古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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新章突入


第二章 神殺しの焔蛇、宵闇に紛れて
億年超えて、業火の出会い


 一人旅が始まって数億年が経った、尾も九本になったが、背が縮むし身長よりでかく不格好なので、一本しか出していない。妖怪も弱いとはいえちらほら見かけるようになった、それでもこれと言った出会いはなく退屈していた。つまらん、そう思っていた時もあった、人がいる、だが気配は人のものではなくどちらかというと月読の雰囲気に近い。

 

 「ん?お前妖怪か?」

 「そうだが、あんたは何者だ」

 「そうだな、火之迦具土、火の神だ」

 「なるほどどうりで」

 

 しかしなぜ火之迦具土がここにいる、月読の話じゃ、生まれた時に母親を殺し、それで怒り狂った伊弉冉尊が殺したと言っていたが。

 

 「神殺しの神がなぜここにいる、父親に殺されたはずだろ」

 「ああ、今はそう伝わってんのか。あっているが続きがあるんだよ。確かに俺は母を殺したし、十拳剣で首をはねられたさ。でもお前が俺を知っているように、知識が信仰となり、俺を復活させたってわけよ」

 「信仰が神の力の源というわけか」

 「そういうわけだ、そうだ久しぶりに妖怪に会ったんだ、楽しまないとな!!」

 

 すぐさま飛び退き武器を構える。

 

 「〈滅神(めつじん)不知火(しらぬい)〉」

 「ふざけんな〈氷壁刹那〉」

 

 迫りくる業火、刹那の瞬間で氷の壁を作る。

 しかし防御に作った氷の壁が簡単に溶かされる。神と妖怪種族的な差と、能力の範囲。焔を極めた相手と、災害という括りの中で扱う自分。しかも炎に効果的な水は水場がないと発動しない。豪雨程度じゃすぐに蒸発してしまうので、こちらが不利なことには変わらない。尾を八本出し構える。

 

 「霊桜神楽〈雨章〉」

 

 いくつもの自然現象(災害に限る)を操る力を、豪雨のみに使い、直径数キロに雨を降らせると同時に結界を発動させ雨水が流れないようにする。蒸発してもこの範囲ならば簡単には消すことはできない。

 

 「ずいぶん脳筋だな」

 「出来ることすべてやらなきゃ勝てん相手だ。それにこれくらいで止まらねえだろ」

 「当たり前だ〈滅神・焔薙(ほむらなぎ)〉」

 

 横薙ぎの焔を避けつつ周囲を確認する。火之迦具土が発する熱で直径数キロに展開した雨のほとんどが蒸発し、周りに蒸気の壁が作られる。降ってきた雨水は腰辺りまでたまっているがまだ効果はないようだ。

 

 「ここ最近生まれた妖狐ならば尾はせいぜい五本(生まれて四百年)くらいだ八本あるってことは、都市の時代の生き残りか。どうりで粘るわけだ」

 「お褒めにあずかり光栄ですよ 霊桜神楽〈極彩章・天変(ごくさいしょう てんぺん)〉」

 

 豪雨だけでは勝てないとさとり、今持つ全ての妖気で周辺の地形を変える。まさしく天変地異、神殺しの焔といえど降り注ぐ大地の一部や、雹、木々をなぎ倒す洪水などには簡単には対処はできない

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