コミケ行ってブルアカのサオリのコスプレしました。
意外と太陽が出ていて寒くなかったです、むしろ長いウィッグとマスクしていたので暑い。
自撮りしかない上に間違えて消してしまった、本当に申し訳ない(メタルマンの博士感)
絶賛降雨中の昼さがり、トリニティ自治区の端に存在するとあるカフェにて一人の少年がモカとケーキを楽しんでいた。その少年の名はアゲハ、対ヒナ戦と便利屋68に従事した際に負ったケガが治り、依頼も何もこなかったので久しぶりに行きつけのカフェに来ていたのであった。
雨雲の影響で昼間にも関わらず薄暗い。窓ガラスに付着した雨粒が重力に導かれて下へ伝っていくのをぼんやりと眺める。何も考えずにぼんやりする状況はアゲハにとって嫌いではなかった。
「こんにちは」
「あぁ、ハスミさん。いらっしゃい」
チリンとドアに付けられたベルが鳴り、入ってきたのは正義実行委員会の副会長ハスミだった。ハスミにとってこのカフェは束の間の休息を取るために愛用していたのだ。
「やあやあ。お久しぶりハスミ」
「何ですか。あなたもいたのですね」
「そりゃあお気に入りの店なんでね。どう、こっちに座りなよ」
「いいでしょう」
傘を傘立てに置いて携帯していた銃を席に立てかけ、ハスミはアゲハの対面の席に座る。
「この前の山海経でのご飯、ありがとうございました」
「何度も言わなくていいよ。僕よりもアンタの方がああいうの好きでしょ」
「えぇ。とても香ばしいスパイスとクセになる油が美味しかったです。特に油淋鶏の酸味がよく、白米が良く進みました」
「何膳喰うんだってぐらい食べてたね。まあ満足してくれたんなら何よりだ」
「……おかげで後が大変でしたが」
「……太った?」
「な、なんて失礼な!」
「まあアンタみたいなデカ女なら多少増えても気にならないでしょ。腹に栄養がいっているわけじゃなさそうだし」
じろりとアゲハはハスミを一見する。出るとこが出てしまるところがしまっているので栄養が身長と胸と尻と太腿にいっているのは確実だ。
「今度余計なことを言うとこれで叩きますからね」
「おお怖い怖い。こんな非力な少年を銃床で叩くだなんて邪知暴虐だね。いや、職権乱用か?」
「その生意気な口ぶりも相変わらずで何よりです。しばらく見かけませんでしたから」
「えっ、何だい。僕のこと心配してくれた感じ?ありがたいね」
「……やっぱり叩いた方がいいですね」
「待て待て待て。ここは一般の方が経営する静かなカフェだぜ、そういう暴力沙汰はマナー違反だ」
「いつか覚えていてくださいね。あっ、パフェとメロンソーダとショートケーキを」
「かしこまりました」
「もう少しカロリー管理しとけ」
山海経での食事を気にしていたのにも関わらず高カロリーなものばかり注文するハスミに思わずツッコミが出た。
「にしても山海経でお世話になったルミさんが玄武商会の会長さんとは驚きました」
「あとから調べたんだ」
「えぇ。周囲の様子から高位な地位の方とは思いましたが会長だなんて」
「明るくてフレンドリーな人で料理も上手、非の打ち所がない」
「……どこで知り合ったんですか」
「前に旅行した時に」
「よくそんなお金ありますね。学校にも行かずに放浪とは良い身分ですね」
「おいおい、そういうあんただってパトロール中に来たんじゃないの?」
「残念ながら今日はマシロの当番なので」
「あっ、そう。クリームソーダが来たぜ」
「ありがとうございますマスター」
「ごゆっくり」
マスターがクリームソーダを運び、テーブルに置いた。エメラルド色のシュワシュワした液体の上に乗っけられた大きなバニラアイスはまさに芸術とも言える。
そんな芸術作品を前にハスミの目が煌めく。まるでおもちゃを前にした幼児の如く。
「毎度のこと素晴らしい……!」
「わかるよ。マスターは料理で芸術作品を作る天才だしね」
「んっ!?美味しい……!!」
「それは何より」
「……私が食べている時に喫煙したらどうなるかわかりますよね」
「今のアンタを前にして吸ったら殺されそうだ」
アゲハは両手をあげて吸わないことを意思表示する。
食欲とは三大欲求のひとつであり、行為中を邪魔されれば誰しもが切れるのは当然だ。それが食べることが楽しみである人間ならどうなるのか、結果は火を見るよりも明らかである。
十分後、トッピングが盛られたパフェと美しい外見をしたショートケーキが運ばれる。メロンソーダを挟みながらパクパクと美味しそうに食べているハスミを見てアゲハもお腹が膨れる感覚になった。
「ねぇ、一口ちょうだいよ」
「……」
「うっわ、すっごい嫌そうな顔」
「当たり前です」
「いいじゃんかどれか一口ぐらい。ほら山海経でのコネ作りと食事を鑑みてよ」
「むぅ、仕方ありませんね」
「よっしゃ」
今までにされた謝礼としてスプーンに渋々といった様子でケーキを取り、差し出す。まさに恋愛映画でありがちな
その姿に少しだけ戸惑った様子を見せるも、アゲハは受け入れてパクリとケーキを口にした。
「うん、美味しい」
「これっきりですからね」
「はいはい。にしてもハスミ、意外と大胆なことするね」
「何がですか?」
「だって普通は新しいスプーンを使うじゃん。なのにアンタは自分のを使ったんだ」
「あっ!?」
「それほどまでに気を許してくれて僕は嬉しいな、よよよ」
「茶化さないでください!あ、あれは私が見落としていただけです!」
「うんうん。それじゃ、パフェも貰うね」
「ダメです。ちゃっかりして何しているんです」
「けっ」
アゲハはあからさまな悪態をついて窓辺に目をやる。すると傘を差した四人の集団がこちらに向かって歩んでいるのが見えた。
ちりんとドアの鈴が鳴る。
「失礼します」
「いらっしゃいませ。四人でしたらあちらのテーブル席へどうぞ」
「あら、ありがとうございます」
「良い雰囲気の店内ですね」
「お腹が空いたね!」
「そうね!」
四人の来客を見た瞬間、ハスミは目元が鋭くなり立てかけていた銃に手を伸ばす。しかしアゲハはテーブルの下でハスミの足を軽く蹴る。
「っ!何するんですか……!」
「やめろ。ここは店内、銃器は抜くな」
「ですがあの人たちは」
「知っている。美食研究会、そうだろ」
美食研究会、それは美食を追い求めるゲヘナ所属の非公式部活である。美食の探求のためにキヴォトス中の飲食店に現れて吟味を行っていて、一見すると何の変哲もないグルメな部活と思うかもしれない。しかし実情は違っていた。本人たちの評価基準に満たされなかった場合、飲食店を爆発させるのだ。
あまりの暴力行為により、ゲヘナ自治区とトリニティ自治区ではもちろんのことキヴォトス中で要注意団体としてマークされているのだ。
美食研究会はリーダーの黒舘ハルナから始まり鰐渕アカリ、赤司ジュンコ、獅子堂イズミで構成されている。
「ならなぜ……!」
「まだ事を起こしていない。要注意団体とはいえ下手に触げばゲヘナ学園の関係悪化やカフェの損害につながる」
「忌々しいゲヘナどもめ……!」
「アンタの立場もあるが今は耐える時だ。どうしてもしょっ引くんなら退出した時でもいいだろ」
「……わかりました。今は落ち着きます」
「それでいいんだよ。アンタの存在がバレると厄介だからテーブルの下に隠れていて」
「わかりました」
そう言ってハスミは自身の巨躯をなんとかテーブルの下に入れて身を隠す。大きな翼がはみ出てしまう心配もあったが、器用に折りたたんで事なきをえた。
アゲハは非常時に備えて携帯しているナイフに片手を添えながら、もう片方の手でモカを飲む。片時も視線を外すことなく、美食研究会の一挙手一投足を逃さないつもりだ。
飄々とした生意気な態度から打って変わった態度にハスミは息を呑む。素性を知らずに交流をしていたとはいえ、その行動はあまりに手慣れていたからだ。
「それでは私はカツサンドを」
「アタシも!」
「ナポリタンでお願いしますね」
「特大パフェで!」
「かしこまりました」
無難な注文をする美食研究会の一同、この無難な注文こそ飲食店を評価するには向いているのだろう。
警戒を続けているとひょっこりとアゲハの股の間からハスミが顔を出してきた。その構図はあまりにも淫らであるが両者とも気にしていない様子だ。正しくはアゲハは気づいていながらも指摘せず、ハスミは一切気づいていない。
「……アゲハ」
「何」
「失礼なんですが私のパフェを取ってはくれませんか?」
「……普通この状況で食わないだろ」
「仕方ないじゃないですか……!」
「ったく食い意地が張ってんな。ほら」
「ありがとうございます」
ハスミの食欲に呆れながらアゲハはこの食い意地ではダイエットは苦戦しそうだと察した。
そうこうしているうちに美食研究会のテーブルに料理が届いた。出来立てほやほやの料理、どれも香ばしい匂いを漂わせている。ちらりとアゲハはハスミの方に目をやると少しだけ涎が出ているようにも見えて困惑した。
「これがこのお店の定番メニューのカツサンド」
「すっごいカツの匂いが良い!」
「こっちのナポリタンも見栄えが良いですね」
「パフェも盛り盛りにトッピングされているよー!」
「ごゆっくり味わってくださいませ」
「それではいただくとしましょうか」
――――始まる、食レポが。
アゲハとハスミは息を呑む。噂によると美食研究会は料理次第で一口終えた後に無言で爆破することもあるのだ。少しでもおかしな挙動を取った場合、アゲハは即座に取り押さえるつもりだった。無論、テーブルの下にいるハスミも同様だった。
「美味しいー!」
「サクサクとした食感とお肉のおいしさを生かしたカツが素晴らしいです。それと新鮮なレタスに挟まれたことでカツの油こさを和らげる……!」
「濃厚なトマトケチャップに絡みつくパスタ、しかもこのパスタも硬すぎず柔らかすぎない塩梅が美味しいです」
「パフェも全部が甘くておいしい!」
「……流石はトリニティ自治区で隠れ家的人気を誇るカフェ。レベルが違いますね」
「感謝の極みです」
アゲハとハスミの両者はガッツポーズをしながら安堵した。同時に美食研究会の評価が適正なうえに厳格であったことに意外性を覚えながらも、やはり店を爆破するのはやりすぎだと感じた。
「マスター、美味しい食事をありがとうございます」
「また来ますね」
「今度は色々なもの注文するわね」
「新しいメニューができたら教えてね!」
「またのご来店をお待ちしております」
何事もなく美食研究会の訪問は終えてひと段落付いたアゲハとハスミ、マスターがちらりとアゲハたちを一瞥する。
「お二方、仲がよろしいのは承知しておりますが不純なことはおやめください」
「な、な何を言うんですかマスター!いっ!?」
「頭ぶつけてやんの。てか冗談キツイってマスター」
「ほほほ、冗談でございます」
「それでマスター、彼女らのこと知っていたの?」
「勿論ですとも」
「いたた……けどよく動じませんでしたね」
「私はあなた方が産まれる以前から経営してきました。この程度の修羅場、大したものではありませんよ」
「プロとしての矜持を見せたってわけだ」
「そうかもしれませんね」
マスターはにこやかに笑いかける。その笑顔に刻まれた一本一本のシワには相当なドラマが物語っている。
「にしても彼女たちの矜持も一言に悪と断ずることはできませんね」
「それはどうしてですか?」
「簡単な話、店とお客は対等でなくてはなりません。片方が無礼な態度を貫くのなら相応の対応をしなくてはなりません」
「まっ、それは僕も思うよ。てかマスター、もし無礼千万なお客様が来たらどうするのさ」
「その時はこれです」
そう言ってマスターは懐に仕舞われていた懐中時計を取り出し、かちりとボタンを押した。するとマスター側のカウンターから二挺のマシンガンが飛び出してきた。マスターもいつの間にか大口径のリボルバーを手にしていた。
「こんな仕掛けが……」
「メンテナンスは欠かしておりませんが起動させたこともありません」
「それはいいことだ。けど銃の腕前は?」
「歳こそ取りましたが未だに健在ですよ。試しにハスミさんと射撃で勝負しましょうか?」
「そのリボルバーで?こっちはライフルだよ、勝てるの?」
「勿論です。プロですから」
「勝手に競わせようとしないでください。非番の時ぐらいは引き金を引きたくはありません」
「それはそうだな」
「ほほほ、いつでも勝負に乗りますよ」
「御冗談を……」
「ほほほ、さて私からのサービスです。受け取ってください」
マスターはサービスと言ってバニラアイスとココアを提供する。
「親切にどうも」
「ありがとうございます」
「いえいえ、常連さんは大切にしないと」
「本音を言うとお金のためでしょ」
「ほほほ、これは手厳しい」
三人の笑いで包まれたカフェ、いつの間にか雨もすっかり止んで虹が架かっていた。
人は誰しもが安息を求める。アゲハにとって心の底から寛げる場はここしかないのだ。
マスターはクリントイーストウッド主演のダーティハリーが使っていた口径.44S&Wマグナムです。若い時はブイブイ言わせてました。