転生したと思いきや……ピチューでした!?   作:瓶詰め蜂蜜

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再びメリー・クリスマス


十一話

 オーキド博士からスマホロトムをプレゼントされた後、カレンちゃんと俺は改めてマサラタウンを後にした。

 町から出てすぐに俺はカレンちゃんの腕の中から降りて、すぐ隣をついてくついて歩いていた。

 

「ピチュー。遂に私もポケモントレーナーだよ!」

「ピチュチュピッ(そうだなぁ)」

 

 ルンルン気分で歩くカレンちゃんは、しきりに俺に話しかけてくる。その都度相槌を返しながら1番道路を進んでいくと、

 

「ぽぉっ!!」

 

 と、空から急下降してポッポが一匹飛び出してきた。

 

「野生のポッポ……!記念すべき旅の初戦だねっ!ピチュー!」

「チュピッ!(おうっ!)」

 

 カレンちゃんの呼びかけに我ながら勇ましく答えて前へ飛び出す。

 カレンちゃんに注視していたポッポの視線が俺へと移る。頬の電気袋をバチバチと発電させつつ、俺はポッポと睨み合う。

 

「ぽおっ!」

「ピチュー!」

 

 ポッポのエアスラッシュを見て、カレンちゃんが俺を呼ぶ。俺はそれを全て躱しきり、「ピッチュピ!(問題無い!)」と返事する。

 

「ピチュー、『でんこうせっか』で近づいて『でんきショック』!」

「チュピッチュッ!!(りょーかい!!)」

 

 カレンちゃんの指示通りに『でんこうせっか』でポッポへ接近すると、羽ばたいて逃げようとする。が、

 

「ピッチュッチュッ……ピー!!(にぃがぁすぅ……かーっ!!)」

「ぽうおッ!?」

 

 『でんこうせっか』の勢いそのままに高く飛び上がり、至近距離で『でんきショック』を浴びせる。

 『でんきショック』の影響により、ポッポの動きが一瞬硬直する。

 その隙を逃さず、俺は()()()()()()()()()()()()『かみなりパンチ』をポッポの横っ面に叩き込んだ。

 

「あっ……」

 

 目を回して戦闘不能状態になった野生のポッポを前に、俺は嬉しくなってカレンちゃんに駆け寄る。

 

「ピッピチュピッ!(やったよ!)」

「……うん!凄かったよピチュー!流石私の相棒!!」

 

 そう言って、カレンちゃんは嬉しそうに俺を抱え上げて頬ずりする。俺は電気袋が刺激されても電気を放出しない様、慌てて制御する。

 

「……本当、凄いね」

 

「チュピッ?(なに?)」

 

 カレンちゃんが何か言ったと思い、聞き返すと、「なんでもないよっ!」と誤魔化された。

 

「……って、あー!?ポッポ逃げちゃったー!」

「チュッピチュピーピッチュ(うわまじじゃん)」

 

 いつの間にか姿を消したポッポに、しょんぼりと落ち込むカレンちゃんの頭を慰めようと撫でる。まあ、まだカレンちゃんはトレーナー初心者なんだし、こんな失敗もあるよね。

 

 

 

 ……この時、俺はまだ気付いていなかった。カレンちゃんの心にちょっとした陰りが出来ていたことを。

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