アウトレットホビーショップ【ホBオフ】に到着したのは、午後7時前だった。
さっそく店内に入り、ガンプラコーナーに向かう。
夕方とはいえ、灼熱の大気の中を、後ろにビビを乗せて自転車で走らせたアミオにとって、冷房の効いた店内は天国のようだった。
ジャンク品コーナーで、めぼしい物を物色する。
「たしか…これはガデッサとかいったな?」
と、アミオにガデッサを見せるビビ。
「たしかにガデッサだけど…
ちくしょう…前の持ち主め…
武器だけ取って、本体を売ったな…。」
と言うアミオ。
売られているガデッサは本体のみで、GNメガランチャーが無かった。
「武器なんて、どうにでもなるだろ。
それにしても…何だ、この足?
これじゃ立てないだろ?」
と言うビビ。
「うん。
基本的に宇宙戦用のモビルスーツだからね。
地上戦は想定されてないよ。」
と言うアミオ。
「だったらパスだな★」
と、ガデッサを戻すビビ。
「アミオ。
何だ、これ?
見た感じ、ガンプラじゃなさそうだけど…?」
と、次にビビがアミオに見せたのは、全身をダークグレーで塗られたゼイドラだった。
「これは【機動戦士ガンダムAGE】に登場したゼイドラというモビルスーツだよ。
でも、全身ダークグレーに塗って、ゼイドラの量産型のジルスベインにしたみたいだね。」
と言うアミオ。
「とてもモビルスーツには見えないデザインだが…
強いのか?」
と訊くビビ。
「ゼイドラは強かったけど、ジルスベインはな…。
一応、ビットがあるから、ビットを使いこなせたら、かなり強いと思うよ。」
と言うアミオ。
「おもしろそうだ☆
これを買おう☆」
と言うビビ―。
◇
ゼイドラを購入し、家路につくアミオとビビ。
外はもう暗くなっていたが、いまだ大気は熱をもっている。
そんな熱い大気の中を、後ろにビビが立ち乗りする自転車を走らせるアミオ。
向かうは、ビビが住むアパート―。
「なぁ、アミオ。
このゼイドラに太陽炉を付けたら、どうなると思う?」
と訊くビビ。
「どうって…
どうなるんだろう…?」
と、首をかしげるアミオ。
「明日が楽しみだな☆」
と言うビビ。
「え?
ビビ、ゼイドラに乗り換えるの?」
と訊くアミオ。
「あぁ。
おもしろそうだ☆
ガンプラっぽく見えないところが気に入った☆」
と言うビビ。
たしかに、ゼイドラは高性能モビルスーツだ。
そんなゼイドラに太陽炉を付けたらどうなるか―?
アミオも楽しみだった―。
◇
だが、翌日―。
1人の男子生徒がガンプラバトル部の入部テストを受けに来た。
そのため、ビビの
「1年E組の
ジロー
といいます☆
よろしく☆」
と自己紹介するジロー。
「野郎だぜ…。」
と言うノブヒコ。
「これで、少しは肩身の狭さが解消されるな…。」
と言うアミオ。
陸高ガンプラバトル部は
男子2人に女子18人という大所帯
だ。
『アミオもノブヒコもハーレムぢゃねぇか☆』と言いたいが
男女の比率の差が大き過ぎると、男は却って肩身の狭さを感じる
ものなのだ…。
アミオとノブヒコがジローの加入を歓迎しているのは、そういう事情からである―。
「だが、タダで入部させるわけにはいかんッ!!」
と、部室内に響くヤスの野太い声。
「と、言いますと?」
と訊くジローに
「入部テストを行うッ!!」
と言うヤス。
「入部テスト…
つまり、オレの実力が知りたいと…?」
と言うジロー。
「そうだッ!!」
と言うヤス。
そして、部室内を見渡し
「アリアッ!!
ティナッ!!
お前達が相手をしてやれッ!!」
と言うと、ティナがすかさず
「ちょっと待ってよ、先生★
アリアは『ニュータイプ』だよ?」
と反論する。
「ジローが『ニュータイプ』だったら、ティナ…お前はどうする?」
とヤスに言われ、納得するティナ。
「あ、気遣いは無用です。
オレ『ニュータイプ』じゃないですから。」
と言うジロー。
「そうか…。
なら、ティナッ!!
お前がジローの相手をしてやれッ!!」
と言うヤス。
「了解〜☆」
と敬礼してコクピットルームに向かうティナ。
「よろしくおねがいします☆」
と、ジローもコクピットルームに入る―。
◇
『GUN-PLA Battel, Stand up.』
システムが起動し始めた。
『Please set your GP base.』
GPベースを、スロットにセットする。
『Begining Plavsky particle dispersal. 』
ステージからプラフスキー粒子があふれ出し、バトルフィールドを形成する。
形成されたバトルフィールドは平原。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。
球体操縦桿を握り、そして―
『Battel start!!』
バトルスタートの合図が鳴り響く―!!
「ティナッ☆
アサルトドムッ☆
急げ、急げぇ〜☆」
「ジロー。
ガズLサファイア、Let's Go!!。」
ティナとジローの
◇
◇
「何だぁ、ティナのヤツ…?
アサルトドムじゃないか?」
と、ティナがアサルトドムを使っていることに首をかしげるノブヒコ。
ガンプラバトル大会では、ティナは新しい
それが、なぜ、昔の
「ジム・コンバットは悠久の地戦用の
です☆」
と言うアリア。
「どういうことだ?」
と訊くノブヒコに
「悠久の地はガンプラの性能が全開されるとはいえ
地形適応は遵守される
からね。」
と言うアイ。
「ぅわぁっ!?
アイ先輩!?」
と、どこからともなく現れたアイに驚くノブヒコ。
「悠久の地は、いわば
擬似宇宙空間
なんだよ。
悠久の地は空を飛べても、元々、空を飛べない
地上戦用のアサルトドムの宇宙の地形適応は△。
つまり、空に飛び上がると機動性が低下してしまう。
それを防ぐために、ティナは宇宙用ジムコマンドをベースにしたジム・コンバットを使ったんだよ。」
と説明するアイ。
「そうだったのか…。」
と、納得するノブヒコ。
「ティナは何も考えていないようで、しっかりとした戦術眼を持っている
よ。」
と、ティナを称えるアイ。
◇
◇
アサルトドムのレーダーが、ジローの
正面モニターに、ジローの
【機体名】
ガズLサファイア
【ベースキット】
1/144 ガズR/L
【戦場適応】
宇宙戦 ◎
空中戦 ✕
地上戦 ○
水中戦 △
【得意戦術】
射撃戦 ◯
接近戦 ◎
【ガンプラタイプ】
汎用型モビルスーツ
【ガンプラ属性】
陸
【ガンプラファイター】
ジロー
ジローの
15.70m対艦刀【シュベルトゲベール】を使った、シオリのガズLヴィオーラとは違ったタイプの、接近戦仕様の