贖罪少年くれしま☆ミツザネェ!   作:ヌオー来訪者

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 ウィザードを無駄にスタイリッシュにし、鎧武勢は泥臭く殴り合う。
 次章はマミとさやかにスポットが当たります。どうも魔法少女勢の出番が少ないので。

 初登場時の周子のキャラ若干修正。やってる事は一緒ですが。


第十六話 戦極凌馬の遺産Ⅰ

 手始めにウィザードは手持ちの銃を発砲した。放たれた無数の弾丸が驚異的な速度を以てローレライに襲い掛かる。

 

 それをローレライは剣で総て切り払い、反撃として剣をウィザード目掛けて投げつけた。

 それをウィザードは二丁の銃で払い除けてから、二つの銃を空中に放り投げる。代わりに地面に刺さったソードモードのコピーを回収してローレライに向かって走り出した。

 

 ローレライは剣を再度精製し応戦するが、ウィザードの流れるような剣捌きで良いようにいなされ、終いには回転斬りの直撃を叩き込まれる。

 回転斬りを決めた後、ウィザードは二刀を再度地面に突き刺し、放り投げて落下してきた銃を回収。銃身下部に付いたブレード部分で舞うように斬り付けながらもさり気なく発砲して弾丸も叩き込む。

 

 耐えかねたローレライはウィザードの頭上におびただしい数の剣を精製し、それをそのまま落下させた。

 

「あぶなっ」

 

 それに感付いたウィザードは後方にムーンサルトの要領で後退すると、どすどすと床に剣が大量に突き刺さり、刺さったままのウィザーソードガンが何処にあるのか分からなくなった。――だがそれで止まるウィザードでは無い。

 隙を見せないまま、空中で二丁銃の銃口を二つともローレライに向けて発砲。

 

 それをローレライは剣で再度払う。やはり、遠距離で銃弾撃っても防がれるか。着地して、そう判断したウィザードは二つのソードガンを上に投げつけ、左手のウォーターリングをハリケーンリングに差し替えて、ベルトに左手を翳した。

 

【HURRICANE】

 

 魔力を受けた左手から緑色の魔法陣が現れ、魔力風を発生させながらウィザードを脚から頭のてっぺんまで通過。ハリケーンスタイルへとウィザードを変化させた。

 

――だったらこういう超高速弾はどうかな?

 

 投げてから、落ちて来たソードガンを回収し即刻発砲。無数の弾丸がローレライ目掛けて飛んでくるが……ローレライはそれに対応出来なかった。

 ハリケーンの力で弾速が通常より強化され、防御不能な速度で全弾ローレライの身体にざくざくと突き刺さる。

 

 威力こそ通常より落ちるが、防御力が並ぐらいで対処が早い相手ならこちらが効果的か――

 

――このまま押し込む!

 

 ウィザードは意を決して、右手に持って居る一本だけをガンモードに切り替えてローレライに向かって突撃する。

 ジャンプして床に刺さった剣たちを踏み台にしてまるで牛若丸の如く軽々と接近……しようとしたのだが、突然進行をやめてウィザードは、大きくジャンプし、魔力風による小さな竜巻に乗って宙に浮いた。

 

「あっぶな……」

 

 下を見下ろすと、床は何故か水たまりになっていた。床に刺さった剣は丁度完全に沈み切るぐらいの水位だ。随分と妙な能力にウィザードは舌を巻く。どうやら敵の土俵で戦わされているらしい。

 

 水上を滑るようにローレライは動きだす。泳げよと突っ込みたかったが、突っ込んだら負けなのかもしれない。

 水上を走りながら、ローレライは無数の剣を精製して、竜巻に乗っているウィザードを狙う。無論、ウィザードも案山子(かかし)では無い。細やかな動きで避けつつ、弾けるものは、剣と銃で弾いて対処する。

 

 

 打ち合いは30秒ほど続いた。物量戦には完全に対応は出来ず、幾つか身体に被弾してしまった。物量の面ではほぼ完全に負けていた。

 反撃として通常より弾速の速い銃弾を発砲するが、ローレライは先ほどの地上での戦闘がまるで嘘のようにひらりひらりと避けてゆく。

 

 ウィザードの放つ銃弾は簡単なホーミングは出来るが、精密なものは出来ないし、大きく弾道を変える事は困難だ。それに跳んでくる剣で阻まれてローレライのもとに跳んできた弾はそんなに多くないと言うのが悲しい。

 

 更にウィザードを追い詰めるように戦闘の余波で精神世界内にダメージも蓄積してきており、周囲には紫色の亀裂が辺りに発生してきていた。

 

――拙い。

 

 このままでは、ファントムが宿主という卵を食い破り外に出てしまう。ウィザードの脳裏に嘗ての出来事が過る。

 親友の身体が内側から食い破られ、卵から産まれる雛鳥の如く現れた悍ましい怪物たち……

 

――(かたき)は取る、そして総てのファントムは俺が倒す。

 

 結果何も戻らないとしても弔いにはなる筈だ。そしてあの儀式を行った者を……この手で潰す。

 だからこれ以上、敵を増やさせる訳には行かなかったし、負ける訳には行かなかった。

 

「それじゃ、大詰めと行こうか」

 

 ウィザードはいつも通りの軽い口調で言った後、両方ともソードモードに切り替える。そしてハンドオーサーを起動を起動させて、左手を当てた。

 

【HURRICANE SLASH STRIKE】

 

 両方の刀身に緑色の竜巻が渦巻き、ウィザードは飛んでくる剣を避けつつローレライに向かって、足元の竜巻をバネにしてローレライに飛び掛かる。

 ローレライは自慢の水上でのスピードを生かし、避けてしまうがこの程度、ウィザードには想定の範囲内だった。魔力竜巻でブレーキしながら壁に突き当たって、壁を蹴ってまるでピンボールの如く跳ね返り、二刀を以てローレライに向かって弾丸のような速度で突っ込む。

 

 ローレライは焦ったか、剣を投げつけるがもう遅い。途中で大分被弾したが、撃破出来たなら御の字だ。それに外でよくわからない紅いベルトの弓矢持ちをあしらわなければならない。あの男は間違いなく、根に持つタイプだとウィザードは何となく察していた。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 2度目は、無い。ゼロ距離まで詰めたウィザードはバツ印を刻むようにクロス斬りを叩き込んで、追い打ちの蹴りを打ちこむ。

 それを受けたローレライは派手に吹っ飛んで、壁に衝突。その瞬間、床の水たまりは消え去り、普通の床に戻っていた。濡れた跡は無い、どうやらあの水たまりは結界に似たようなものだったらしい。

 

終わり(フィナーレ)だ」

 

 床に着地した瞬間、壁に叩き付けられたローレライは許容魔力量をオーバーし、オレンジ色の炎を上げて爆発四散。跡形も無く綺麗さっぱり消し飛んだ。

 

 戦闘で発生した亀裂は時間が経てば消え去るだろう。快復速度は人によってまちまちだが、服で隠しておけば第三者にバレる事は有るまい。

 ウィザードは勝利の余韻に浸る事無く、戦闘終了後直ぐに精神世界の外へと脱出する事にした。

 

 

 

 

 戦闘が終わり、する事無く気絶して紫色の亀裂を発生させているさやかの近くにほむら、和哉、光実はそれぞれ変身解除して集まった。マミは皆から少し離れた場所で立っている。

 

 和哉は勝手に使って申し訳ないとぺこぺこと何度も頭を下げながらブラッドオレンジロックシードを光実に返却した。若干しつこかったが、早乙女和哉は少なくとも悪人と言う訳では無いと光実は察した。もし悪人なら借りパクで終わる筈だ。恩を着せようという雰囲気も無く、どちらかと言えば唯のお人好しという印象だった。

 

 出来る事が無く、仕方ないのでさやかを見守りながら、情報交換という事で3人で話し始めたのだが……

 

「彼は確かにそう言ったんですね?」

 

 呉島光実は影武の変身者、早乙女和哉から意外な単語を耳にした。一瞬耳を疑って二度確認したが、外見も名前も光実の知る者と酷似していた。

 

「あぁ、ウィザード……魔法使いってな」

 

「成程、有難うございます」

 

 光実の知る者ならば別の魔法使い、仁藤攻介から聞いた話と実際に一緒に戦った印象をも考えれば一応……今、ウィザードはさやかを助ける為今動いているらしいのだが、信用は出来る。

 

「知り合い……だったのか?」

 

 和哉の問いに光実は、若干曖昧に頷いた。その曖昧さに和哉は訝しげに光実を見たが、見られている光実本人は気にも留めておらず考えている様子だった。

 

「……一度だけだけれど、一緒に戦った事があるよ」

 

 数秒後、漸く答えてくれたのが「一度だけ」で、和哉は「はぁ」と困惑気味に頷いた。まあ、これだけの情報では納得は出来まい。とは言えども、戦国時代のような異世界なんてものを誰が信じるのか。言ったら言ったで痛い子か可哀想な子を見る目で見られる事間違いナシだ。

 

「どうした?」

 

 和哉が怪訝な顔で光実の顔を覗きこむ。光実は何でも無いと、返して、気絶したままのさやかを見やる。再び見たらまたヒビの量が明らかに増えている。だが、自分が知るウィザードの戦闘力は相当のものだった筈だ。霊木であるGOSHINBOKUと一体化した武神鎧武を当時ジンバーすら手に入れていなかった紘汰と共に倒してしまったのだから。

 それに彼の話によると、トリスタンを片手間でいなしたという事実もある。戦極ドライバーでもまともに対応出来るヘルハウンド如きで手間取るまい。

 

「心配だけど、彼を信じて待つしか選択肢は無いよ。こちらがどうにか出来る問題じゃない」

 

「そりゃ……そうだ」

 

 和哉は不本意げに頷く。実際、現状今の状況を対処可能なのはウィザード以外居ない。……暫くすると、さやかの堪えずに増える亀裂はパタリと止まった。

 

「止まったわね」

 

 ほむらがぽつりと呟く。その声でちょっと離れた所で俯いていたマミの顔も上がってごくわずかではあるが明るくなったような気が光実にはした。

 

 亀裂の広がりが収まり暫くすると、仰向けに倒れたさやかの身体の上に紅い魔法陣が現れウィザードが飛び出してきた。

 

――間違いない、彼は……

 

 光実の知る「彼」と全く同じ姿であった。まさかここで出遭う事に成ろうとは。光実は驚きを隠せなかった。――だが、

 ウィザードの姿が結晶化し、結晶が弾けるように消し飛ぶと、代わりに見覚えの無い男が現れた。

 

――「彼」じゃない……?

 

 知る限りでは「彼」黒いコートは纏っていないし、黒髪でもない。そして顔立ちも少し違う。

 

「おろ? もう終わったの?」

 

 そしてこの間抜けな一言である。和哉は「えぇ終わりました。この人のお陰で」と返してから光実に視線を向ける。

 

「貴方は……一体」

 

 光実は思った事を無意識に口に出してしまう。だが、青年は事も無げに返した。

 

「俺? ウィザード。通りすがりの魔法使いさ」

 

 鎧武と武神鎧武のように形状が似たもの同士も実際存在したから別に有り得ない話ではない。だが少々信じがたい話だった。それに変身した姿の名前も外見も同じだという偶然。

 

「操真晴人、という男を知っていますか?」

 

 試しに問うてみるも、

 

「誰さ? ソーマハルトって……ハルトっつーとこは合ってるけど。俺は鍵真ハルトね」

 

 ……きょとんとした顔で返されてしまった。本当に無関係なのか? ほぼまったく同じ外見をしているのにか? ウィザードが黒影トルーパーの如く量産されているのではないかとふと思ったが、龍と融合してしまうような強烈な存在が量産されているなんて聴いたことも無いし想像も出来ない。

 

 話は有耶無耶に終わり、ハルトは「ほっとけばその内治るから」と言ってバイクに再び跨って去って行ってしまった。彼を止める気も体力もこの場に居る人間には残っていない為見送るしか出来なかった。

 暫くすると、さやかの身体中に走っていた亀裂が光りと共に消滅した。それと同時にさやかはゆっくりと眼を開けた。

 

「あれ……呉島、さん?」

 

 安堵、と言うべきか。一気にこの場の緊張が収まる。光実はふと和哉とほむらの方に目を向けるとそこにはもう和哉とほむらの姿が無かった。

 

――逃げられた? それとも空気を読んだのか?

 

 さやかは、ほむらを敵視している節が有る為、話を拗れさせない為に去ったのか? 分からなかったが、まぁ何時かまた会う日が来るだろう。その時に色々訊き出せばいい。中途半端に入った情報が光実を焦らせるが、こういう時こそ落ち着くべきなのだ。焦れば確実に自爆すると嫌という程に戦極凌馬に騙されて思い知らされたではないか。

 

「美樹さん、大丈夫ですか?」

 

「え、あ、はい……」

 

 倒れていたさやかは身を起こして光実がそれに手を伸ばす。その伸ばされた手をさやかは掴んで起き上がってから服に付いた汚れを手で払う。

 

「気絶している間に一体何が……マミさん! 大丈夫ですか?」

 

 さやかの問いにマミも光実も答えに困りつつ、何処からどう説明しようかと二人は悩み出す。

 

 空の太陽は既に完全に沈み切り、月と星が地上を照らしていた……

 午後8時、さやか、光実誘拐事件は釈然としない部分を残しながらこれにて幕を閉じる事となる。

 

 

 もう何週間も家を空けていたのではないかという錯覚に陥りそうだった。一段落してから帰途につき、光実は家の門を開け庭に入ると、一気に溜息を吐く。ほぼ一日間監禁されれば気も滅入るものだ。光実はとぼとぼと家に入って行った。

 

 貴虎はまだ帰っていなかった。まぁ、当然か。長い出張になるようだと、昨日家に居た時、メールでその事を伝えてくれていたのを思い出す。だが、一人だけ広い家に居るのは少し心細いものだ。

 

 自分の部屋に辿り着き、風呂に入ってから、貴虎が高校入学祝いに買ってくれたノートパソコンを開いた。

 敵と戦うなら敵を知らなければならない。あのままでは終わらないだろうと光実は確信して、奪われたロックシードの能力を確認するべく直ぐにデータバンクに入る。一応データ閲覧自体は光実も出来るようになっている。

 

 ロックシードはほぼ総て奪われたと思った方が良いだろうと思いつつ。片っ端からデータを見ていく。

 

 スターフルーツエナジー……弾速特化型で、遠距離戦に優れる。使いこなせば強力な後方支援向けだ。だが、敵変身者はその特徴を殺して純粋なパワー押しでやって来る為、2対1ならば対応可能か。

 

 マツボックリエナジー……黒影トルーパー部隊に配備される予定だったが、コストが中途半端な都合で見送り、数体分制作されただけに終わる。性能は勿論Aランク以上だが、ソニックアローが無いのが欠点。時間停止魔法が効かなかった少女が所有。強化された影松を持って居る為侮れない。

 

 フォーゼ……異世界にてスイッチとヘルへイムの果実が融合した出自がオーズW共々似たようなロックシード。ロケットなどと言ったモジュールで敵をパワーで押し出す。

 

 ウィザード……異世界にて赤いリングとヘルへイムの果実が融合したもの。可変武器が特徴的。葛葉紘汰が使用後イエヤスに返却している為恐らくのこ世界には存在しない。

 

 ドングリエナジー……マツボックリエナジー同様、ソニックアローを持たないタイプのエナジー系。アームズウェポンは通常ドングリより柄が長くなったハンマー。餅でも叩けそうだ。

 

 マウスのホイールを回して、下の方向へと向かうとふと、光実の指の動きが止まった。

 

「ベヒモス……ドライバー?」

 

 眼にとまった項目の名前を光実は思わず呟いた。

 ベヒモス……暴食の神の名前で有名では有るが、聞いた事が無いベルトだった。処分の時には事後処理の手伝いもしていなかったのもある。戦極凌馬が黙って造っていたものなのだろうか?

 気になって、そのデータファイルを開くと、灰色のベルトの画像が映った。ゲネシスドライバーと形状は似ているが、ロックシードを絞るコンプレッサーが3つあったりと相違点は有る。

 

 コンセプトはロックシードを喰らうドライバー。ロックシードの余剰エネルギーを出す事無く発動させる。

 

 詳細データに光実は絶句せずには居られなかった。

 

 

 ……インベスの身体の一部を使用している事や、ロックシードを使った後変身解除したら勝手に自立行動して暴れまわったという事に。

 

 

「戦極凌馬め……随分な物を」

 

 

 光実は思わず毒づく。

 あの男、戦極凌馬は好奇心の為ならば何だってする。他者の命は勿論、己の危険だって顧みない。その癖して用意周到で慎重な所もあるものだから腹が立つ。あの男は独自で趣味の一環でロックシードを制作する事が多く、恐らく前の事件で光実が使ったヨモツヘグリも彼の趣味だろう。

 

 そして、風林火山という名のカチドキに似た重厚な形状のロックシードのデータを見てから、光実はほむらたちとウィザードを戦力に出来ないものかと考えるのだった。

 マミの実力が信用出来ない訳では無い。だが、二人だけではどうにもならない。このままの戦力差だとまどかやさやかが契約する恐れだって十二分にある。

 

 念のため、自衛の為さやかに強奪(奪還)した戦極ドライバーを渡して、契約させない為の予防線を張っているが、魔法少女化させないように気を配らなければならないし、魔法少女化へのデメリットの存在を聞き入れさせねばならない。だが、現状では彼女らはキュゥべえを信頼しているので難しい。

 

 魔法少女が魔女になってしまうという事。それが完全に防ぐ事は出来なくても、目の前の人間だけは……『させたくない』絶対に。

 

 前途多難であるが、逃げる訳には行かなかった。自分自身も命を掛けなければならないのだ。『葛葉紘汰がそうした』ように……

 

 

「俺のロックシード奪われたのかよ! 何してたんだよ! 態とかよ!」

 

 居場所に帰還したトリスタンの変身者、邑川(むらかわ)正治(せいじ)はトリスタンに変身して政美周子に掴み掛った。

 自分のストレスを解消する為の部屋に帰ったら、自分のロックシードが大量に無くなっていたのだ。予備のエナジーも。その為に周子に話を聞くと、光実に奪われた事に怒り狂ってトリスタンに変身、周子に掴み掛ったのだ。

 

 ウィザードに叩きのめされ、光実たちにボコられと散々だったのでかなり苛立ちが募っていた所でトドメを刺すようにロックシード強奪だ。唯でさえ我慢弱い正治を激怒させるのには充分過ぎる話だった。

 

「貴方が戸締りしていなかったからでしょうが」

 

 掴まれて嫌悪感全開で呆れたように周子が正論を言い放つが、トリスタン……正治は引き下がらないどころか、火に油で余計に怒る。

 

「お山の大将だからっていい気になってんじゃねぇよ……」

 

 右手を振り上げて、周子を一発殴り飛ばそうとすると、右手を茶色い手が掴んだ。別のアーマードライダーの手だ。

 

「駄目……です……!」

 

 ベルトはゲネシスドライバーでドングリエナジーが装填されている、茶色のアーマードライダーだった。声からして変身者は女性だろうか。彼女の声にトリスタンは先ほどの怒りが何だったのか、一気に大人しくなって周子を掴んだ手を離す。

 

「まぁ、ロックシードは幾らかあげるから、これで手打ち。良いわね?」

 

 周子の溜息を吐いての一言で、トリスタンは舌打ちしてから変身を解除する。正治の姿に戻ると「今度はちゃんと、警備しろよ」と先ほどの威勢は何処に行ったのか、震え声で去って行った。

 変身前と変身後の態度がまるで違う正治。それに彼の去り際に、周子は「バカな男」と誰にも気づかれないように呟いた。




 ちょっとだけ光実が『自分の意志』を示しました……逆戻りしましたが。誰かが許す許さないでは無く。自分の意志で動く事が今の光実にとって大事な事でしょう。「自立」と言うか、「変身」と言うか。

 最後に登場したグリドンは、現状変身していない魔法少女が変身しています。誰かは何となく分かる筈。

 風林火山ロックシードは、戦極凌馬が終盤に使用した強化ゲネシスドライバーと関わりのあるもので、風林火山が使用されなかった理由云々も後々説明したいと思います。
 因みに、マミが恐怖心にやられている事は光実とさやかは知りません。知っているのはマミに一番信用されているまどかのみ……

 一応、第一部完。そろそろ沢芽市民の一人くらいをチョイ役程度に出したいですね。レギュラー化は現状有りませんが。ここから下は補足です、二つ用意しました。


――補足、ライダーロックシードの行方――
 入手経緯は原作の天下分け目の戦国MOVIE大合戦を参照。
・Wロックシード:光実の手に残ったが、起動しなくなり放置。最近になって漸く回収されて、光実の手元に。

・オーズロックシード:駆紋戒斗が所有していたが起動しなくなったらしく、チームを去る際放置。戦後、ザックが処分の際に貴虎に提出して処分されかけたものだが、周子に回収された。だが、その後光実に奪還される。

・フォーゼロックシード:呉島貴虎が所有していたが、貴虎自身発作的に起こる台詞の事も有り、このアームズが苦手だったらしい。初使用以降全く使用されずに埃を被っていた。溶鉱炉に落ちたか、回収されたかは不明。

 
・ウィザードロックシード:葛葉紘汰が所有していたが、ある意味では持ち主であるイエヤスに返却。この世界には存在しない。


――中沢たちが語っていた女性行方不明事件について――
 内容は第八話参照。
 周子一派には関係の無い話で、被害者は女性(年齢は問わない)で外見はどちらかと言えば美人の部類の人間だけ。要するに魔法少女限定の話では無かったりする。果たして魔女の仕業なのだろうか?

 今後も解説して行こうと考えております。解説のご要望あれば感想では無く、メッセージでどうぞ(答えられないものも有りますのでご注意を)
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