ラ・マンチャ〜
今回はちょっぴり真面目ラ・マンチャだマンチャ
久しぶりに書いたせいで文章がクソザコだマンチャ
ごめんなさいマンチャ
「サ〜ンチョっ!!」
それは、相変わらず突然のことだった。
もはやノックの一つもなしに扉を開け顔を覗き込ませるアイツ。
「死ね。」
「アッハハ!今日も元気そうでなによりだ!!」
そこそこ本気の投槍を一蹴されるのにも慣れてきた。
...いや慣れたらいけないな。
「...さて...ドゥルシネーアを呼びに行くか...」
対処にも手馴れてきた。
さて、今度はどんな化粧道具を使われるのか、今から楽しみになってきたな...クソ...
「私と目も合わせずに追い払おうとするのはさすがに傷付くぞ〜サンチョォ〜。」
「そうか。勝手に傷ついていろ痴呆め。」
「ほう...私を無視するというのだな?この!西部シ協会1課部長!血鬼キチで恐れられるこの!ヴァンル「父上はどこへ?」
「あ、キホーテ殿なら観覧車のところにいたぞ。」
「すぐそこか。」
面倒そうだし、今回は無視することにしよう。
「......しまった!!なんてことだこの私がまんまと貴殿の策にハマるとは!!」
勝手に突っ込んできたんだろ。
「しかしちょうど私も観覧車へ用があったのだ!」
「...着いてくるつもりか?」
「そうだが?」
なんだこいつ。
「...はあ、どれだけ言っても着いてくるつもりだろ。」
「当たり前だろう?」
「......なら、条件が三つある。」
「ほう。」
「一つ、喋るな。家族に誤解されかねない。」
「まあ...嫌なら歯を噛み砕く勢いで口を閉じていよう。」
「二つ、私から10m以上離れてろ。」
「貴殿の姿が普段の八割程度しか見えぬでは無いか!!」
八割も見えるのかよ。
「三つ、父上の元へ着くまで息をするな。」
「死ねと?」
「そうだ。」
「そうかぁ。」
「そんなに死にたくないなら今殺してやろうか。」
「惚れた弱みを存分に活かすな!ずるいぞ!そういう所も最高だ!!」
こいつ本当に死なないかな。
「...という風で、今日の食事の配分を決めておきました。既にそれぞれのドゥルシネーアら管理人は納得していますが、いかがでしょうか。」
「あぁ、それで吾も異論は無い。それで、あー...サンチョ?」
「なんでしょう。どこか気になる点が?」
「いや...気になる点といえばそうなのだが...」
「......!」
「あそこのルーク殿が、吾ら血鬼よりも白い顔をしているのは...?」
「さあ、突然エラ呼吸にでもなったのではないでしょうか。」
「人間が?」
「人間が。」
「......はあ...」
さすがに苦しかったか...?
「サンチョ...お前と言う奴は、どうして彼と仲良く出来ぬのだ?」
「仲良くしているではありませんか。今日なんてまだ一本しか投げておりません。」
「もう一本投げたんだな。全く、万が一があったらどうする。いかに有力なフィクサーであろうと、失敗は絶対に無いという訳じゃないのだぞ?」
「万が一があったら私は泣いて喜びますよ。」
「ああいえばこう言う...まあいい。ルーク殿!サンチョの言っていたことは忘れて、こっちに来たまえよ!貴殿に話があるのだ!」
「...!」
父上の命令にも真っ白な顔で首を左右に振った。
「...はあ、もういいからこっちに来い。」
仕方無く私が声を掛けてやると、段々と顔に生気が戻ってきた。
「ぶはっ!!はーっ...!はあっ...!あ、あぶ、ない...!かわの、むこう...かぞくで、むかえ、きてた...!!」
そのまま向こうへ渡ってしまえば良かったのに。
「チッ、もう少しだったか。」
「サンチョ???」
いけない。
少し本音が漏れてしまったな。
「ぜー、はーっ...!よし!我、復活!」
血液が多いとか言っていたな。
それなら酸素の周りも早く、酸欠状態からの復帰も早いのだろうか。
それなら今後、窒息は効果的では無いのだろうか。
「サンチョ...なんて恐ろしい顔をするのだ。お前は...あぁルーク殿!つい数刻前にラ・マンチャランドの顔とも言える観覧車の改修が終わったのだ!改修と言っても、ゴンドラの素材を変えただけであるが...」
「X社の特殊合金。あそこには私も多大な信頼を置いているものだ。恐らく経年劣化以外での破損は無いであろうな。経年劣化こそあるが...まあ三桁年単位ゆえ、そこまで気にすることもないだろうな。」
そういえば、そんな話を少し前にしていた気がするな。
それを父上から聞いた時は、この男の名が出た時点で耳を塞いで聞いていなかった。
「それに加え、少しばかり新しい機能を追加してみたのだ。吾も試しては見たが、やはり意見というのは一人でも多い方が良いだろう?」
...嫌な予感がしてきたな。
そして私の嫌な予感を具現化するようにゴンドラの扉を開けるのをおやめ下さい。
「さあ!」
『さあ!』じゃありません。
「はあ...申し訳ありません、私はまだやることが「さあゆくぞ!!サンチョ殿!!」やめろぉ!!離せ!!このっ...は、はなっ...殺すぞ!!」
「殺すぞと口にしているならばまだ安心だな!ヨシ!!」
なんだ今のポーズは。
どこからそのヘルメットを取りだした。
おいどこへしまった!?
「この観覧車はここで過ごした人間がラ・マンチャランドを一望し、その日の出来事を振り返る...そこに一手間加えてみたのだ!戻ってきた時、屈託の無い感想を聞かせてくれたまえ!」
「父上!!父上!!!!後生です!それだけは!それだけはおやめ下さい父上!!!!父うぇ...聞けェ!!!!」
「楽しんでくるといい!」
私の悲痛な叫びから耳を塞ぐように、目の前でゴンドラの扉が閉まった。
そして、ゆっくりと動き始めた。
「あ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙父上ぇぇぇぇ...!!私がッ...私が、一体何をしたというのですかッッッ...!」
「まあ落ち着きたまえよサンチョ殿。何も取って食おうというわけではないのだ。キホーテ殿も言っていたでは無いか、楽しんでくるといい、と。」
「お前とこんな狭い密閉空間なんて死んでも御免だ!父上に叱責されようとも構わない、もうこのゴンドラごと破壊して...なんだこれ固っ...!?」
「おぉ〜、すごいな。さすがはX社の特殊合金。よもや傷一つ付かんとは。これならば、半年の稼ぎを消費して仕入れた甲斐があったな!」
「どういう意味だ!!?まさか、この状況を狙って...」
「いや普通に私の目利きが間違い無かったことへの安堵だが...?」
「......そうか。」
出られないなら、もう黙ってやり過ごそう。
そして戻ったら父上に一度拳のプレゼントを...いや、さすがにやめておいたほうがいいか...?
いやしかし、一度痛い目を見てもらう必要が...
「ふふ...ふふははは...」
「...なんだ。ついに壊れたか?」
「楽しいなぁ。たまにここからパレードを眺めたりもするのだが、一人だ。こうして視界の端に誰かの顔が映るのが、新鮮でな。」
「...二度とこの光景は無い。その煩悩塗れの脳味噌にでも焼き付けておくんだな。」
「あぁ...肝に銘じよう。」
それにしても、こんなにも回転は遅いものだったか?
なかなか終わりそうにないじゃないか。
「私は血鬼が好きだ。彼らの家族の概念と愛情が好きだ。好き好んで人間を害する血鬼に関してはその限りでは無いが、少なくとも、貴殿らは私の知る血鬼の中で最も好ましい。」
「......黙っていろ。」
聞いてもいないことをべらべらと...
「あぁ...羨ましいな。」
「なんだと?」
今なんて言った。
羨ましい?
絶え間無い渇きに煮やされる私たちが羨ましいだって?
どうしてたかが人間風情がそのような知った口を聞ける。
「...なら...お前も、私たちと同じようにしてやろうか。そして喉の引き裂ける渇きの中で、もう一度同じ事を言えるか試してやろうじゃないか。」
「仲睦まじい家族を羨んで何が悪い?親が子に強制しない者は珍しくないが、末端の家族まで気に掛けている者達は初めてだ。血への渇望についても理解しているつもりだ。その上で羨ましいと言っているのだ。」
「...それ以上、喋るな。」
「何故だ?包み隠さず言うが私は今とってもはしゃいでいるぞ!浮かれぽんちの1級フィクサーを、そのように可愛らしく凄んだ程度で黙らせられるとでも思っているのかね!?」
うるさいな本当に殺してやろうかな。
「おっ?赤くなっているぞ?さては照れているのだな!?はは!なかなか可愛いとごおッ!?」
......もういい。
「黙れと言ったんだ。」
随分と容易く首を掴めた。
ふん...こうしていれば多少は静かになるな。
「何か勘違いしているようだな。今まで貴様がのうのうとここを歩き回れたのは、ひとえに父上のご慈悲だ。」
酔狂とも言い換えられるかもしれないが、変わりは無い。
ここなら父上からさ見えないだろう。
こいつは気持ちの悪い意地で抵抗はしない。
...なら、多少なりとも痛め付けてみるか。
腕を折って、脚を砕いて、血を絞り出そう。
それで死んだならそれまで。
「貴殿の父上は...善い、方だ...」
何らかの弁明なのだろうが、生憎、下手くそな命乞いにしか聞こえなかった。
いつになく弱々しい声は、聞いていて清々する。
今度はそれに、苦痛を混ぜてやろう。
...そのつもりだったのに。
「っ、ごほっ!げほっげほ...!」
喉を抑えて咳き込む男を、なんの感情も移さない眼で見下す。
「...やはり、後が面倒だな。父上がお前を歓迎する以上、私の独断で処分する訳にも行かないか。」
「あ゙、あ゙ぁ゙ぁ゙〜...ぎいでぐれだまえよザンヂョ、声゙、ガッザガザぁ〜...!」
なんだコイツ。
「ぁ゙〜...あ゙ーぁー...あ〜...よし戻った。にしても...」
なんだ。
今度は何を言ってくるんだ。
「いきなりお、襲ってくるとは...だっ、大胆...であるな...!」
「...はっ?」
「もっとこういうのは、清いお付き合いをしてからと決めていたのだが...」
「な、何を言ってるんだ!?やめろ気持ち悪い!」
「うぅ〜む!貴殿の感触!体温!しばらく忘れないぞ!三ヶ月ぐらい!」
「やめろやめろやめろ!!!!」
全身に鳥肌を立たせて身を引くが、すぐに男の声から普段の軽薄な色が抜けた。
「ふう...冗談はこのくらいにしておこうか。機嫌を損ねては良くないからな。」
外を見れば、ちょうど頂上に来た頃合いだったらしく、ここの景色を一望することが出来た。
「先程言った事は嘘偽りない本心だからな?ほら、キホーテ殿が、善い方と言う...」
「...私へ言ってどうする。」
「いやなに、父上を大切にするのだぞ、と...」
そうだ。
そうだった。
こいつの、ここが気に入らないんだ。
家族でもなんでもない部外者の癖に、私たち家族の話へ割り込んでくる。
挙句の果てに、『父上を大切にしろ』?
何様のつもりだ。
「...他人の家族へは口を出してくるんだ。さぞ立派な家庭を持っているんだろうな?」
私の慣れない皮肉を込めた質問へ、男は間抜けな鳩のように首を傾げて答えた。
「いやぁ...?」
「はっ、なら、どの口が「私はあれを家族と呼んだ覚えは無い」言って...?なんだって?」
「あれは血の繋がった他人だ。なにせ...」
「......」
「...おっと?あまり面白い話では無さそうだな。ならやめるか。代わりになにか面白い話...そうだな...貴殿は猫という半液体の生物を見た事があるかな?」
逸らし方下手くそか。
「.........無い。」
「そうなのか!奇遇だな私も無いぞ!!」
最悪だ。
「...」
「......」
なんで黙るんだよ。
いつもみたいに喚けよ。
「...良い景色だな!!」
「......あぁ、それは否定しないでやる。だが...いつになったらこの景色が変わるんだ?」
先程から時間が止まったかのように静止した景色と、揺れの納まったゴンドラ。
まさか故障かと思い父上を見下ろすが、父上は黙って、笑みを浮かべたまま親指を立てるだけだった。
「おぉ!どうやら仕様らしいぞ!どうやらここからが醍醐味のようだな!さて、この後はどうがごんっおっと?」
なんだ今の音。
なんで...足が浮いてるんだ...?
おかしいな、先程まで体にかかっていた重力がまるで感じられない。
「...お、落ちっ...!?」
「おや、この系統は初めてかな!?ならばこの手のアトラクションの楽しみ方を教えてしんぜようぞ!」
なんでお前はそんな落ち着いて...両手を上げているんだ?
「さあ私の真似をしてみるといい!そしてこう叫ぶんだ、せーの......」
「ぜっ、絶対ちがあぁぁぁぁぁぁぁぁ...!!」
「ルーク殿?サンチョ?無事か?早く出てきて、感想を聞かせてはくれまいか!」
妙に狭苦しい暗闇の中で、身動きが取れずにいると、父上の声と一緒に光が入り込んできた。
「二人と...も......おや、おやおや...その様子だと、随分楽しんでくれたようだな!うむうむ!」
「...ち...父上...何を、言って...」
「これは以前教えた吊り橋効果だな!しかし吊り橋というのは些かダイナミック過ぎはせぬか!?」
...それから、すぐ目の前に男の顔があることにも気が付いた。
なんで私、こいつに抱えられてるんだ?
「サンチョ殿に何かあったら、私は...私は...!「離せ殺すぞ。」ごひゅ」
拳を顎に打ち込んでから、すぐさまゴンドラから這い出る。
「おぉ゙っ...!息災なようで、何よりだッ...!」
「...父上。」
「おぉ!どうだったかサンチョ!ルーク殿から教わった吊り橋効果は!ふふ、これならば、吾がラ・マンチャランドがオススメデェトスポットになる日も遠くは無いな!!」
「ふむ...?顔が赤いな、ま、まさか暑かったのか!?そうとも知らず申し訳ない!暑苦しかったな?すまぬ、すまぬ!!」
「.........あの馬鹿げた機能を削除するか、私にあの観覧車を破壊されるかどちらか選んでください。」
「「サンチョ!?」」
「あとお前はこっちに来いもう一発くれてやる。」
「なんで私だけ!?」
あとがき
サンチョを『女』にしたい私もいれば、『ふぅむ...評価E-、見たるもかたはらいたし。』って酷評してくる薬指の私もいる
いやこれイサンだな。
ルークの深堀り要る...?(設定とか生い立ちとか)
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いる(断固)
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正体不明の変態で十分