転移したらクソ強い奴らがめっちゃいた件 byベジット   作:天下無敵の肩こり

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女の人ってドラゴンボールほとんど知らない印象(ド偏見)


第9話 人類最強

 

第9話 人類最強

 

なんやかんやでテンペストの地球と似たような雰囲気と、まだまだ力を隠しているとは言え自分と勝負が成立するほどの強者と簡単に巡り会える環境が気に入ったベジット。

時々リムルやヴェルドラ、そして最初に臆することなく自分に挑んだ原初の黒(ノワール)…ディアブロと語り合い(時には拳で)ながら、飽くることの無い日々を過ごしていた。

特に自分より遥かに長き時を生きながら、その年月の全てを己を高めることに費やしてきたディアブロ。

彼にはベジットも学ぶ事は多かったようで、最近はしょっちゅう会話するようになっていた。

 

「貴方はどうやらまだまだ力の扱いに慣れていないようですね。先のヴェルドラ様との闘いについても拝見させていただきましたが…あの姿、かなりの負担を強いているのでしょう?」

「まぁそうだな…超サイヤ人って言うんだが、ありゃあ魂を擦り減らすみたいな苦痛が伴うんだ。サイヤ人ってのは逆境にこそ奮い立つ種族なもんでよ。それで軽い興奮状態になって凶暴性も増すんだな」

「ふむ…まずは力と精神のバランスを取ることを目標としては如何でしょう。つい最近まで肉体の殻に縛られていた貴方にとって力だけが先行している今の状態は、不均衡が過ぎます。」

「バランスかあ…俺なりに気を付けていたつもりなんだが、お前からしたらまだまだ甘かったらしい」

「貴方のここに来るまでのことは存じ上げませんが、私にとっては精神生命体に成り立ての者など赤子同然のようなもの。…ただそれ故か、その成長速度には日々驚かされていますがね」

「ふん、言ってくれるぜ」

 

という感じで、この世界に来てから更に力を増したベジットの強さに、磨きをかけていたのが、戦闘において比類無き技術を持つディアブロだったのだ。

(それにしても、私をして末恐ろしいモノを感じるとは…この原石は、本当に磨き甲斐のある。元人間であるという点も、実に素晴らしい。やはり人間とは常に新しい発見を齎すもの。面白いものだ)

ディアブロもまた、今までに類を見ない可能性の塊に、興味が尽きないようだった。

 

そうして会話をしながら組手を行う2人の耳に、銀鈴の如き朗らかな声が聞こえてきた。

 

「おーい、ふたりともー!」

「これはこれは、リムル様。本日はお日柄もよろしく…」

「あーはいはい、いいからいいから。てかディアブロ、お前前に頼んでた例の調整の件は…」

「既に終わらせております。が、そうですね…再三の確認を怠るわけには行きませんし、もう一度不備がないか見て参ります。」

「お、おう…」

「それではリムル様。失礼致します。本日も健やかにお過ごしくださいませ」

てっきりいつものようにリムルにストーキングを開始するかと思いきや、突如身を翻したディアブロ。その若干の情緒不安定さに引き気味になりながら、リムルは去っていくその背中を呆然と見送った。

途中、ベジットとすれ違いざまに、聞こえるか聞こえないかほどの絶妙な声で独り言のように呟いた。

「貴方にとっていい刺激になる存在が来ているようです…私からすればその者も赤子以下のものですが、今の貴方にとっては得るものもあるでしょう。同じ元人間として、ね」

「ふむ、それでか。分かった。今日もありがとな」

紳士然としたその悪魔は、ベジットの礼に軽く片手を上げてその場を後にした。

 

「へっ、全く年寄りのクセにキザな奴だ。嫌いじゃねーがな」

「で、リムル。お前がわざわざ来たってことは俺に何か用があるんだろ?あいつは察していたようだが」

「あ、ああうん。ちょっとね」

「ふむ…特段強い気は感じんが、この世界にはどうも力以外のレベルが高いやつが多いようだからな。」

「はは…まぁあんたからしたらどんな人間もそんなもんだよ。今日はお忍びで2人ほど来てもらってるから、会ってみてくれないかな」

「ふん…またぞろ、俺を知っている奴だろうな あんまりチョロチョロはさせないでくれよ」

「まあ片方は知らないと思うから多分大丈夫だと思うけど…」

 

こうしてベジットは、人類社会において最強と目される聖人、坂口日向(ヒナタ・サカグチ)と 同じく人類社会において多大なる影響力を持つ偉人、神楽坂優樹(ユウキ・カグラザカ)の2名と出会うことになった。

 

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お忍びということで、適当な喫茶店で待ち合わせをすることになった。

私服姿で席に座っていた2人に、ベジットは鋭い眼光を飛ばす。

「ッ!」

「おっと」

品定めのような不躾な視線に、奥の方に座っていた女のほうが苛烈な反応を見せる。

「すまんすまん、俺に会うってんだからどんな奴かなと思っただけだ、悪かった」

「野蛮とは聞いていたけど、これ程とはね」

皮肉だろうか、視線だけでは飽き足らず毒を吐く女に、ベジットは楽しそうに笑う。

「はっは、ここまで気の強い奴はブルマ以来だぜ」

一方、何も反応のなかった隣の少年に目を向けると、何やら目を輝かせながら震えていた。

「お…おい、どうした」

「べ…べ…」

「べ?」

「ベジッ!むぐっ!」

期せずして叫びそうだった口を色々と察したリムルが塞ぐ。

「分かるぞ…分かるけど、な?騒いだらまずいから!落ち着いてくれ…!」

「個性の強い奴らだぜ全く」

「貴方がそれを言うの?」

 

やはり静かに始まるわけもなく。しかしこれもアイスブレイクの一つの形といえばそうかもしれない。

そんな感じのやり取りがあった後、各々の自己紹介があり、ユウキに関してはベジットの大ファンであるということも明かされた。

「…お前が俺のことを好きってのは分かったが…」

「こうもジロジロ見られるとなぁ…」

「はぁ、ある程度は予想してたけど全くユウキは役立たずね」

「なっ!酷いじゃないかヒナタ、子供の頃からの憧れがここにこうして眼の前に居るんだよ!?これが平静で居られるかってもんだぜ」

「…もうそういうのは良いから、とっとと本題に入るわよ」

厄介オタクのノリにはついていけないとばかりに、ヒナタが切り出した。

「そういえばさっきもチラと聞いたが、あんた方は俺に確認したいことがあるんだってな」

「ええ。まぁユウキは自由組合代表ってことでおまけ程度なものだけど、私としては上からも正式に確認を取ってこいと言われたものでね」

「ヒナタ、君はいちいち僕を貶さないと気が済まないのかい?」

茶々を入れるユウキを無視して、単刀直入に告げる。

「貴方は人類社会に敵対するつもりは有るのかな?」

「?…なんだそれ、俺が人類に敵対するだと?何を言ってやがる、そもそも俺は元々人間だぞ」

「それを聞いて安心したわ。私の用件はこれで終わり」

「ー。俺は神殺しの業を背負っている」

「ーッ!?」

気が緩んだ瞬間に突然の爆弾発言をかまされ、さしものヒナタも、一息つこうと口に含んだ紅茶を吹き出しそうになった。

「んんっ…!それは、一体どういう意味?」

どうにか嚥下し、その真意を問い質す。

「リムル」

「ああ、分かってる」

ベジットの指示に、言われるまでもないとリムルが防諜の仕掛けを施した。

「お前達が神を信仰していることも、その神が実在するってのも事の成り行きで聞いちまったもんでな。これだけ言っておこうと思ったんだ」

「俺はかつて、歪んだ正義を振りかざし、他人を信じず自己の陶酔のために理想の世界を作ろうとした神を滅ぼしたことがある。他を思いやれない神など、不要だと思ったからだ。俺は何ら悔いていないし、間違ったことをしたとは思っていない。」

「だからこそ言う。お前達の信じているものが正しいからこそ、今の安寧があるのだろう。どんな形であろうと、弱者が守られている社会に、俺は悪を感じない。」

「…ありがとう。きっとルミナス様もお喜びになられるわ」

「ヴェルドラからは、さんざんな言われようだったがな。一度会ってみたいもんだぜ」

「暴風竜と仲が良いってことは伏せておいたほうがいいと思うけど…」

「だな」

 

そんなこんなで最終的には打ち解け、日が下がり始めた頃にお開きということになった。

ユウキに関しては、ベジットが組合にとって危険な存在ではないと断言したどころか、全面的に協力することを約束したぐらいだ。

リムルもご満悦な様子で自分の庵へと帰って行った。

 

さて帰るかとベジットもその場を後にしようとした時。

冷たい風が吹き、甲高い金属音が鳴り響いた。

 

「…やっぱりな。お前はこうしないと納得できないタイプだと思ってた」

白刃を閃かせベジットを襲ったのは、先程別れを告げたばかりの人類最強、ヒナタ・サカグチであった。

「貴方の言う通り、私は口だけでは納得できないの。悪いけど少しだけ付き合ってもらえるかしら。」

「いいぜ。今日はこの後どうせ暇なんだ。

ー遊んでやるよ」

 

ー人類最強と宇宙最強、余りにもスケールの違う最強同士の遊戯が、幕を開けたー




無敵より最強のほうが好きかも(小並感)
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