悪役令息(♀)のドタバタ救国記   作:黎川暁明

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完全なる処女作です。
いいところ悪いところ、たくさんコメントください!
面白い作品に出来るように頑張ります!


一章 転生〜幼少期編
第一話 俺と姉ちゃんと乙女ゲーム


「やった、やったぞ…遂に完全クリアだ〜ッ!」

 

薄暗い部屋の中、テレビに白髪褐色肌の甘いマスクのキラッキラしたイケメンが柔らかく微笑んでいるのが映る。

 

「せっかくの三連休、姉ちゃんのお願い(めいれい)なんかで潰しきるなんて絶対イヤだったからな…

つーかキャラ多いんだよ隠しキャラまでいる上にエンディング多いし…

も〜二度とやりたくねぇ」

 

やっていたのは有名乙女ゲーム『Fantastic Love Story』数多くのキャラクターを攻略し、復活した悪魔を倒すことを目的とした恋愛趣味レーション×RPG。俺が六つ上の姉に(無理矢理)やらされることになったゲームだ。

 

そんなことになった原因は少し遡る。

 

 

 

〜御川家 リビング〜

「晴都」

「………」

「無視してんじゃ、ないっ!」

ゴンッ

「痛ってぇ!」

「アンタが無視するのが悪いんでしょ。あたしの手を煩わせるんじゃないわよ」

 

この傍若無人な女が俺の姉ちゃんである。名前は御川美琴。年は俺の六つ上で22歳、就職先も決まって悠々自適な生活を送っている女子大生だ。

ぱっちりした目にぷるんとした唇、柔らかい茶髪は三つ編みに括っていて、150cm代前半といった小柄な体躯だがメリハリのある女性的な体つき。

弟の目から見てもなかなか、いや、かなりの美少女だといえる。

相当モテるようで俺のクラスメイトからも紹介してくれなどと言われたりする。

弟の俺からすれば趣味が悪いとしか言えない。お前らはコイツの俺に対する扱いを見てないからそんなことを言えるんだ。え?むしろ羨ましい?俺にそんな変態的な趣味はない。

 

パカン!

「痛あ!?」

「アンタ何か失礼なこと考えてたでしょ」

「何でわかるんだよ!」

「カンよ」

「は〜…マジかよ。で、何のようだよ?姉ちゃん」

「アンタやっぱり失礼なこと考えて…まあいいわ。月曜祝日だから明日から三連休でしょ?」

「うん」

「てなわけで明日からあたしとユキと律の三人で卒業旅行行って来る」

「へ〜いいじゃん。楽しんできてよ」

「気が向いたら晴都にもお土産買ってきてあげるわ」

「期待しないで待っとくよ」

「でよ。あたしは明日から旅行で居ないワケ」

 

この姉は何が言いたいんだ。俺だってそのぐらい分かる。

 

「でもね、このゲームもクリアしておきたいの」

「何ソレ?」

「『Fantastic Love Story』先週買ってきた乙女ゲーよ」

「ふーん。姉ちゃんもそんなのするんだ」

 

正直めっちゃ以外。姉ちゃんは日頃ゲームやんないし、やってもすぐ飽きてアンストしてるから。

 

「いつもはしないけどコレは別よ。キャラデザ結構好みだし。何てったって声が良い!」

 

……そうだった。姉ちゃん声フェチだった。三年ぐらい前に知ったけど正直マジで知りたくなかった。

 

「でもあたしユキ達との旅行で忙しいし、代わりに隼都やっといて」

「HA?」

 

は?いや、は?意味わからん。自分でやれよ。何が悲しくて乙女ゲーなんぞやらにゃあならんのだ。断固拒否す…

 

「や・っ・と・い・て?」ニコ…

 

あ、ダメだコレ。断ったら何されるかわからん。超怖ぇ。

 

「もちろん、優しーい晴都クンは困ってるお姉ちゃんを助けるためにやってくれるよね。ねェ?」

 

コクコクコクコク

全力で首を縦に振る。

 

「いい子。ありがとね。スチル全回収したらあとは自由に過ごしていいから〜」

 

姉ちゃんは俺に背中を向けて部屋に戻っていった。

 

姉ちゃんが見えなくてなってから膝から崩れ落ちた。

 

「クソぉ…休み潰れたぁ…でも断ったら何されるか分かんないし怒った姉ちゃんクソ怖ぇし…やるしかない…」

「とりあえず…調べてみるか…」

 

スマホをポチポチと弄って姉ちゃんが置いていったゲームについて調べてみる。

 

「えー、『Fantastic Love Story』ね。なになに…、トレーニングや勉強でステータスを上げながら各イベントをクリアしてキャラクター達を攻略していく…キャラクターをオトして封印から復活した悪魔を倒す…。結構面白そ…攻略対象7人もいんの!?しかもそれぞれエンドが複数!?うげぇ…めんっどく」

 

ガチャっ

「何か言った?」

「うぇっ!?何も!」

「そう。なら良いわ」バタン

 

ビビったぁ…何で聞こえたんだよ…

 

「諦めてやるかぁ。姉ちゃんが帰って来る前に終わるといいな…ハァ…」

 

 

 

というわけであった。時は現在に戻る

 

「つっっっかれたぁっ!さっさと終わらせたかったから姉ちゃんに命れ…頼まれたあとからすぐ始めて頃から始めて…飯とトイレ以外ほぼ部屋から出ずに徹夜でやってたから…え〜っと…50時間以上!?疲れるワケだよ…」

 

“ストーリー全スキップ+攻略情報見ながらプレイ”でコレだ。一人一人ストーリーを見ながら攻略情報無しでやっていたらどれほど時間が掛かっていたことか。

 

「疲れた〜、眠ぃ〜。クッション持って来てるしもうここで寝よ」

 

ぽす、…すぴぃ…すぴぃ…

 

疲労が肉体的にも精神的にも溜まりに溜まっていた晴都はすぐに眠りについた。

 

そのため、ストーリーをクリアしてスタート画面に戻っていたテレビが真っ白く眩しく輝いたことに、すでに眠っていた晴都は気づけなかった。

 

 

 

 

う、う〜ん…やめ、やめてぇ…ほっぺつつかないでぇ…おきる、おきるから…

 

ぱちり

 

知らない天井だ…

 

「あ、起きた!」

「起きたわ、お母さま!」

「あら、目が覚めたのね。こちらに連れてきてくれるかしら?リズ、お願い。」

「はーい!任せて、お母さま!」

 

誰…?金髪で碧眼の美少年と、薄い金髪で翠眼の美少女が上から俺を見てる…?…夢?

つーか体が上手く動かない。何でだ?…って

 

「あばぶぅぶばぁ!?(なんじゃあこりゃあ!?)」

 

手が紅葉だ。ちっさい!手じゃない、おててだ!声もうまく出せない。声もちゃんと出ない!?

 

俺、赤ちゃんになってる〜〜〜!?




補足
主人公の名前は御川晴都(みかわ はると)
姉の名前は御川美琴(みかわ みこと) です。
おがわ じゃないです。とくに意味はないけど。
今の名前などは後々出すので悪しからず。
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