転生したと思いきや……ピチューでした!?   作:瓶詰め蜂蜜

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一話

 ふと目を覚ますと、何か狭い物に閉じ込められていた。

 えっ!?なにこれ、暗っ!!ていうか狭いしキツイ!!

 

 がむしゃらになって蹴ったり殴ったり頭突したり……。とにかく、暴れまくると、

 

パキッ……

 

 という何かがひび割れる音ともに真っ暗な空間に光が差し込んできた。

 チャンスとばかりにそのひび割れに集中して衝撃を与えると、段々とひびは大きくなり、遂には穴が空いた。

 

「ピチュ〜ピッ!!……ピッ?(やっと出れた〜!!……ん?)」

 

 先ほどの狭い空間から出れた喜びで、叫ぶと違和感があった。首を傾げ、真上を見ると木漏れ日が差し込む森の中。周りを見渡すと見覚えのある黄色いネズミ達……。

 いや、何でピチューにピカチュウが居るんですかねぇっ!?と言うか、目線が一緒で周りには割れた卵が……。ってことはまさか。

 恐る恐る自分の足元に手を見ると、目の前でピカチュウに甘えるピチューたちとおんなじ色でおんなじ形の可愛いあんよが視界に入る。これで、はっきりと判明した。俺、ピチューになってるやんけ!!

 

 

_____________________________

 

 

 元々人間の男、それも成人だった俺だが、ポケモンは小さい頃から大好きだった。寧ろ、愛していたと言ってもいい。

 だが、はっきり言ってゲームでのバトルセンスとか種族値とやらは余りよく分かっていなかったので、いわゆるエンジョイ勢としてずっとポケモンを楽しんでいた。

 そんな俺が、何故ピチューになっているのか。これは転生なのか憑依なのかは分からんが、高確率で俺は死んでしまっているのだろう。

 ……なら、折角第二の人生……いや、ポケ生を得たんだ!!一つでっかい目標を立ててみても良いんじゃないだろうか!!

 そうだな。……やはり、ピチューはなつき進化でピカチュウになるから、優しくて優秀なトレーナーにゲットされたいな。

 後転生したんだしどうせなら最強を目指したい。そう、サトピカやレッドさんのピカチュウみたいな、最ツヨ最カワポケモンに俺はなる!!

 

 そんな妄想をしつつ、俺は親?になる群れのピカチュウ達から技を色々と教えて貰い、修行する日々を送った。

 そこで、俺は少し特別なピチューである事が分かった。そう、タマゴ技のボルテッカーを使えるのだ!!

 この技は群れのピチューもピカチュウも使えない、俺だけの技なのだ!!……って、あれ?ならなんで俺は使えるんだ……?

 

 尋ねてみたところ、俺は森の中に放置されていたタマゴから生まれたらしく、この群れは同族のタマゴが放置されていたから可哀想だと思い、拾ったらしい。

 どうやら俺は捨て子ならぬ、捨てタマゴだったようだ。

 群れのみんなが拾ってくれて良かったと、疑問も解けたことだし、ピチューが覚える技の内、群れの皆んなから教えてもらえたり、なんとなく習得方法が予想できるものを中心に修行を繰り返す。

 そして、俺は群れの中で一番技を覚えたピチューとなったのだった。

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