唐突に来る別れ、
それを知るのは、
悲しいものだ
by桜咲陽月
「狐刀術〈夏章・滝壺〉」
都市に入る門の中にいた一番大きな妖気をもう妖怪に攻撃をする。そこにいるのは、妖怪の総大将、ぬらりひょん。じじいとは思えない圧に少し後れを取る。
「ほいっ」
「ぐっ」
ただ妖力をぶつけられただけなのに、一鬼の拳ほどの重さがある。隊長達もこいつの危険性に気づきすぐに武器を構える。
「〈
「〈業火・地獄〉」
「〈
「〈
「〈
「〈弱点勘破〉」
「いやはや、さすがですねぇ」
隊長達の総攻撃を受け他にも関わらずぬらりひょんは何ともないように言葉を紡ぐ。
「さすがにぶが悪いですねぇ、仕方ない。〈
「隊長!」
ぬらりひょんが生み出した百の妖怪、響き渡る玄武の声、戻るのが遅いからと来たみたいだ。百の妖怪をここで倒し切るのは無理だと悟る隊長達。
「一旦引くぞ」
俺を除く全員が門の内側に入る。その刹那、
「
「陽月!?」
「悪いな、行ってくれ」
「何で、」
「この数だ倒していたら乗り遅れる。それに発射までに攻撃される可能性のほうが高い。だからこうした。依姫、玄武、風花、零番隊として頑張れよ、最後に永琳に謝っといてくれ」
「そうか、陽月くん君は英雄だ。済まない」
最初に決めていたこと。月には行かない。俺は妖怪だ月読が許可を出しても、俺は行かないと決めていた。それでも仕事を全うする。
「神楽〈
都市を筒状の結界で覆う、絶対に通さない。出会いの数だけ別れはある。それは唐突に来る。予測なんてできやしない。それでも、やっぱり悲しいもんだ。都市を背に迫る百の妖怪を返り討ちにしていく。鳴り響く警報、一つまた一つとロケットが飛んでいく。そういえば一人だけ、上層部のジジイが乗っていたっけとくだらないことを考えながら飛んでいくロケットの音を聞く。
――――――
「よかっ……………陽月は?」
最後に発射されるロケットに乗り陽月を待っていた。最後に乗ってきた。隊長達に安堵するが、零番隊の悲しげな表情と他隊長の申し訳なさそうな顔、陽月が見えない事に嫌な予感を覚えるが、聞く
「……………永琳さん、すみません、陽月は……………」
「陽月くんは我々を安全に移動させるために、殿を買ってでた」
「…………そんな」
残酷な回答に私は膝から崩れ落ちる。私が最後まで残ったのは陽月を待つため、月読様は陽月の移住を許可していたから、来ると思っていた。それでも違った。無慈悲にも出発の音が鳴りロケットが飛んでいく。少し前に発生した結界で外が見えない。それでも彼は妖怪だ生きていけるそう信じた。だが最後まで残っていた一人の上層部のジジイがなにかを言った。
「都市破壊核爆弾機動」
その言葉とともになにかが落ちる。「これで妖怪どもも木っ端微塵だな」その言葉は陽月の動向を知るもの全てを戦慄させる。綿月隊長は怒りのままに拳を振るいそいつを殴り飛ばす。月に着くまで私達は何もできなかった
――――――
ぬらりひょんが生み出した、妖怪を全て殺し上昇するロケットを見送る、隣には一鬼がいる「馬鹿が」そう怒られた。それでも満足していた。みんなを送り出せたから。
ロケットからなにかが落ちてきた。その瞬間俺と一鬼になにかが走る。
「〈集天候・
「〈
全力で結界を展開する。落ちてきたものの重さと熱に衝撃を覚える。軍部でもこんな話はなかった。つまりジジイどもの独断だ。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ」
届かない叫びを上げる。結界も壊れ当たり一面が光に包まれる。「〈晶洞〉」一言その言葉が聞こえた瞬間何も感じなくなった
目を覚ます。ボロボロになった結晶の結界があったその上には同じくボロボロの一鬼が息をせず、俺を庇うように、永夜に眠っていた。周りには見慣れた自然のみ、だが都市も妖怪も何もなかった。
「最…後まで、親……しや…がって、少し………は自分……のことを……大切に…………っぐ………………………ありがとな…父さん」
自分ではなく俺のことを優先した一鬼に文句を言うが全て言わずに、その言葉を、呑み込む。溢れる涙をこらえ感謝を伝える。そこに一鬼を埋め、墓をつくる。墓石には[桜咲一鬼]と描いた。
ここからは一人旅、俺を守り言ってしまった父親に向けて「行ってきます」そう告げ歩き出す。
古代の都市編完結です。