ONEPIECE ロッキーポート事件   作:空き缶_たおたお

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第七話「ヘルメッポとひばり」

「よし!んならココナッツ島に出発だ!」

 

意気揚々な黒ひげに反し、微妙そうな顔するローとコビー

「おいおい、俺たちの目的はハチノスだろ。そんな寄り道してる余裕あんのか?」

 

「そうですよ。ココナッツ島のログポースも無いのに」

 

「ログポースなんか無くても直感でいけるだろ。多分」

 

「そんな無茶な・・・」 

 

「今、俺達に必要なのは信頼おける優秀な航海士だ。そうじゃねぇとまた同じ目に合って海の藻屑だろ。」

 

「しかも、コビーの話じゃ笛一つで海王類も避ける力もあるんだろ?それなら尚更、向かうしかねぇじゃねぇか」

 

「まぁてめぇの言うことにも一理あるが、向かうにはあまりにも情報が少なすぎる」

 

「コビー屋、他に何か聞かなかったか?手かがりになるものなら何でもいい」

 

「えーと後は流桜がなんとか言ってましたような」

 

「流桜?なんだそりゃ」    

 

「流桜?なんか聞いた事があるな。確か、和の国の言葉だっけか?」

 

「本当ですか?黒ひげさん」

 

「酒の席でチラッと聞いただけだから確証はねぇがな」

 

「じゃあ和の国に向かいましょうよ。そこに何かあるかもしれないですし」

 

「和の国にはカイドウがいやがる。」

 

「うーん八方塞がりですね。」

 

「っと誰かくるな」

 

「この気配のようだと敵じゃねぇみてぇだな。おそらく・・・商人船だな」

 

「凄い・・・僕なんて気配の有無しかわかりませんでしたよ」

 

「見聞は一番人によって特徴が分かれるからな。気にする事はねぇさ」

 

「かちあうまで大体5分ぐらいか。おい黒ひげ屋、今から船の中に戻れるか」

 

「船を壊していいなら見つからない所には隠れれるぜ」

 

「仕方ねぇ・・・ROOM!」

 

そう言うとローと黒ひげの姿形が船員に変化する。

 

「まいどー雑貨屋でーす。何か必要なものはお有りで?」

 

「食料を貰えるか。出来れば長持ちする保存食が良い」

「俺はチェリーパイを」

「医療器具や水もお願いします。」

 

「ありがとうございます。しっかしこんな所にこんなでかい船が通るなんて珍しいですね」

 

「色んな観光地を巡る船なんでね」

 

「確かにここはいろんな観光名所がありますからね是非みていってくだせぇ」

 

チラっとコビーの方を見る

 

「海兵の方もいらっしゃるのですね。」

 

「何か問題か?」

 

「ええいや特に深い意味は無いんですがね」

 

「ここはまだ大丈夫なんですがちょいと先に行くと少し安全なルートから離れると例の海賊に出くわすかもしれませんので」

 

「例の海賊?」

 

「倭寇海賊団っていう奴らですよ」

 

「倭寇・・・!?」

 

「ええ、本拠地はハチノスなんで強い海賊はあまりいませんがたまに出くわすんですよ」

 

その言葉に両名驚愕しつつ彼の胸に鳥のようなマークがあった

 

「そのマークもしかして・・・おじさん和の国の方ですか?」

 

「ええ、よくわかりましたね。あっしは元々和の国居たんですがカイドウっていう海賊が和の国を支配しにきた時に逃げてきたんですよ」

 

「はぁ全く和の国に帰れる日がいつくるのやら」

 

「すいません。1つ質問良いですか」

 

「ええ、何でもどうぞ」

 

「ココナッツ島っていう島に聞き覚えがありますか」

 

「ココナッツ島?聞いた事ねぇな・・・」

 

「そうですか」

 

「いや、まった。もしかして流刑地の事かもしれません」

 

「流刑地?」

 

「大昔にあった罰則で扱いに困る罪人は遠い島に流していましてその島を流刑地って呼んでたんですよ。」

 

「この辺で有名な流刑地といや‥‥『西宮』ですかね」

 

「もしかしたらその流刑地の名前が変わったのかもしれねぇなぁ」

 

「おじさん!そこに行くためのエターナルポースなどありますか!」

 

「僕達、どうしてもそこに行きたくて」

 

「まぁあるにはありますが。かなり危険ですよ。海王類もわんさかいますし」

 

「お願いします!」

 

「いやーでもなー」

出し渋る商人を必死に説得するコビーを背にその光景を見つめる2人

 

(どうする?殺すか?)

(今はコビー屋の説得でうまくいくか様子を見てみたい。コビー屋の説得は例の作戦においても重要だしな)

 

(まぁそこは重要かもしれねぇけどよ。うまくいかなかったらどうする?)

(その時は力づくで奪うまでだ)

(俺としては力づくの方が好みなんだがなぁ)

 

「早くしないと人が死ぬかもしれないんです!僕は助けれる人が居れば助けたいんです!だからどうか!」

 

「それは弱い人でも?」

 

「はい!僕は助けなければならないと思ったらどんな人でも助けます。」

 

「まぁ、僕なんてまだまだですが、それでも僕は皆が認める海軍大将になるという夢だけは絶対に諦めませんから」

そんな覚悟のような目つきをしながら笑うコビーに対し商人は一瞬商人の目が鋭くなった。

 

「相容れねぇがもしかしたらこいつが姐さんを終わらせるかもしれねぇな」

小声で何かを呟く

 

「?どうかしましたか?」

 

「いえ!立派な夢だと思いますよ!海軍大将!海軍の憧れですもんね」

 

「いえそれでも」

 

「大将を目指すなら元帥も目指す予定ですかい?」

 

「元帥は現場というより海軍の内部がメインですからどちらかというと僕は現場で活躍したいんですよ」

 

「へーなるほどなぁ。でも現場って辛くないんですか?結構厳しいらしいってお聞きしましたよ」

 

「まぁ非番でも急な呼び出しで休日が消える事もありますが市民の皆さんの安全を守るというやりがいは感じれる職場だと思います。」

 

「流石海兵立派だねぇ」

 

「まぁそれほどでも」

 

「まぁ海賊さえ少なくなれば急な呼び出しとか無くて済むんですけどね・・・ハッ」

流れるように海賊の悪口を言ってしまったのか殺気を感じる。

 

「・・・・」

 

盛り上がる2をじっと睨みつけるローと黒ひげ

その目つきは「さっさとエターナルポースを手に入れろ!はったおすぞ!」と言わんばかりの迫力である。

 

「おっといけねぇや。じゃあ本題の件に戻りましょうかね」

 

「お客様も色々事情がある事はわかりやした。色々と御贔屓にしていただいた分。このエターナルポースはおまけにタダであげますよ」

 

「え!いいんですか!」

 

「はい!こんなおっさんに良くしてくれたんだ。気にせんでくだせぇ」

 

「ありがとうございます!」

 

「で、これが料金代になります。」

 

「げ」

 

その請求書の金額には0の数がまるで無限にあるかのような数がある

 

「締めて10億ベリーになります。」

 

(黒ひげさん、ローさん手持ちは?)

 

(海賊が貯金なんてすると思うか?)

 

(宵越しの銭は持たねぇのが海賊だろうが!)

 

(はぁ‥‥つまり皆さんはスカンピンという事ですね)

 

(まぁ例の作戦が成功できたならお前を英雄にしてやるんだから前金だと思えばいいだろ!ゼハハハハ!)

 

「これでお願いします。」

 

慣れない手つきで胸ポケットを漁り出てきたのは謎の黒いカードだった

 

「そ、それは海軍特別支払カード!」

 

「なんだそりゃ」

 

「海軍が発行した海軍中将以上の地位のみが持てる特別なカードでここに数字を書いてカードを海軍に持っていくと書いた数字分海軍から支給されるんですよ!」

 

「そんな仕組みがあるとはな‥つまり海軍中将を倒しちまえば金が無限に奪えるのか?」

 

「その前に七武海でもない海賊が海軍に居たら捕まちゃいますよ」

 

「まぁ、そんな都合よくはいかねぇか。」

 

「ちなみに七武海になったらある程度の支援金も補助されますよ」

 

「ってかコビー!おめぇ!中将以上の地位なのかよ!?信じられねぇ」

 

「これはガープさんのカードなんです。必要経費はこれを使えって」

 

「・・・」

 

(やはりコビーはガープの関係者で間違いねぇ。なら例の作戦において確実にガープが絡んでくる)

 

(後は手筈通りに倭寇はガープに相手をさせて、後は王直さえ倒せさえすれば俺がハチノスの王になれる!」

 

(全く楽しみだ!ゼハハハハ!)

 

「はぁ、でもこれで3年間以上は無給生活かぁ‥」

何処か遠い目をしている。

 

(全くローはこいつに英雄の素質があるとみていたが俺にはちょっとだけ強いだけの気弱なガキにしかみえねぇな)

 

(まぁ例の作戦もコビーがうまくできなきゃ最悪、ローがオペオペの実で洗脳しちまえば良いって事だから別に良いんだがな)

 

「はい、後は貴方と僕の指紋を着ければはいこれで完成です。交換期限は今から1年の間ですから気をつけてくださいね。」

 

「ありがとうございます!まいどあり!」 

商人は背を向けたと思いきやまた振り返る

 

「ああ、コビーさん!1つ聞き忘れてた事がありました。」

 

「?」 

 

「コビーさんは海軍大将になるのが夢なんですよね」

 

「そうですけど」

 

「なら、コビーさんは海軍大将になって何を成し遂げたいんですか?」

 

「何を・・・」

 

「まぁ、おっさんの一言余計な戯言です。気にしないでくだせぇ」

 

そう言うと商人船は遠くへといった。

 

「・・・」

「夢の果てか・・・」

 

一方その頃、ハチノス行きの潜水艦

 

「おいおいおい、コビー何処にいっちまったんだよぉ」

 

慌てふためくヘルメッポの周りには沈黙のまま動かない強そうな男と女がいる。

 

それらの人の顔はまさに凶悪と言っていいような顔つきであり、実際億超えの懸賞金の顔ぶれが当たり前のよつにいた。

 

その中から一人リーダーらしき大男が皆の前に立つ

 

「今から俺たちは一ヶ月間この潜水艦で過ごす事になる。」

 

「ここでの『約束』(ルール)はただ1つ喧嘩をしない事だ。」

 

「はい?」

相手に聞こえないよう小さな声でヘルメッポは呟いた

 

「これを破るものは即刻海の藻屑になってもらうので覚悟しろ」

 

「・・・」

誰も声を発さないまま無言で頷く

 

「以上だ解散」

 

(おいおい、こんなルールなんて言葉が頭の辞書にのってなさそうなヤバそうな海賊共が素直にアイツの言うことを聞くだと!?どういう冗談だ。おい!)

 

そそくさと連れられ、部屋を案内される。

そこにはさっきのリーダーらしき男がいた。

 

「お前が俺の同居人か」

 

「み、短い時間ですがよろしくお願いします。」

 

「ああ」

 

その後、長い沈黙が続く

 

「あのーすいません」

 

「・・・何だ」

 

「眼鏡を頭にかけた海賊みかけませんでしたかねぇ」

 

「知らん」

 

「そうですよねぇ・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

(コビー!!こいつとハチノスに着くまで同じ寝床に寝ねえといけねぇのつれーよぉー!!)

 

「ちょっと散歩に行ってきますね」

 

「立ち入り禁止区域には入るなよ。『約束』を違える事になるからな」

 

「あ、はい。肝に銘じておきます。」

 

その後、部屋の外に出ると何やら声が聞こえる

 

「や、やめてつかぁさい!」

 

「良いだろ。俺の部屋にこいよ!俺の女にしてやるからよぉ!」

 

「い、嫌です!ウチには心に決めた人がいるんです!」

 

「何時まで清楚ぶってんだが!」

 

ワンピースの服を着た女性を押さえつける2人の男女

その光景はどう見ても一般人を襲う海賊の光景にしか見えない

 

「・・・」

 

相手はどうみても自分より遥かに強そうな海賊たち

覇気を習得して間も無い彼としてはここで面倒事に巻き込まれたくない気持ちで一杯だった。

 

「さっさとずらかろう」

 

来た道を戻ろうと振り返った時、ふと脳裏にコビーの姿が現れる

 

それはガープとの修行をしていた時の最終日の夜であった

 

「いててて、ったくガープさんも毎回無茶な事してくれるぜ」

 

「最初は僕も死ぬんじゃないかって思ってましたよ。」

 

「よく言うぜ今じゃ当たり前のようにピンピンしてるくせによ」

 

「いやー慣れって怖いですね」

 

「あの修行を慣れてるで済ます時点で十分お前は強くなったよ」

 

「そうですかね。」

 

「それに比べて俺なんてやっと覇気がたまに使える程度だよ」

「全く、これで本当に強くなったのかねぇ」

 

「ヘルメッポさんは十分強くなりましたよ。覇気なんて大抵の人は習得できないんですから」

 

少しの沈黙の後、またコビーが口を開く

 

「・・・今日が最後なんですよね」

 

「ああ、そうだな。その後は二週間後には最テストの潜入任務が始まるって訳だ。」

 

「全く今から武者震いがするぜ」

 

「すいません。巻き込んでしまって」

 

「おいおい、俺が巻き込まれたって本気で思ってるなら思い違いだぜ?」

 

「俺は俺の夢をかなえるために強くなろうって思っただけだ。」

 

「ヘルメッポさん・・・」

 

「まぁ、コビーの夢よりかはちっぽけな夢だろうがさ」

 

「夢に上も下もありませんよ。ヘルメッポさんの夢はヘルメッポさんにしか叶えられない世界で1つしかない夢です。」

 

「だから自分の夢を自分で貶すような事はしないでください」

 

「コビー・・・!そうだな・・・そうだよな…!俺にしか叶えられないよな俺の夢は・・・!」

 

自傷気味のようなセリフを真っすぐ返され、ヘルメッポは何か溜まっていたものを吐き出す

 

「今まで言えなかったけどよ・・・本当にありがとうなコビー!俺に夢を持たせてくれて!」

 

「僕、ヘルメッポさんに何かしましたっけ?」

 

「親父に人質になった事あったろ。あの時、俺はさ親父と一緒に逃げるつもりだったんだ」

 

「えぇ!?」

 

「なりゆきで海兵になっちまった訳だし甘い汁も吸えなくなっちまったからな。いつか機を見て逃げちまおうって思ってたんだ。」

 

「でもよ、お前が必死に俺を助ける姿をみてたらよ。目が覚めたんだ」

 

「俺はこんなにも恵まれてんのによ環境や誰かのせいにしながら誰かの力に縋って生きていって自分で何も決めずにダラダラと生きていきたくねぇって思ったらつい親父に『親父なんてもう怖くない!なぜなら俺は親父を超えて俺の力だけで親父を捕まえてやるからだ!』って言っちまってよ。」

 

「でも言ったらなんだが自分の何かが変わってた気がして気がついた自分の絶対に叶えたい夢(決意)になっちまってた。」

 

「感謝してもしきれねぇよ」

 

「そんな事思ってたなんて」

 

「俺の人生を変えてくれたんだ。だからコビー、俺はお前の言う事何でも聞いてやる。だから遠慮せず何でもいってくれ!」

 

「困りますよ・・・急にそんな事言われても」

 

「なぁ、頼む何でもいってくれ!」

 

「うーん、あ!それなら」

 

「なんだコビー!何か欲しいものでもあるのか?」

 

「いえ、僕は友達に命令なんかしませんけど1つだけお願いがあります」

 

「自分の夢を真っすぐに向き合って決して諦めない事!」

 

「ええ!?そんな事で良いのかよ!」

 

「あと友達は対等なので今後そんな事を言わない事。僕は執事が欲しくてヘルメッポさんと友達になったわけでじゃありませんから」

 

「まーそこまで言うなら・・・よし!俺も男だ!誓う!その約束絶対に守ってやる!」

 

「絶対ですよ!」

 

そしてその過去の光景は真っ白となり現在へと至る

 

「自分の夢を真っすぐに向き合う、か」

 

「ここで逃げてちゃ駄目だよな」

 

向きを彼らの方へと再回転する。

 

「おい、てめぇら離してやれ」

 

「あ?なんだ?てめぇ?変なサングラスかけやがやっててめーには関係ねぇだろ」

 

「いや、おおありだ。」

 

「ソイツは俺の・・・いや、友達の大切なツレだ。」

恥ずくてとっさにコビーのツレにしちまった。

まぁコビーもこんな綺麗な女のツレなら本望だろう

 

「は?海賊が友達?笑わせんじゃねーよ!」

 

「良いか?本物の海賊ってのはな!ダチなんて平気で裏切るぐらいの悪の事を言うんだよ!」

 

「随分と小物な真の海賊だなそりゃ」

 

「てめぇ言われておけば!」 

 

「やっちゃってよ!アンタ!」

 

男の硬化した拳がヘルメッポを襲う。

しかし、その拳はヘルメッポの身体が貫通していたかのようにするりと抜ける

 

「あ、あたらねぇ!」

 

「おめぇ覇気に頼りすぎて基礎がなってねぇよ」

 

男の背後を取り、肩を叩く

 

「覇気だけ習得だけしてそれ以外は疎か。俺もこういう風になってたかもしれないと思うと恐ろしいねぇ」

 

「全然攻撃してこねぇ奴が偉そうに!」

 

拳を連続に左右に振るがやはり当たらない

 

「イライラするぜぇ!てめぇ!早く攻撃してこいよ!」

 

(そろそろだな)

 

チラッと目を横に向け、足音を数回無らした。

その隙に男の攻撃はヘルメッポの顔面に当たり近くの部屋の扉にぶつかった。 

 

「よっしゃ!ヒット!ザマァ見ろ!」

吹っ飛ぶヘルメッポを笑う2人、しかしその表情は直ぐに強張った。

「殺気───!」

 

「俺が言ったこと忘れたか?それとも忘れてもいいほどの『約束』とでも?」   

 

男の背後には船のリーダーが居た。

 

「な──!」

 

彼の人差し指を男の頚椎部分を押し当てた瞬間、男は気絶した

 

「ひぃ!」

 

男のツレである女は逃げるようにその場から逃げたが、まるで元からいたかのように女の前に立ち塞がる。

 

「俺は言ったはずだ。喧嘩をするな、面倒事を起こすなっと」

 

「お前はそんな『約束』を守らなかった。お前ら2人は処刑だ。」

 

「な、なんで私は何もしてない!」

 

「お前は喧嘩の種を作った元凶だ。俺の能力で全て知っている。」

 

「お前らの会話全てな」

 

「私が直接手は出してない!悪いのはアイツとこいつかでしょ!」

 

ヘルメッポに指を差し責任を押し付ける。

 

リーダーはため息をつきながら呟く

 

「良いかよく聞け」

 

「約束を守った守らないは俺が決める。お前が決める事じゃない」

 

「そんな横暴な!」

 

「『約束』の内容は船に乗る前に決めたはずだ。この書類にな」

大量の文字の中に赤い丸をついている。

そこには『約束を守ったかどうかは作成者に委ねる』と書いてあった。

 

「ふざけんじゃねぇ!んなもんわざわざ見るわけねぇだろ!ぶっこ──」

 

女の顔の前に掌をだし、猫だましのように叩いてた。

 

そして魔法のように気絶した。

 

「男はそのへんの海に捨てろ。必要ないからな」

 

「この女はどうします?」

気づけば彼の周りには人が数人居た。

 

「こいつはまだ利用価値がある。残しておけ、利用価値が無くなれば奴隷にしろ」

 

「はっ」

 

そう言うと彼の周囲の人間と男女は消え失せた。

 

「お前、知恵が多少は利くな。まさかこの船に難信号の合図を出すとは思わなかったぞ」

 

約束の書類の中には足音を4回連続で鳴らせば緊急の合図であると記載されていた。

 

「何、暇なもんでね。」

 

「しかし、身体はまだまだだな。わざと受けたとは言えあんな攻撃で顔が赤くなっている。」

 

「これも演出さ。そうじゃねぇと俺も『面倒事』になっちまうからさ」

 

「まぁ、そういう事にしよう。」

 

「でだ。あいつら等は居なくなって部屋が空いたんだ。俺は友人のツレと同じ部屋にしてくれ」

 

「構わんが、くれぐれも俺の船で『面倒事』はしないようにな」

 

「肝と頭に覚えておくよ。」

 

「嬢ちゃんもそれで良いよな?」

 

「え?あ、はい。」

 

「では鍵を渡しておこう」

 

部屋の鍵を渡され、移動する2人

そこにはぎこちない距離感があった。

 

「あ、あの〜」

 

「んなんだ?」

 

「何で私を」

 

「まぁそれは部屋に入ってから話そうぜ」

 

「わ、わかりました。」

 

このとき、ヘルメッポはこう思っていた。

 

 

(やべぇーあいつ等!マジでやべぇー!!!全然動きが見えなかった!)

 

(自分よりかは強いとは思ってたけどここまでなんて聞いてねぇぞ!)

 

(コビー!早く助けてくれぇ〜!!!)

 

一般人がいる手前、冷静な表情をしつつ内面、焦りと不安で一杯のまま部屋に入る。

 

「んじゃあまずはここに座りな」

 

そう言った後、そっとヘルメッポがノートのような紙を机に置き、にペンで文字を書く。

 

(今、この部屋はあのリーダーに盗聴されている。会話をするならこの紙に書け)

 

動揺を隠せない女は震えながらペンを書く

 

(な、なんでそんな事が!そもそも貴方は何者なんですけぇ!)

 

(俺はこの船に潜入した海兵のヘルメッポっつうもんだ。もう一人この潜水艦に海兵がくるはずだったんだが、何かの手違いでいやがらねぇ)

 

(!?もしかしてそのもう一人ってコビーさん!?)

 

(コビーを知っているのか!?)

 

(はい、ウチが港町で海賊に絡まれてるのを助けてくれたんですけぇ)

 

(アンタいつも海賊に絡まれてんな)

 

(すいません・・・)

 

「やっぱり遺伝なのかなぁ」

 

小さい彼女の独り言を無視してヘルメッポは本題に入る。

 

(要するにアンタはコビーのチケットを入れ違いで持ってきてしまったっと)

 

(はい、そうです。本来であればロッキー王国経由で実家に帰るはずだったんですが)

 

(なるほどな、ならコビーは今頃ロッキー王国ってなるな。)

海賊島に行くのはするのは俺一人、そして一般人の女性も安全に逃さなきゃならねぇ

 

流石にこんなイレギュラーだらけで海賊島の潜入は厳しいな。海賊島についたらさっさと緊急でんでん虫呼んで逃げた方が賢明だなこりゃ

 

(アンタ、名前は?)

 

(ひばりって言います。)

 

(そうか、んならひばりちゃんはこのデカいベッドに寝な。俺はこっちで寝る。もし、男と同じ部屋が嫌なら俺は扉の前で寝るから安心しな)

 

部屋には二段ベッドがあり、ヘルメッポは上のベッドに横たわる。

 

「あのー」

 

「ん?どうかしたか?」

ひばりはノートに素早く文字を書く

 

(どうしてこの部屋が盗聴されてるってわかってたのですけぇ?)

 

「あーあれね」

 

(あの大男が女に言ってただろ?全ての会話は知っているって)

 

(たまたま知ってたかもしれねぇがこれが本当なら全ての部屋の会話は筒抜けって訳だ。)

 

(でもそれなら、監視用でんでん虫の可能性もありませんか?)

 

(1つの監視用でんでん虫でも調整が難しいのにこんな潜水艦でしかも大量のでんでん虫をずっと維持するなんてほぼ不可能だ。)

 

(なるほどじゃあ後は・・・)

 

(後残る可能性といやぁ悪魔の実か覇気ぐれえだが悪魔の実でんな能力聞いた事ねぇし物体越しで視認できる覇気なんて指で数えるぐらいしかいねぇよ)

 

 

(まぁ消去法で音を確認できるっていう結論に行き着いたってわけよ)

 

(凄い!これが海兵なんですね。私もそんな海兵になりたいですけぇ!)

 

(ん?ひばりちゃんは海兵になりたいのかい?)

 

(はい!父には反対されてるんですがでもどうしても父のような立派な海兵になりたいです!)

 

[父親か海兵か・・・]

 

彼女の姿を見て、自分の父親であるモーガンをふと思い出し、彼女を自分と重ねる。

 

(奇遇だな。俺の親父も海兵なんだよ)

 

(え?そうなんですか?)

 

(まぁひばりちゃんのお父さんとは違ってひでー奴で今じゃ海軍に追われる身なんだけどな)

 

(そんな親父でもとんでもねぇくらい強くてさ、俺はそんな親父のような強い海兵になりてぇんだ。)

 

(んで親父を俺の力だけで捕まえてこう言って笑ってやるんだ『どうだ。親父、俺は俺だけの力だけで親父を超えてやったぞ』ってな)  

 

(す、すごい)

 

(ちょっと自分語りが長くなかったな。すまんすまん)

 

(そういや、ひばりちゃんのお父さんはどうなんだ?やっぱ怖いか?)

 

(ええ、かなり怖いです。頑固者ですぐに怒るし)

 

(なんというか厳格な父親って感じか)

 

(でも良い所もあるんですよ。母や私の事を滅茶苦茶気にかけてくれるし)

 

(ただ、行き過ぎたな正義のせいで極端な行動を取ってしまうんですけぇ)

 

(行き過ぎた正義、か)

 

(母が言うには昔はあそこまでひどい人じゃなかったらしいんです)

 

(あの事件が起きるまでは)

 

(あの革命家ドラゴンが引き起こした最悪の大事件『悪魔の実事件』です。)

 

(あの事件か)

 

歴史の教科書にすら残る大事件。

その事件の内容は聖地マリージョアで天竜人によって管理されていた悪魔の実を世に解き放ったとされる

 

それは当時海兵であり海軍大将でもあった革命家ドラゴンが聖地マリージョアに乗り込みどうやったかは不明だがある樹木を焼き払う事によって悪魔の実は世界中の果物に宿ったとされる。

 

この大事件は世界政府に多大な混乱を招き、フィッシャータイガーが引き起こした聖地マリージョア襲撃事件の成功の裏付けになったのではないかと根の葉も無い噂が立てられるほど世界政府に大打撃を与えた。

 

(なるほど読めたぜ。ひばりちゃんのお父さんはあの事件の生き残りって事か)

 

 

この事件の落とし前として世界政府は海軍にその事件に関わった可能性がある海兵はインペルダウンに投獄もしくは天竜人の奴隷として多くの人間が処罰されたという

 

 

(あの事件に関わっちまうなんてひばりちゃんのお父さんも気の毒だな。そりゃ性格も歪む)

 

「・・・」  

 

ひばりは無言のまま、何も言わない。

 

 

(ごめんひばりちゃん、余計な事思い出させちまったよな)

 

 

(いえ、ヘルメッポさんはただ話を聞いてくれただけですけぇ)

 

(・・・よし!ウチ決めました!)

 

(決めたって何を)

 

(ウチもお父さんを超える海兵にですよ。それがウチの夢の1つになりました!)

 

(おいおい、急だな)

 

(ヘルメッポさんに影響されたのもありますがこれはウチが決めた事ですけぇ、最初はかっこいい海兵になるっていう漠然として夢でしたがかっこいい海兵になるにはお父さんくらいは超えないといけないですから!)

 

(海兵かぁ~色々ときついぜ。命の危険だってあるし)

 

(覚悟の上です!)

 

(まぁ人の夢にケチなんてつけるのは野暮ってもんだから止めねぇけどよ。俺の話を聞く前から海兵になろうとしていたし)

 

(あ、それで思い出した。コビーさんの事なんですけど)

 

(んあコビーの事?)

 

(コビーさんは今誰か付き合ってる人っているんですか?)

 

「ブブー」

 

驚愕のはあまり吹き出すヘルメッポ

 

(大丈夫ですけぇヘルメッポさん!)

 

 

(いや大丈夫だ)

 

(ま、まぁ俺が知る限りは今の所、コビーと付き合ってる奴はいねぇけどよ)

 

(ほ、ほんとですけぇ!)

 

(や、やっぱりひばりちゃん。コビーの事が好き?)

 

(・・・はい)

(そ、そうか)

 

[うおおおお憎い!初めてコビーが憎い!

コビーと俺は一生女に縁が無いと思っていたのに!

いつの間にか先を越されちまった!

潜入任務を終えた後、必ず八つ裂きにしてやるからなコビー!]

 

そんな嫉妬の感情を抑えつつある疑問が浮かび上がる

 

 

(しかし話が見えねぇな。どうしてコビーの話とひばりちゃんの夢が繋がるんだ?)

 

(最初はウチ、海兵になろうか迷ってたんです。お父さんに海兵になる事を大反対されて家出して色々と考えていくうちに本当にこの道が正しいのか。そこまでの覚悟があるのかウチ分からなくなって)

 

(でも、コビーさんに助けてもらった時、ウチやっぱり海兵になりたいって思えるようになったんです)

 

(だからコビーさんはウチの人生を変えてくれた大事な恩人です!)

 

話を聞いてヘルメッポもコビーとの出会いを思い出す

 

(なるほどな。確かに俺もコビーと出会って夢ができちまったからなぁ)

 

(俺は応援してるぜ。ひばりちゃんの恋)

 

(はいウチ頑張りますけぇ!)

 

 

(んじゃあさっさと寝よう。ハチノスに着くまで英気を養わねぇとな)

 

(わかりました!ではおやすみなさい!)

 

そういうとすぐに眠りに付くひばり

 

「寝るのはや!というか俺が言うのもあれだが警戒心とかもうちょっと持った方が・・・」

 

ひばりちゃんに言っても何も返事がない。おそらく本当に寝ているのだろう

ヘルメッポはペンを置き、ペットの上に座る

 

 

「まぁいいや俺も準備が出来たら寝ちまうか」

 

 

(そういや、ひばりちゃんのこの訛りどこかで聞いたような・・・?まさか、ひばりちゃんの父親がサカズキ大将・・・?)

 

頭の中でひばりちゃんとサカズキの顔が並ぶ

 

「いやそんな訳ねぇか!」

 

そんな邪念を払いつつヘルメッポも眠りについた。

 

2か月後に始まるであろうロッキーポート事件に備えて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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