「改めまして、紹介しますね唐傘さん。こちらが先日お話した私の先輩女神のカミレラ様です」
ミルーカ様は、すっと手をカミレラ様の方に向けて俺に紹介した。
「カミレラだお~。よろしくかもかも~~」
カミレラ様は、ロールケーキを丸ごと1本ムシャムシャしながらピッと手を上げる。ワイルドだ。
「よ、よろしくお願いします」
俺はカミレラ様にペコリとご挨拶。
「カミレラ様は、見習い女神の私にその都度助言をして下さっています」
ミルーカ様は、カミレラ様について俺に丁寧に説明してくれる。オリエンテーションみたいだな。
「カミレラ様。それでこちらが唐傘揚幸さんです」
「ど、どうも唐傘揚幸です。好物は鶏の唐揚げです。よろしくお願いします」
ミルーカ様がカミレラ様に俺を紹介してくださったんで、俺も再度ペコリんこ。
おお~、とカミレラ様はそれを聞いて目を丸くする。
「唐揚げ好きかも? ハイボールに良く合うかもかも~~」
「らしいですね。俺あんま酒飲まないのでよく分かんないですけど」
代わりにエナドリを飲む。また合うのよこれが。
「よ~し、今日は唐揚げつまみでグビグビ行くかも~?」
「あ、いいですね」
「だ、駄目ですよ! クエストがあるので!」
慌ててミルーカ様が止めに入る。
「あ、カミレラ様。こちらがプリンが大好きな見目麗しいミルーカ様です」
俺がさっと手を向け、紹介する。
「知ってるかもかも~~。お徳用のやつも、高級なやつもペロリンチョかもかも~~」
「そうなんですか? 今度買ってきますよ俺」
「もう! いつまで引っ張るおつもりですか!?」
だって赤くなっているミルーカ様きゃわいいんだもん。
「カラカサクン。今日呼んだのはクエストがあるからかもかも~~。受けてくれるかも~?」
カミレラ様が面倒そうに俺に伝える。
「まあ、そのつもりで来たので」
俺がそう応えると、カミレラ様がうんうんと喜びを露わにした。
「やった~。これで今日は遊びまくれるかもかも~~!」
「もう、カミレラ様!」
何だかカミレラ様って、とことん無邪気な女神様なんだな~と思った。
「今回のクエストは、魔獣探しをします」
ミルーカ様は、オホンと咳払いをしてからそう仰った。仕切り直しってやつですか。
「魔獣探し、ですか」
危険な匂いしかしないぜよ。カミレラ様が三色団子をもしゃもしゃしながら頷く。
「そうかも~。魔獣と言っても色々あるかも~。探してきて欲しいのはズバリ……ドラゴンかもかも~~!」
「ド、ドラゴンですか!?」
メジャーなやつ来た~~~~~~!
ミルーカ様が、コクンと小さく顎を引く。
「はい。そうです。そしてそのドラゴンの名前は……あっち向いてホイドラゴンです」
「あっち向いてホイドラゴン!?」
何だその奇天烈なドラゴンは!?
カミレラ様は、お茶をズズズ~っと啜りながら、説明して下さる。
「そうかも~。あっち向いてホイドラゴンは、人間に攻撃しない代わりにあっち向いてホイをせがむかもかも~~」
なんちゅう友好的なドラゴンなんだ。
ミルーカ様はにっこりとする。
「はい。普通のドラゴンとかだと唐傘さんに火がボワワ~ってなったりパックンチョされたりする危険性がありますから」
いや言い方可愛よ~~。まあ、普通だったらデッドエンドまっしぐらってことか。それは確かにやばいかもかも~~~~~~。
「じゃあ今回のクエストはあっち向いてホイドラゴンってのを探せばいいんですか?」
俺が確認すると、カミレラ様が頷く。
「そうかもかも~~。そしてあっち向いてホイドラゴンにあっち向いてホイで勝って欲しいかもかも~~!」
ミルーカ様が目を一際キラリンコさせる。
「勝った時に貰える景品がまた良くて、その一部をギルドに提出すればクエストクリアです」
「その景品というのは?」
俺がそう尋ねると、ミルーカ様がよくぞ聞いてくれましたって感じで答えて下さった。
「はい! それは、あっち向いてホイエッグです!」
エッグってことは卵か?
カミレラ様が恍惚の表情を浮かべる。
「その卵を使ったプリンが絶品かもかも~~!」
なるほど。それは確かに手に入れたいですね。俺はクエストへのやる気をぐんぐんと高めた。
次なるクエストは魔獣探し! 腕が鳴るぜ! ということでまた次回です。