「急げ、急げぇ〜☆」
と、ビーム兵器に設定したヘヴィマシンガンを撃つ
ヘヴィマシンガンをビーム兵器に設定したことで発砲時の反動が無くなり、以前のように止まって撃つ必要が無くなった。
そのため、ドム系特有のホバー推進による高機動戦闘が可能となった。
(じゃ、何で今まで、そうしてこなかったのだろう?)
と疑問に思うアミオ。
「武器の設定の変更をしなかったからじゃない?」
と、まるでアミオの心の中を読んだかのように言うアイ。
「そうなんですか?」
と訊くアミオに
「武器の設定の変更をしないっていう人の方が多いからね。」
と言うアイ。
□
ビビッ島のガンプラバトルでは
一部を除き射撃武器の設定を変更する
ことができる。
基本
Eパック式やマガジン式の射撃武器
が該当する。
たとえば、一番わかりやすいのがザクマシンガンだ。
ザクマシンガンは実弾兵器だが、ビーム兵器に設定を変更することで、実弾兵器に対して絶対的な防御力をほこるフェイズシフト装甲を装備した敵にもダメージをあたえられる。
また、実弾兵器をビーム兵器に設定を変更すれば、発射時の反動が無いため、安定した射撃が可能だ。
もっとも、ビーム兵器に設定を変更したからといって、威力までは変わらない。
とはいえ、やはり、実弾兵器なのにビームが放たれるというのは違和感があるからか、たいていのガンプラファイターは射撃武器の設定を変更しない者がほとんどだ。
なお、設定の変更は試合開始前でしか行えず、試合中は設定の変更はできない—。
□
「ティナが接近戦を…!?」
と驚くアミオ。
「はい。
ティナ、接近戦が苦手だからって、大会が終わってから接近戦の特訓を始めたんです。」
と言うアリア。
バトルステージを見れば、15.70m対艦刀【シュベルトゲベール】を持った
今までのティナなら、接近戦を挑まれたら逃げ惑っていたのに…。
「みんな、大会での惨敗を乗り越えるために努力しているんだよ。」
というアイの発言は、アミオの胸を穿った—。
先週の『悠久の地』のアリスの世界で行われたビビッ島東区ガンプラバトル大会で、陸高ガンプラバトル部は顧問のヤスの敗退が直接の理由とはいえ、不本意な成績で大会を去った…。
「通常のレギュレーションなら、僕達はたぶんベスト8くらいまで進んでいたんでしょうね?」
と言うアミオ。
「だけど、到達点はそこじゃない。
さらにその先だ。
そこを目指すためにも、私達は常に前に進み続けないといけない。」
と言うアイ。
バトルステージを見れば、
ビビッ島のガンプラバトルでは
ドムやドワッジの左胸に装備されている拡散ビーム砲には5秒間、敵を行動不能にする
という効果がある。
それゆえ、ビビッ島のガンプラバトルにおいては、ドム系の
「すげぇ⋯ティナのヤツ…☆」
と、優位に戦うティナを称賛するアミオ。
「喜んでる場合じゃないよ、アミオ。
君も前に進まないといけない。」
と言うアイ。
「わかってますよ。
そのためのビルドストライクガンダムですよ☆」
と言うアミオ。
「そうだ。
それが君の第一歩だ。
ただし、進む方向だけは間違えないでくれ。」
と、アイ釘を差され、落ち込むアミオ…。
先週のビビッ島東区ガンプラバトル大会において、アミオは愛機だったJガンダムに増加装甲を装備したJガンダムプラスで参加したが
まったく通用しなかった…。
とくにノブリス第1中学校ガンプラバトル部との対戦では、相手がHi-νガンダムだったこともあるが
中学生相手に敗北寸前(というよりも実質敗北)にまで追い詰められるという醜態をさらした…。
「昨日のシオリとの対戦でも、シオリの
ガズLに、あれほどの推力は無いよ。」
と言うアイ。
(やっぱり、シオリのガズLは改造されていたのか…。)
と、昨日の事を思い出すアミオ。
「せっかくの
進む道を間違えないでくれ。」
とアミオを叱咤するアイ—。
◇
ジローの入部テストが終わった。
結果はジローの敗北。
しかし、入部は認められた。
陸高ガンプラバトル部には、男子部員はアミオとノブヒコしかいないため、ジローの入部はアミオとノブヒコにとって、なによりも嬉しかった—。
◇
部活が終わり、いつものようにアミオが漕ぐ自転車の後ろにビビが立ち乗りして下校する。
「アイ先輩の言うこと、ちゃんと聞いてたか?」
と言うビビ。
「聞いていたのか?」
と訊くアミオに
「当たり前だ。」
と答えるビビ。
「そうだな…。
進む方向を間違えないようにするよ。」
と言うアミオ。
「私もな。」
と言うビビ。
アイの言っていたことは、立ち聞きしていたビビにとっても他人事ではなかった。
もっとも、『ニュータイプ』であるビビは、
そこに向かうための新たな戦いが始まろうとしていた—。