている状態とはいえハスミとアゲハの身長差が激しい。ハスミは179センチだがアゲハは155センチ、実に20センチ以上差があるのだ。また両者の髪色が近いこともあり、後ろから見ると姉弟のようにも見える。

 ハスミはアゲハのことをよく知らない。わかっているのはどこの学校にも在籍していない者で相当な実力を有したヘイローの付いた少年とだけ。素性を無暗に詮索しない、そんな無粋なマネは両者ともしたくなかった。

 

「なぜいるんですか」

「いちゃいけないのかい、トリニティ自治区なだけで来訪は禁止されてないぜ」

「そういうことではなく時間帯という意味です」

「仕事終わりに一杯引っかけに、来店理由はいつもそれさ」

「……そうですか、まあ個人の自由ですから追及はしません」

 

 いけしゃあしゃあと軽口をたたくアゲハに内心頭を抱えるハスミ、そんな彼女に配慮することなくテーブルの灰皿を手元に寄せる。

 

「タバコですか」

「そうそう。一本どうだい」

「吸いません。服に臭いがつくので傍で吸うのはやめてください」

「嫌だ」

「アゲハさん、ここは配慮するのが紳士ですよ」

「むぅ、マスターもそんなこと言って」

「それにどう見ても未成年ですよね。未成年が喫煙は禁止されています。正義実現委員会の副委員長として見過ごせません」

「……もし破ったら、どうする?」

 

 タバコを口にくわえたアゲハは獲物を見定める目をハスミに向ける。ハスミもそれに応えるかのように目を鋭くさせる。両者から滲みだされた敵意と警戒が緊迫した状況を生み出す。まさに一触即発だ。

 

「注文のパフェになります」

 

 そんな一触即発の状況を打ち壊したのはマスターだった。ハスミの目の前に置かれた色々なフルーツやデコレーションがされたパフェ、彼女の視線を奪うには十分だった。自分に注視されなくなったことに呆れ気味のアゲハはつまらなさそうにタバコをしまう。

 

「このお店のパフェはやはり素晴らしいものですね」

「……本当にアンタは食い気がすごいな」

「つまらないことに自我を割きたくありませんから」

「あっそ、まあ気持ちはわかるよ」

「アゲハさんもどうです。もう一杯」

「いーや、僕は一杯のモカと一個のケーキでいいのさ。そこにいる爆食いパフェ女と違って」

「失礼なことを言いますね」

「事実だろ。てかもう食べ終えそうなのヤバいって」

「こんなに美味しいのだから仕方がないでしょう!」

「……おい、何うずうずしている。まさかお代わりする気なのか?」

「今日はいつもより頑張ったからカロリーを考慮してお代わりもありでは……」

「あんな糖分の塊をよくお代わりする気になるね、一個で満足だろ」

「くっ、今日は特別ということで……!」

「欲望に負けたよこの子。まっ、ダイエット頑張りなよ」

「なぜそれを!」

「いや察するだろ、付き合いまあまああるんだから」

 

 始末屋アゲハは依頼を圧倒的な暴力でこなし、自由気ままに生きていた。世間一般には世捨て人と称されているが案外その生き方は本人も気に入っていた。

 だがキヴォトスにやってきたシャーレの先生によって彼の生き方と在り方が大きく変わっていった。

 




黒羽アゲハ

【挿絵表示】


学園  なし
部活  始末屋
年齢  不明
誕生日 不明
身長  155cm
趣味  喫煙
頭髪  黒に近い灰色でウルフカットな感じ
瞳の色 薄い黄色
武器  二本のトンファー(仕込み機能あり)、ナイフ、様々な手榴弾


といった感じの生意気なクソガキだと思ってください。典型的な俺TUEEE!ではないほどの強さです。
姉ショタ要素はきちんとこなします、やらせてください。
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