あらすじ 目が覚めたら赤ちゃんになっていた
「あばぶぅぶばぁ!?(何じゃこりゃあ!?)」
赤ちゃんになってる〜〜〜!?
何で!?どゆこと!?…まてよ、俺何してた?姉ちゃんの_お願い(命令)で乙女ゲーを…
「お姉ちゃんだよ〜。ハル、抱っこするからね〜」
薄い金髪と翠眼の美少女が俺を抱き上げる。七歳ぐらいにしか見えない女の子がこんなに大きく見える…
抱っこされてるから近いなぁ。まだあどけないけどもうすっごい美少女。そこらの子役より可愛いんじゃないか?
「ハル、あっちにいるのがお母さまだよ。こっちにいるのはアルベルトお兄ちゃん」
少し離れたところに安楽椅子に座った女性がいた。ゆるいウェーブのかかった長い白金髪、瞳はサファイアみたいで目は優しげな垂れ目で兄?はこの人からの遺伝なんだろうなあと思う。そしてすっごい。スタイルの暴力。こんなスタイルモデルでも見たことない。このあどけない少女もあんな風になるのかなぁ…
「お兄ちゃんだよ〜、かわいいなあハル」
さっきリズ姉ちゃん?が紹介してくれたアル兄ちゃん?もやっぱり美少年。
さっきはよく見えなかったけどこっちも凄い。瞳と目元はお母さま譲りみたいでよく似てる。髪は輝かんばかりの金髪。きっとこっちはお父さんからの遺伝なんだろうなぁ。
いや、そんなこと考えてる場合じゃない!何で俺は赤ちゃんになってるんだ!?
愛称はハルだから合ってるけど、母さんも姉ちゃんも全然見た目違うし、俺兄ちゃんなんて居なかったし(欲しかったけど)どゆこと!?
「はい。連れて来たよ、お母さま」
「ありがとう、リズ。…うん、やっぱり子供は何人居ても愛おしいものね。こんなにも可愛らしい。ツリ目気味なのはあの人によく似ているわ」
ん?
「でも、髪の毛はお母さまみたいだよ」
え?
「アルの言う通り、お母さまみたいな綺麗な髪だよね。ちょっとだけ金色っぽい銀髪!」
おっと?
「ええ、そうね。髪の毛は私譲りだわ。それと…口もとも私に似てるかしら。目の色は…あら、綺麗な赤色。ルビーみたい。耳の形はあの人とそっくりね」
このお母さまをツリ目にして…目の色が間くらいってことは多分緑がかった青…え、ウソ、ちょっと待って…
「元気に育つのよ、ハレーティア」
いやだぁ〜〜!やっぱりぃ〜〜〜!
姉ちゃんにやらされた乙女ゲーの、『Fantastic Love Story』の悪役令嬢だぁ〜〜〜!
雷にうたれたような凄まじい衝撃で気が遠くなっていった…
乙女ゲーム、『Fantastic Love Story』に登場する『ハレーティア・ノーブルリリー』は悪役令嬢である。攻略対象七名のうち誰を選ぼうとも必ず邪魔をして、主人公が攻略対象をオトしたあかつきにはどのルートでも必ず断罪されるという末路が待っている。性格は我儘で傲慢。金遣いが荒くて心が狭く、面倒くさがい屋で座学の成績も魔術の成績も悪い。良いところといえば顔と家柄、そして魔力量程度であとは欠点しかないとまで言える。
そんなハレーティアに晴都は転生してしまったのだ。
彼(今はもう彼女かも知れない)が衝撃のあまり気絶してしまったのもしょうがないだろう。
う、う〜ん…、姉ちゃんにやらされた乙女ゲーの悪役令嬢になるなんてひどい夢を見た…
ぱち
「いああいえうおうあ(知らない天井だ)」
…
………
……………夢じゃなかった…
うわああああああ!どうしよう!同名の別人だったりしないかなぁ!?…外見まで似てるワケないよな…
ヤバい、マジでどうしよう。どのルートいってもハレーティアは断罪されて処刑or国外追放or奴隷堕ちetc…etc…で絶対に酷い目にあう。唯一無事に済む、というか末路が描写されていないのは主人公が攻略に失敗したルートのみ。それでも悪魔は復活するから国は滅ぶしどっちにしろ絶望しかない。
…ホントにどうすれば良いんだ…
いや、待てよ。ハレーティアがあんな末路を辿ることになったのはハレーティア自身のせいだ。
対して努力もしないくせに他人を妬んで嫌がらせばかり。少しでも気に入らないことがあれば癇癪をおこして当たり散らす。主人公が元平民だからという理由で取り巻きを使っていじめる。権力をかさに着て下位の貴族を使用人が如く扱う。良いと思えばそれがその人にとってどれだけ大切なものであろうと奪おうとする。しかも奪ったらすぐに興味を無くして返すでもなく捨てる。なまじ身分が高いから教師たちも迂闊に注意出来ず、我儘放題に過ごしていた。
…酷いな。思い返してみたけどクズとしか言いようがなくない?でも裏を返せばこんな行動をとらなければ幸せに暮らせるんじゃないか?家柄は十二分。国でも片手で数えられる程度しかいない公爵家の次女。見た目も今はまだだけどかなりの美女に成長する。しかも家柄が良いだけあって魔力量もかなりのものだ。現代日本の知識も残ってるから技術面でも活躍出来る気がする。オールクリアしたからゲームの知識もしっかり残ってる。
いけそう、いけそうだぞ。よし、やってやる!この乙女ゲーの世界で幸せに暮らしてやるぜ!
ほそく〜
ハルたちの名前はそれぞれ、
今作の主人公 ハレーティア・ノーブルリリー (ハル)
主人公の姉 エリザベッタ・ノーブルリリー (リズ)
主人公の兄 アルベルト・ノーブルリリー (アル)
主人公の母 ラフィーナ・ノーブルリリー (フィナ)
右側のカッコは愛称です。
お父さまはまた次回〜♪