転生したと思いきや……ピチューでした!?   作:瓶詰め蜂蜜

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 今年最後の投稿です。


十四話

 翌日、ニビジムへ挑戦するためにニビシティへ向けて、トキワシティを出発する。

 2番道路を通り抜け、トキワの森に入ると、その鬱蒼とした雰囲気に思わず感嘆してしまう。

 と、そんな時、

 

「ピ、ピチュー……」

「ピッ?(うおっ?)」

 

 不意にカレンちゃんに抱え上げられ、思わず声を漏らす。見上げてみると、薄暗い森に怯えているのか顔色が悪く、猫背気味になっていた。

 

「ピチュピチュ?(大丈夫か?)」

「…………」

 

 あ、駄目だこれ。俺の声が届いてないわ。

 取り敢えず、いつでもカレンちゃんの腕の中から飛び出せるようにしつつ警戒していると、

 

ガサガサ、ポトッ

 

「ぴゅい!?」

「ピッ!?(なに!?)」

 

 近くの木から落ちてきた何かに驚き、そろって奇声を上げてしまった。

 すぐさま飛び出し、カレンちゃんの前に立って茂みを睨む。

 

ガサガサガサッ……

ヒョコッ

 

「キャッ?」

 

 茂みから飛び出てきた大きな頭。円らな瞳と目が合った。

 

「ピチュピー……ピ(キャタピー……か)」

 

 姿を現したのはいもむしポケモンのキャタピーだった。しかし、ゲームとかで見る分には可愛い部類と思っていたが、生で見ると、30cmサイズの芋虫は普通にキモいし怖いな。

 

「なんだ、キャタピーか……」

 

 俺の後ろでホッと胸を撫で下ろすカレンちゃん。まあ、危険度は低い方のポケモンだったからな。これがビードルとかだと危険だったし。

 

「キャピタ……ッ」

「チュッピ……?(おっとぉ……?)」

 

 暫く見てたら、キャタピーの目つきが鋭くなった。ちょっと風向きが変わってきたな……?

 

「キャッピー!!」

「チュピッチュ!?(うおいぃっ!?)」

 

 突然の『いとをはく』攻撃に、咄嗟に足元に落ちていた小石を拾い、『なげつける』。

 投げつけた小石が糸に命中して俺たちに届かずに落ちる。

 

「キャッピィ……!」

「えっ、えっ、なに!?」

「チュチュチュッピ、チュピチュチュ(落ち着いて、バトルだよ)」

 

 苛立ちを隠さないキャタピーを前に戸惑うカレンちゃんへと呼びかける。

 ニュアンスが伝わったのか、「……やるしかないね!」とカレンちゃんも余裕を取り戻す。

 

「キャピー!!」

「ピチュー、『でんこうせっか』!」

 

 『たいあたり』を仕掛けてきたキャタピーを前に、カレンちゃんの指示通り『でんこうせっか』で先手を打つ。

 勢いが余り乗っていない状態の『たいあたり』では俺へダメージを余り与えられず、『でんこうせっか』の攻撃によってキャタピーは弾き飛ばされる。

 

「続けて『でんきショック』!」

「ピッ……ヂュゥー!!(うお……んどりゃあっ!!)」

 

 気合を込めて叫び、『でんきショック』を放つ。

 

「ギュピ……!?」

 

 『でんきショック』によって追い打ちをかけられたキャタピーは、体に焦げ目を残しつつぐったりと倒れる。

 

「よし……、今だ!」

 

 と、ここでカレンちゃんは勢いよくモンスターボールをキャタピーへ向けて投げつける。

 キャタピーへ命中すると、自動で開き、ボール内の装置が作動してキャタピーをボール内のキャプチャーネットで捕獲する。

 ドキドキと緊張しながらボールが揺れるのを見つめていると、三度揺れた後、捕獲成功のサインがボールに表示される。

 

「ぅやったぁっ!!」

「ピッチュー!(いえーい!)」

 

 俺は跳躍してカレンちゃんとハイタッチを決める。パシンッと手を打ち合わせた後、カレンちゃんはキャタピーを捕らえたモンスターボールを拾い上げた。

 

「やったよ、ピチュー!私やったんだ!」

「チュチュッピ、チュッピチュ(良かったなあ、カレンちゃん)」

 

 いまだ喜び、興奮状態のカレンちゃんを微笑ましく見つめ、俺は少しほのぼのとした気持ちになるのだった。

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