オーキド博士からスマホロトムをプレゼントされた後、カレンちゃんと俺は改めてマサラタウンを後にした。
町から出てすぐに俺はカレンちゃんの腕の中から降りて、すぐ隣をついてくついて歩いていた。
「ピチュー。遂に私もポケモントレーナーだよ!」
「ピチュチュピッ(そうだなぁ)」
ルンルン気分で歩くカレンちゃんは、しきりに俺に話しかけてくる。その都度相槌を返しながら1番道路を進んでいくと、
「ぽぉっ!!」
と、空から急下降してポッポが一匹飛び出してきた。
「野生のポッポ……!記念すべき旅の初戦だねっ!ピチュー!」
「チュピッ!(おうっ!)」
カレンちゃんの呼びかけに我ながら勇ましく答えて前へ飛び出す。
カレンちゃんに注視していたポッポの視線が俺へと移る。頬の電気袋をバチバチと発電させつつ、俺はポッポと睨み合う。
「ぽおっ!」
「ピチュー!」
ポッポのエアスラッシュを見て、カレンちゃんが俺を呼ぶ。俺はそれを全て躱しきり、「ピッチュピ!(問題無い!)」と返事する。
「ピチュー、『でんこうせっか』で近づいて『でんきショック』!」
「チュピッチュッ!!(りょーかい!!)」
カレンちゃんの指示通りに『でんこうせっか』でポッポへ接近すると、羽ばたいて逃げようとする。が、
「ピッチュッチュッ……ピー!!(にぃがぁすぅ……かーっ!!)」
「ぽうおッ!?」
『でんこうせっか』の勢いそのままに高く飛び上がり、至近距離で『でんきショック』を浴びせる。
『でんきショック』の影響により、ポッポの動きが一瞬硬直する。
その隙を逃さず、俺は
「あっ……」
目を回して戦闘不能状態になった野生のポッポを前に、俺は嬉しくなってカレンちゃんに駆け寄る。
「ピッピチュピッ!(やったよ!)」
「……うん!凄かったよピチュー!流石私の相棒!!」
そう言って、カレンちゃんは嬉しそうに俺を抱え上げて頬ずりする。俺は電気袋が刺激されても電気を放出しない様、慌てて制御する。
「……本当、凄いね」
「チュピッ?(なに?)」
カレンちゃんが何か言ったと思い、聞き返すと、「なんでもないよっ!」と誤魔化された。
「……って、あー!?ポッポ逃げちゃったー!」
「チュッピチュピーピッチュ(うわまじじゃん)」
いつの間にか姿を消したポッポに、しょんぼりと落ち込むカレンちゃんの頭を慰めようと撫でる。まあ、まだカレンちゃんはトレーナー初心者なんだし、こんな失敗もあるよね。
……この時、俺はまだ気付いていなかった。カレンちゃんの心にちょっとした陰りが出来ていたことを。