水曜日の夕方―。
ビビはアミオが漕ぐ自転車の後ろに立ち乗りして、バイト先であるカフェ【クスクス】に向かう。
ビビが住んでいるアパートから【クスクス】までは、自転車で10数分だ―。
【クスクス】の手前で、自転車から降りるビビ。
「迎えもよろしく頼む☆」
とビビが言うと
「頼まれた☆」
と、アミオは家路につく―。
更衣室で、店の制服に着替えるビビ。
「ところでミモザ。」
と、左隣で着替えている少女に話しかける。
彼女の名はミモザ。
ビビッ島東部にある大空高校の1年生で、【クスクス】には、ビビより1週間遅く入っている。
「今日から、新しい子が入ってくる。
新人教育は、お前に任せるぞ。」
と言うビビ。
「はいはい★」
と答えるミモザ。
ビビは【クスクス】のバイトリーダーだが、新人教育が大の苦手だ…。
逆に、ミモザは新人教育が得意だ。
だから、新人教育のような厄介な仕事は、全てミモザに任せている…。
しかし、本当に頼りになる少女だ。
それでいて、美人だ。
人を惹きつける魅力がある。
学校でも、さぞかし、男子生徒からモテモテかと思いきや
レズビアン
とのこと…。
しかも、驚いたことに
の少女と付き合っているという。
七尾人とは
ビビッ島の先住民族
である。
今から200年前、ビビッ島はG国に征服され、G国の領土となり、七尾人達は南ビビッ島―通称・七尾島に追いやられた。
そうした過去のせいで、現在のビビッ島の島民であるG国人と七尾人は、今でも基本的に対立関係にある…。
さて、着替え終わって、タイムカードを打つため、ミモザと一緒に事務室に行くと、
「おぉ、ビビにミモザ。
紹介するよ。
今日からウチで働くことになったクレアだ。
仲良くてやってくれ。」
と、ミモザとビビにクレアを紹介する
「はじめましてじゃけん!!
クレアというけん!!
よろしくじゃけん!!」
と、自己紹介するクレア。
(七尾人かよ…。)
と、顔をしかめるビビ…。
残念ながら、ビビはミモザと違って、七尾人に対して偏見を持っている、典型的なG国人である…。
「私はビビ。
こっちはミモザ。」
と、ビビがクレアにミモザを紹介する。
「よろしくね、クレア☆」
「こちらこっさ☆」
と、握手をするミモザとクレア。
「じゃ、さっきも言ったけど、新入りの教育、頼むな。」
と、ビビは事務室から出ていき、店内で接客に当たることにした…。
数分後、ミモザがクレアを連れて、事務室から出てきた。
さっそく、接客に当たらせるつもりなんだろうが…
(嫌な予感がするな…★)
しかし…
とくに大きなトラブルも無く、終業時間となった―。
・
ロッカーで着替えていると…
「ミモザさん…
ノーブラじゃけん!?」
と叫ぶクレア。
「さわってもいいよ♡」
と言うミモザだったが
「ごめん…
それはちょっと…。
そういうのは…
いくら、女の子同士でも…
よくないと思うけん…。」
と言うクレア。
「そう…
ヘンなこと言って、ごめんね…。」
と謝るミモザ。
「私も、こればかりはクレアに同意だな。
お前の、そういうところが理解できん。」
と言うビビに、ミモザも反論できなかった…。
「あっ…!!」
と、ミモザが着替えている最中、GPベースを落としてしまった。
「えっ?
ミモザさん、ガンプラバトルをするけん?」
と訊くクレア。
「まあね。
まだ、始めたばかりなんだけど…
クレアもするの?」
と訊くミモザに
「はい☆
幼稚園の頃からじゃけん☆」
と、笑顔で言うクレア。
(そりゃ、すごいな…★)
と、軽く驚くビビ。
「ミモザさん。
よかったら、今度の土曜日にでも、ガンプラバトルをするけん?」
と言うクレア。
「いいけど…
でも、クレアって、どこに住んでるの?」
と訊くミモザに
「ブルービーチじゃけん。」
と言うクレア。
ブルービーチとは、ビビッ島の南西部にある港町だ。
ミモザが住んでいるビビッ島東部からブルービーチまでは、だいたい、急行電車で1時間ほどだ。
「わかった☆」
と、ミモザはクレアからの誘いを承諾した。
「10年選手と『カテゴリーF』だけどド素人か…。
面白い対戦になりそうだな★」
と言うビビ。
「えっ?
ミモザさんって、『カテゴリーF』なんじゃけん?」
と訊くクレア。
「そういうふうに言われるのって、あんまり好きじゃないんだけどね…。」
と言うミモザ。
「どんな能力なんじゃけん?」
と訊くクレアに
「射撃が絶対に当たる能力
なんだけどね…。」
と答えてしまうミモザ…。
(ミモザのバカッ★)
と
もうすぐ、ビビッ島ガンプラバトル大会だというのに、今日会ったばかりのクレアに自らの秘密をバラした
ミモザに、あきれるビビ…。
もっとも、大会のレギュレーション―
試合はビビッ島の南区、中央区、東区に分かれて行われ、3つの地区の優勝チームと、七尾島の優勝チームによる4チームで決勝大会が行われる
―からすると、ミモザとクレアが直接、対戦することになるのは決勝大会だ。
しかし、ミモザの実力を考えると、ミモザとクレアが決勝大会で顔を合わせる可能性は低いだろう…。
(なら、秘密をバラしても、とくに問題は無さそうだな★)
と、ビビは思った―。
◇
外に出ると、アミオが自転車に乗って待っていた。
ビビが自転車の後ろに立ち乗りすると、アミオは自転車を走らせた―。
「今日、七尾人の新人が入ってきた★」
と言うビビ。
「何だ、そりゃ?
七尾人なんて雇うなんて、【クスクス】の
と、あきれるアミオ。
アミオもまた、七尾人に偏見をもつ、典型的な
「その七尾人なんだが…
なぜか知らんが、土曜日に、ミモザとタイマンガンプラバトルをするんだとよ。
見に行くか?」
と言うビビに
「行かないよ。
変態女と七尾人のガンプラバトルなんかに興味無いよ。」
と言うアミオ―。
アミオの言う『変態女』とは、ミモザのことである。
ビビから、七尾人の少女と付き合っているレズビアンと聞いてから、あまり関わらないようにしている。
典型的な
◇
数日後の金曜日の放課後の部室にて―。
「よしッ!!
全員、そろったなッ!!
全員集まってもらったのは、他でもないッ!!
ビビッ島ガンプラバトル大会についてだッ!!」
と、部室内に太い声を響かせるヤス。
「出場メンバーの選抜ですね…。」
と言うラグノだったが
「聞いて驚けッ!!
全員出場できる
ぞッ!!」
というヤスの発言に、驚く部員達。
「おいおい、どういうことだ?」
と訊くシエルに
「さきほど、大会運営本部より連絡があったッ!!
今回の大会は
悠久の地八戦神のアリス様
のご好意により、『悠久の地』で行われることになったッ!!」
と言うヤス。
「なるほどな…☆
数日かけてチマチマするくらいなら、『悠久の地』で、その日のうちにやっちまうわけか…☆」
と、納得するシエル。
「さすがのアイ先輩も、これは先輩の情報網に引っかからなかったみたいですね。」
と言うアミオだったが
「まさか★
2、3日前から、アリスがちょくちょく大会運営本部に姿を見せていたからね。」
というアイの発言に驚くアミオ。
「まさか、私が何も知らないとでも思っていたのかい?」
と言うアイに、アミオは完全に脱帽した…。
◇
放課後―。
いつものように、アミオが漕ぐ自転車の後ろにビビが立ち乗りし、下校する。
「ところでアミオ。
アイ先輩にケンカ売るなんて、お前、何考えてんだ?」
と言うビビ。
「うるさいな★」
と拗ねるアミオ。
「笑いこらえるのに必死だったぞ★」
と笑うビビ。
アミオとアイのやりとりは、ビビはアミオの隣で聞いていた。
アミオがアイに言い負かされたのを見たビビは、笑いをこらえるのに必死だった…。
ビビの住むアパートに着いて、ビビの住む部屋に入るなり…
「アミオ♡」
と、アミオにキスをするビビ。
そして、制服を脱ぎ、全裸になってベッドに寝転ぶビビ。
アミオも制服を脱ぎ、全裸になるアミオ。
そして…♡
気がつけば、深夜の2時だった…。
「アミオ。」
と言うビビ。
「何だい?」
と訊くアミオ。
「あの
と言うビビ。
「中央高校も陸高と同じ中央区の学校だから、
と言うアミオ。
「待ってろよ、
あの時の借りは返させてもらうぞ★」
と、闘志を燃やすビビ。
そんなビビを、優しく抱きしめるアミオ…。
その後…
アミオとビビは…
翌朝までアツく、激しく…♡