見習い女神とのクエスト体験記   作:トモットモ

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ミルーカ様と魔獣探しをしよう

 近くの岩場までやってきた。おい、まさかとは思うが……。オヤジはデッケー岩を片手でポンポンしながら言った。

「カラカサアゲユキよ! あっち向いてホイパワーでこの岩をパッカーンと割ってみせるのじゃ!」

 何言ってんだこのハゲオヤジは。

 ミルーカ様がふんすとしながら拳をグッとした。

「大丈夫です! 唐傘さんなら出来ます!」

 何だろう……。なんだか出来るような気がしてきたぜ!

「おしっ! やり方を教えてくれオヤジ!」

「師匠と呼ばんかバカモン!」

「うるせー! オヤジで十分だろハゲ!」

「か、唐傘さんあまりおハゲのことは……」

 ミルーカ様があわわと口を押さえる。あら可愛い。

「ハゲと言われてショック~」

 オヤジは口を尖らせながら文句を言う。てゆうか事実だろ? まあ、でも……。

「すみません、言い過ぎました。やり方を教えてください師匠」

 俺は頭を下げる。ミルーカ様の為だ。

「もお~。しょうがないな~♪ じゃあ、教えてやるぞい」

 オヤジが機嫌を直す。俺はちょっとプチっとな。

「うるせーよ! とっとと教えやがれ!」

「か、唐傘さん。どうどう」

 暴れる寸前の俺の肩をポンポンするミルーカ様。馬ですか俺は? まあ、でも悪くないな。うん。っし。やるとすっか!

 

「まずは手本を見せる。よく見ておれい」

 オヤジはハア~~~! と気合いを溜めている。あっち向いてホイパワーってやつか?

「あっち向いて~~~~~ホォォォォォイ!」

 ビュン! と指からレーザー光線みたいなのが飛んできた。ええ!?

 ドカアアン! と岩にレーザーが命中して木っ端微塵に。マジかよ!?

「まあ、こんなもんじゃな」

 オヤジはふい~と汗を腕で拭いながら呟く。

「なんかスゲぇなおい」

「はい。光属性の魔法でしょうか?」

 ミルーカ様は頤に細い指を添えながらそう零した。確かにレーザーですもんね。

「では、カラカサアゲユキよ。やってみるのじゃ」

「つってもなあ……」

 いや、そりゃ俺だって小学生ぐらいの頃に手からレーザー出す練習とかしてたぜ? まさか大学生になってまたする事になるとはな……。

「唐傘さん。手をお貸しください」

「え?」

 ミルーカ様はすっと俺の手を優しく包み込むように手を添えた。わお。

「アップステッパー」

 パアアと光の粒が弾ける。綺麗だ。

「はい。これで大丈夫だと思います」

「俺も、イケますかね?」

「唐傘さんならば大丈夫なはずですよ」

「ミルーカ様がそう仰るなら」

 ミルーカ様のやんわりとした笑みに俺は微笑み返す。そして岩場へと向き直った。

「うおお~~あっち向いて~~~~~」

 俺は腰をググッと屈めて、指先に力を入れた。

「ホォォォォォイ!!」

 ドビューン! と指先からレーザーが射出された。いやマジマジ。

 ドカアアン! と岩が粉砕された。やったぜ!

「よっしゃあ!」

 俺がガッツポーズをすると、ミルーカ様は我が事のようにわあいと手を叩き、オヤジは口をあんぐりと開けていた。

「す、凄いです! 唐傘さんやりましたね!」

「はい! 惚れましたか?」

「え? あ、いや、その」

 まだみたいだな。ミルーカ様があたふたしているのを俺は微笑ましく見ていると、あんぐりと口を開けていたオヤジがフルフルと肩を震わして俺に言った。

「カラカサアゲユキよ! 1発で成功するとは! まさかあっち向いてホイ修行をしたことがあったのか!?」

 あるわけねーだろ。

 




あっち向いてホイ修行やってます。いいですね~。また次回になります~~。
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