俺がカレンの家にやって来てから、早くも三年経った。俺はレッドさんことアカシさんの持つピカチュウに師事し、戦闘訓練を積みながらも、オーキド博士の孫のナナミさんやグリーンことロクロウ君やブルーちゃんことアオイちゃん、イエローちゃんことキナコちゃんといったカレンの幼馴染達とも仲良くなった。
……うん。ガワはポケスペのまんまだけど、みんなただのそっくりさんっぽい。まあ、イエローちゃんは感受性が豊かなのか、何となくポケモンと意思疎通ができていたが。
それはそれとして、今年でレッドさん達は十歳になった。そう。この世界で一応成人扱いされる年齢だ。
それで三日前にこのマサラタウンからレッドさん達が旅立ったからか、カレンちゃんは物凄く寂しがって俺を四六時中離さなかった。
……モテるポケモンはつれぇぜ(キメ顔)。
とまあ、そんなこんなで俺はマサラタウンで元気に過ごしている。と、
「ピチュー!!」
「ピッ!?(うおっ!?)」
窓辺でカッコつけていたらカレンちゃんが勢いよく突撃してきた。何とか踏ん張れたがもう少し体格差を考えて欲しかった。
「ピッピ?ピチュピッチュ?(どしたん?話聞こか?)」
俺を抱きしめるカレンちゃんの頭を撫でつつそんな事を聞く。と、
「あのね、リンちゃんがね……!!」
少し涙ぐみながら話すカレンちゃん。その話を要約すると、森へ探検しに行こうとしたお友達を止めたら、そのうちの一人に「お兄さんは強いのに、カレンちゃんは腰抜けだね!!」と煽られたらしい。
いや、腰抜けとか関係なしに馬鹿じゃね?そのお友達等は。普通子供だけで森に入ったら怒られるぞ?
……え、レッドさん達はどうなんだって?オーキド研究所のポケモンを借りて、元とはいえカントーポケモンリーグ・セキエイ大会のベスト8だったオーキド博士に勝ってるんだよ?自衛できると判断されて特別に許可されてるよ。
「ピッピチュピッチュ、ピピチュピ(間違ってないよ、カレンちゃん)」
よしよしと頭を撫で続けると、落ち着いたのかいつの間にか寝息を立てていた。
こっそりとカレンちゃんから離れようとすると、
「んうぅ……」
ぎゅっと抱きしめられて逃げられなかった。……仕方ない。このまま抱き枕に徹しますかね。
結局俺もウトウトし始めて、カレンちゃんと二人……いや、一人と一匹仲良くお昼寝をするのだった。
そして翌日。
「どうしよう……!みんなが、みんなが帰ってきてないって!!」
と、膨大な量の涙を流しながらカレンちゃんが叫んでいたのだった。