転移したらクソ強い奴らがめっちゃいた件 byベジット 作:天下無敵の肩こり
まあ話としては導入ですけど
第1話 時空嵐
未来の命運を賭けた戦いは、最強の合体と不死身の合体、両雄の激突によって決着を見ようとしていた。
「その目に焼き付けておくんだな」
「これがベジットの真の力だ!」
叩きのめされ追い詰められたザマスを前にして、ベジットは声高に叫ぶ。
「ぐ…お…」
限界まで痛めつけられた肉体は、人間と神の細胞の齟齬を抑え込めず 既に制御不能となっていた。
空間が軋む音が響き渡り、唸りを上げる。
合体と、それに続く超サイヤ人ブルーへの変身によって培われた膨大なエネルギーが稲妻となって渦を巻き、収束…
そして遂には邪を滅する蒼き極光となって放たれた。
「ファイナル…かめはめ波ーっ!!!!」
炸裂、瞬時に引き起こされる圧壊、閃光…
そして怒涛のように押し寄せる衝撃波が、星を揺らした。
当然、モロに直撃を受けたものは言うまでもなく。周囲に残存していた瓦礫や建物も超極大のエネルギーの奔流を受けた瞬間に消滅した。
世界への影響を考慮しギリギリにまで範囲を絞って放たれたベジット最強の奥義は、急速に加速…光となって宇宙の彼方へ消えていった。
今や閃光と共に無へと帰した旧敵。
敬意を込めて手向けの言葉を放った後、勝利の余韻に浸る暇も与えぬ間に、異変は起こった。
「なんだ…?」
既に脅威は去った。それは間違いない…だが、ベジットの神憑りな感知能力に僅かに引っかかった「ソレ」は、急速に気配を拡大し 数分後には目視でも確認できる巨大な嵐となって荒廃した未来世界を襲った。
「父さん!悟空さん!」
「トランクス!来るな!」
戦いの終わりを悟り、父達の無事を確認しに来たトランクスが見たものは、巨大なエネルギー嵐を即席で作った気の檻で抑え込んでいる見覚えのない戦士だった。
突如静止の声をかけられたトランクスは、瞠目する。
しかしそこは流石に戦闘民族、感じられる気と威圧感から直ぐに父と孫悟空の合体であることに気付く。
「えっと…」
「呼び名で詰まってる暇は無いぞ。ちなみに俺のことはベジットでいい。ベジータとカカロットの合体なんでな。」
「は、はい」
思わずたじろいだトランクスを前に、ベジットは鋭い目を向ける。
「で、だ。コイツなんだが…、こうしている間にもドンドンデカくなってきていやがる」
「正直言ってこのままじゃそのうち抑え込めなくなる…そこでお前に言っておきたいことがあってな」
「俺がアレの中に入る。感じられる気からして、恐らく別の世界に繋がってるらしいからな…そこへの扉を俺が閉じてくれば、問題無く収まるハズだ。」
ベジットから伝えられたそれは、とても承服出来るものではなかった。
「いけません!それでは父さんたちがどうなるか…」
「トランクス」
「…ッ!」
本当は、分かっていたことだ。
自分が何のために過去に行き、情けない姿を晒してまで再び助けを求めたのか。
「お前は何のために戦っていた?まさか忘れたわけじゃあないだろう」
「それは…!」
「ガキのクセに生意気に心配するんじゃない。俺は必ず戻ってくる…ってベジータなら言ったんだろうな」
「…」
「もう分かっただろ。何にせよ、ココを守るにはそれしかない。」
「お前になら後始末も任せられる。頼んだぞ、トランクス」
最後まで父に背中を押されたことを深く悔いながら、トランクスは頷いた。
「…分かりました 後のことはオレに任せてください」
「父さんたちが救ってくれた未来を、オレは必ず守り切ります…!」
「全く堅っ苦しいヤツだなお前は…おっと。そういや忘れてた…」
「チチとブルマにゃ…その、なんだ… まぁそのうち戻って来るから気にすんなって言っといてくれ」
…。
「…説教されるぐらいは覚悟しといたほうがいいと思いますよ…」
「かぁ〜毎回毎回勘弁してもらいたいもんだぜ…ふふ」
「じゃあな、トランクス」
照れくさそうにした父の顔が一瞬見えたような気がしたのは、気のせいだろうか。
声が聞こえた後、瞬きもしないうちに光の渦に飲み込まれていくその姿を見送りながら、トランクスはふと考えたのであった。
次話まで少し時間置きます
転スラ見返そう