「今回の試験は怪我人が少ないわね」
「妖怪との遭遇が少ないと報告が上がっていたぞ」
「総隊長がここにいていいのかしら」
「最高責任者は私なんだがな、永琳くん」
「それもそうね、それにしてもここまで少ないと何か問題が起きている可能性があるわ」
「心配仕様だな、むっ、あれは陽月くんの能力か?」
試験本部にある治療所にて怪我人を待っていると、不穏な雲が出てくる。確かに陽月の力によって生み出される雲だが、そこまで強い妖怪がでてくるだろうか、距離は長くともまだ森の浅い位置で行っているので木っ端妖怪くらいしか出てこないはずだが
「確かにそうねか何かあったのかしら」
「一応すぐ動けるようにしておこう」
――――――
時同じくして 依姫サイド
陽月を置いてきてしまった。早く戻らなければ。
「二人とも、スピードを上げます。捕まってください」
「わかった」
「降ろしませ〈韋駄天〉」
速さを司る神を呼ぶ、【神霊を呼ぶことができる能力】この二年で数柱の神を呼べるようになった。本来の八百万の神々にはほど遠いが、使えなかった頃よりは大きく進歩した。試験本部が見えてきた。5キロの距離を速い時間で進むことが出来た、それでも二十分かかっている。
「依姫!なぜここに、陽月くんはどうした」
「上位の鬼が現れて、殿を務めると言って」
「信号弾は破壊されました」
「そうか、すぐに行こう、依姫案内してくれ」
「はい」
「私も行くわ、上位妖怪すぐに治療を始めないといけないかもしれない」
「わかった、いくぞ」
陽月無事ていてください
――――――
「さてと、どういうことだ?陽月」
「宴会の酒を貰おうとした時に、人を助けてしまってな。なんやかんやで数年過ごしてんだ」
「本当か」
「あんたの前で嘘は吐かないよ」
「そうか、ならば互いに全力でやろう」
「片腕くらいは覚悟してくださいよ」
再開したことを喜ぶわけでもなく、軽い会話をすることで現状の立ち位置を伝え合う。それが終われば敵同士、戦いの火蓋は切って落とされる。
「はぁぁ゛」
「〈
一鬼の拳を能力を使い即席の盾で防いでいく。鬼の拳、いつ援軍が来るかも分からないので、妖狐にはなれない。落ち行く雷で当たりの木々が燃えていく。鬼の素肌は簡単には火傷はしない。炎が逆巻いてもお構い無しに突っ込んでくる。天候操作だけでも、災害となりゆるが、落雷程度木っ端妖怪を消し飛ばすのがせいぜいだ。
「攻撃が通らないか〈
一鬼の拳と足が結晶に覆われる。雹をぶつけるがいとも容易く壊される。かなり硬い物質だということが分かる。俺の能力は物理攻撃に弱い、それがこちらの攻撃を無視して特攻するよなものなら尚更だ、ただ一つを除いて
「〈
竜巻を圧縮した釘を一鬼の足元に飛ばす。地面に刺さると同時に竜巻が開放され上空に吹き飛ばす。後は残る力を叩きつける。
神楽鈴に能力で発動した天候を集めていく。出来るかどうかわからない。それでも放つ。集めた天候で形作った太刀を握り、刃を飛ばす。
「〈
ちょうど落ちてきた一鬼に当たり吹き飛ばす…事はできない既のところで防御結界を張っている。こちらも残る霊力を注ぎ込み刃の維持に全力を注ぐ。
「イッケェェェェ」
なんとか振り抜き、一鬼の姿が消える。倒せたとは思っていない。それでも勝てた。緊張の糸が切れその場に倒れ込む。