「‥‥‥うぅん?‥‥んあ?」
漂ってくる妙な匂いで俺は目を覚ました。
ここは何処なのだろうか?確かに俺はあの時ネモに倒された筈だ。
「あ、目を覚ましましたね。委員長と先生に報告しなければ」
恐らく俺を診ていたであろう少女が誰かの名を呼んで何処かへ行ってしまった。
それにしても見たことがない服をしてたし、頭の輪は一体何なんだ?新手の強化人間ってやつか?
「重力があるってことは、ここは地球か‥‥」
俺はエゥーゴやジオン残党との戦いのためにかなりの月日を宇宙で過ごしていた。
最後に地球に居たのはいつだったか忘れたくらいには。
”あ!目を覚ましたんだね!”
「‥‥‥」
「アンタ達は‥‥‥」
暫くするとさっきの少女と共に、輪と羽がある子と、今度は輪も無い普通?の大人の男が来ていた。
”シャーレの先生です!”
「氷室セナです」
「空崎ヒナよ。やっぱり、見たことない人ね。突然で悪いけど所属を教えてもらえるかしら?」
「あ、ああ。地球連邦軍ティターンズ所属のサガキ・レンだ」
言われた通りに自己紹介をすると皆、怪訝な顔で俺を見る。
少しして、先生が口を開いた。
”地球連邦軍‥‥ティターンズ‥‥聞いたことがないね”
「っ!?」
その言葉は俺にとっては信じられなかった。
「嘘だろっ!?ティターンズ、ましてや地球連邦軍を知らない人間なんていない筈だ!!」
「残念ながら嘘じゃないわ、キヴォトスにそんな組織存在しないもの」
未だに信じられない俺に空崎ヒナは「キヴォトス」にそんな組織は無いと言った。
‥‥ん?キヴォトス??
「なぁ、さっきから思ってたんだが、なんで頭に輪っかがあったり、羽があるんだ?それにキヴォトスってなんだ?」
「‥‥‥??」
「‥‥‥やっぱり先生の予想はあってるらしいわね」
”あはは‥‥そうだね”
俺の質問に対して、それぞれ反応はしたがどれも「信じられない」と思っているかのような反応だった。
”ええと、サガキ君でいいのかな?”
「‥ん?俺は今28だぞ?君付けされる様な年じゃないと思うが」
先生が何か説明をしようとしたが、君付けされたことが気になってつい言ってしまった。
すると、また空崎はため息をして鏡を取り出した。
「‥‥‥‥これを」
「ん?鏡なんか見て‥‥‥‥!?」
鏡を見ると、16歳頃の子どもが見えた。
これが俺だって言うのか!?しかも空崎や氷室が持っている輪もある!?
”えっと、驚いてる所悪いんだけど、言っちゃうね?”
「わ、分かった」
”単刀直入に言うと、私は、君が異世界から来た人間だと思ってるんだ”
「異世界‥‥だと?」
この男は何を言ってるのだ?と思ったが、あながち間違いないのかもしれない。
俺が思っている常識が通用しないことや、相手が思っている常識が俺には分からないことが十分証拠として成り立っているからだ。
「反応を見る感じ、本当らしいわね?」
「ああ、常識が通用しないなら、信用するしか無いからな」
”じゃあ互いに情報交換をしようか”
「分かった。俺にも知りたいことが沢山あるからな」
そうして、お互いの情報交換が始まったのだが、やはり俺には信用しがたい話ばかりであった。
「巨大都市キヴォトス、ヘイロー、銃撃戦‥‥アンタ達が言っていることは理解はできても、納得できないな」
「私達だって納得できないわ。宇宙世紀、コロニー、モビルスーツ、地球連邦軍、ティターンズ、エゥーゴ、ジオン公国軍にジオン残党‥‥‥どれも信用しがたい物ばかり」
”よし、とりあえずある程度は情報交換ができたね。それで、これからのことなんだけど”
一旦それぞれの情報交換については区切りをつけて、今度は俺の所在云々をどうするかについて話し合う事になった。
「‥‥俺は戦闘経験もあるし事務仕事もそれなりにできると自負している。拾ってもらった身なんだ、出来ることがあればなんでもするつもりだ」
「そうね‥‥‥‥‥」
”じゃあさ!風紀委員会に入ってもらうのは?”
「‥‥風紀委員会に?」
まずは所属が無ければどうしようもない、そう考えた先生は空崎が委員長を務める風紀委員会を勧めた。
「無理よ先生。第一学籍が無いし、作ろうと思っても万魔殿が黙ってるわけ無いし‥‥‥」
”大丈夫!学籍に関してはこっちでどうにかする!”
どうやら先生にはかなりの権限があるらしく、学籍を作るのなんざ簡単らしい。
「分かった。そういうことで、風紀委員会に入ってもらうけど良いかしら?」
「了解、恩を返せるよう頑張らせてもらう」
かくして、ティターンズのサガキ・レイから風紀委員のサガキ・レイへと、第二の人生が始まった。
サガキ︰恩を返せるように頑張るぞー!
ヒナ︰正直シャーレ所属の方が良かったのでは?と思っているが先生のことなので黙っている
先生︰恩返し頑張ってね!
セナ︰運ばれてきた時本当の死体かと思った。