「どんな女がタイプだ!?」
「マジで何言ってんの?」
突然声をかけてきてする質問が女のタイプってなに?コイツどう言う教育受けてきたんだよ。
「フッ、失礼。自己紹介がまだだったな。京都校1年東堂葵だ」
「いや、そこじゃなくてさ」
「性癖にはソイツの全てが反映される」
「聞けよ」
「女の趣味がつまらん奴はソイツ自身もつまらん。俺はつまらん男が大嫌いだ!」
流石に偏見がすぎるだろ。
「一級昇格の重要な任務。組まされた相方がつまらんやつではたまったものではないのでな。さて、答えは?Mr.竜胆」
「いや急に女のタイプって言われてもな」
別にこれといったものもないしな。どうしよう、適当に答えようか。いや、
「わからん」
「ほう?」
「別にこれといったものがないんだよ。恋愛経験もないし」
「…まあ良いだろう」
「何目線なの?」
「そんなことよりMr.竜胆、そろそろ向かった方がいいんじゃないか?遅れるぞ」
「…はあ、誰のせいだと」
俺は、ため息を吐き東堂と共に目的地に向かって歩き出した。
「...以上が今回の任務の概要です」
缶ジュースを飲み終わり、補助監督が任務の詳細を説明し終える。
「ふむ。気になるのはやはり目立った外傷が見当たらないことか」
「ま、恐らくは血を奪うこと自体が目的の呪霊なんだろうな」
相手の分析が一通り終わり、空になった缶を補助監督に手渡しトンネルのほうへと歩いて行く。
補助監督はそれを見送り帷を下す。
「…近接いけるタイプ?」
「見てわかるだろう?」
「一応ね。…俺も近接なんだよな」
相手の術式次第では詰まないか?これ。
トンネルを塞いでいるブロックを飛び越えてトンネル内部に侵入し、ライトをつけて進んでいく。
「この音...」
「うん、いるね」
トンネル内部には羽音の様なノイズ音が反響していた。
「気を引き締めろよMr.竜胆」
「もう引き締めてるよ。てかそれはトンネル入る前に言う...」
喋っている最中にふと、左腕に違和感を感じた。その違和感はだんだんと大きくなり、次第に痛みへと変わっていく。
「Mr.竜胆!」
慌ててライトで照らすと俺の左腕は血を抜かれ、干からびていた。
「…ッ針!」
腕に刺さっていた針を千切り、即座に反転術式で血液を作り腕に流す。
「ウマイ。モット...モット!」
羽音が次第に大きくなり、暗闇から呪霊が現れる。
容姿は手足は2本ずつの人間の様であるが、背中に羽が生えており顔には細い針が一本生えている。羽は忙しなく音を鳴らし動いており、トンネル内に響く煩わしい音の元凶が一目でわかった。
「Mr.竜胆。動けるか?」
「ああ、ただ呪力をかなり持って行かれた」
潤いを取り戻した左腕を東堂に見せる。
「反転術式か。残り何回だ?」
「今の規模の傷だったらあと3、4回。まだ余裕あるし俺が前出るよ」
「了解」
「モット吸ワセロ!」
伸びてきた針を腰から取り出したナイフで切り落とし、東堂と同時に接近する。
「何ダ!オマエ!動クナ!」
呪霊が攻撃の為に伸ばしてきた腕にナイフを突き刺し、流れる様に腹部を蹴り上げる。
「東堂」
「わかっている!」
それに合わせて東堂が呪霊に蹴り叩き込み呪霊突き飛ばす。
「痛イ。ズルイ!」
呪霊が腕からナイフを抜き呪力で傷を治すのと同時に、呪力が先程よりも明らかに増える。
「…術式か」
「ああ、恐らく吸った血を呪力に変換する術式だろう。あまり吸われ過ぎるとまずいな」
飛んできた針を回避して、ナイフで切る。呪霊に近づこうとして、
「ヤハリ、血ハウマイ!」
「は?」
ガクりと右足が崩れる。
「1本じゃねえのかよ!」
1本目を囮にして太腿に刺された2本目の針を切り反転術式で足を治し、腰からナイフを取り出して呪霊に向かって投擲する。
「東堂、刺されたか?」
「いや、問題ない」
「よし。暗いとこだと針が見えなくて戦いづらい、場所を移すぞ」
ナイフを針で防ぎこちらに向かってくる呪霊に対して接近する。大ぶりな相手の攻撃に合わせ腕を掴み、トンネルの反対側まで投げ飛ばす。
「体格にしては軽いな」
コンクリートブロックに叩きつけられた呪霊に対して東堂が蹴りを入れブロックを崩して呪霊は、林の中へと投げ出された。
「針が複数ある。術式の都合上時間をあまりかけたくない」
「ああ」
林に投げ出され、月光に照らされる呪霊を見ながら気まずそうに言う。
「…術式はこの場で有用か?俺は正直相性が悪い」
「…わかった、俺の術式を解禁しよう」
有難い。俺の術式はコイツ相手だと
東堂が呪霊に向かっていきながら話す。
「俺の術式、
パンッ!と言う乾いた音と共に東堂と俺の位置が入れ替わる。
「手を叩くことだ」