転生したと思いきや……ピチューでした!?   作:瓶詰め蜂蜜

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十三話

 グリーンがオススメする食堂に着くと、グリーンはトンカツ定食を、カレンちゃんはトポのみサラダと生姜焼き定食を注文していた。

 俺はポケモンフーズを与えられ、カレンちゃんの隣でモソモソと食べていた。

 

「あらためて……。おめでとう、カレン。そして、ようこそ。ポケモントレーナーの世界に」

「ありがとうございます」

 

 食事を取りつつ、カレンちゃんはグリーンと話し始める。グリーンがトキワのジムリーダーになった事でなかなかマサラタウンに帰れなくなってしまい、残念に感じている事。ブルーちゃんはカントーリーグでレッドさんに負けてしまった後、ジョウト地方のチャンピオンに就任するワタルさんの後任としてカントー四天王になった事。イエローちゃんはポケモン博士を目指してシンオウ地方のナナカマド博士のもとに弟子入りしに行った事。そして、レッドさんがマサラタウンに里帰りもせずに、カントーチャンピオンの仕事をブルーちゃんに押しつけてシロガネ山で一年の殆どを山籠りしていてレッド死亡説が定期的に流れてしまっていることなどなどを教えてくれた。

 ブルーちゃんやイエローちゃんの活躍やグリーンの愚痴はニコニコと聞いていたカレンちゃんだったが、流石に自身の兄のレッドさん話には「お兄ちゃん……」と呆れてしまっていた。

 まあ、レッドさんなら仕方ない。

 

「アイツ、傍若無人だけど強い上に成し遂げたものがものだからなぁ……。英雄視されてんだよ」

「あー……。私も、お兄ちゃん関連で結構取材されましたし」

「なにせ、最年少&最短記録保持のチャンピオンで、世界的ポケモンマフィアのロケット団を壊滅状態に追い込み、幹部とボスの捕縛に大きく貢献したとかいう英雄様だからな」

「ただのコミュ障なのに、『クールで素敵!』やら『ミステリアスで格好良い!』やら持て囃されてるしなあ」

「家族としては複雑な評ですね……」

 

 グリーンとカレンちゃんは、そこからレッドさんに纏わる愚痴大会へと突入した。

 

「ピチュピチュチュピ……(やれやれだぜ……)」

 

 既に食事を終えた俺は、盛り上がる二人を眺めてそう嘆息した。

 

 

 

_____________________________

 

 

 食事を終え、ジムリーダーとしての仕事に戻るグリーンから「才ある後輩への餞別だ」とげんきのかけらを5つ贈られた。

 げんきのかけらは、この世界ではまあまあ希少な品であるため、カレンちゃんも最初は「流石にこれは受け取れません!?」と遠慮していたのだが、グリーンは押し付けた後、そのままジムへと戻ってしまった為、カレンちゃんはありがたく受け取ることにしたらしい。

 

「けど、やっぱり貰い過ぎだよね……」

 

 その日の夜。トキワシティにある宿屋の一室でカレンちゃんは抱えた俺へそう零す。

 

「ピチュッピピ(そりゃまあね)」

「あ、やっぱりピチューもそう思う?」

 

 こくこくと頷くと、カレンちゃんは同意を得れて嬉しいのか少し表情を明るくする。が、すぐさま困り顔になる。

 

「どうしたら良いかなあ……」

「ピッチュピチュッピ、ピチュチュピチュッピチュ(期待の表れなんだから、その期待に応えればいいよ)」

「……ごめん。何言ってるのか分からないや」

 

 カレンちゃんの言葉にがっくりと項垂れてしまう。まあ、ポケモンですからね、俺。

 

「多分、凄腕トレーナーになればいい的な事を言ってるのかな?」

「ピピチュチュ(大体そう)」

「あ、合ってた」

 

 頷いてみせると、嬉しそうなカレンちゃんにぎゅ〜っと抱きしめられた。カレンちゃんは風呂上がりだからか、フローラルな石鹸と混じった、甘い香りを感じ、少し幸せな気持ちになった。

 やっぱ美少女ってええ香りするんやね。

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