古代から生けし狐の大妖   作:紡縁永遠

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言葉は言霊、その音強化の自己暗示

 「霊桜神楽〈極彩章・天変〉」

 「〈滅神・繚乱(りょうらん)〉」

 

 尾を九本出し最大限の攻撃をする。地形を変える天変地異に対し放射状に乱れ咲く焔。その焔を押し殺すように、唸る自然。とめどなく続く理解の外側、常軌を逸した攻防が続く。

 

 「飲み込め、飲み込め、神滅の焔を、飲み込めぇぇぇぇ」

 

 極彩章・天変を発動させ続ける陽月は叫び続ける。それは言霊となり神をも数瞬凌駕する。

 陽月が作る結界も限界を超え崩壊する。先に折れたのは火之迦具土、全てを灼き滅ぼす焔でも貫けぬは意志の技。

 

 「なに!!」

 「言葉は言霊、繰り返し発することで。あんたを超える力を生むことも出来る」

 

 気づけば、元の地形も分からぬくらい荒れた土地、消えぬ業火に渦巻く悪天候。だが相手は神、傷は負っても倒れることはない。

 そして『言葉は言霊』その言葉が火之迦具土を次のステージに登らせるきっかけとなる。

 

 「そうか、ならば。

 我、神をも殺せし焔を持つ。その業火全てを灼き滅ぼす最強の力。神罰なり〈火之迦具土(ヒノカグツチ)〉」

 

 神の言葉はとても強力だ。だからこそ、神が発する言葉を信じ、それに合った行動をする。それが信仰。神殺しの神とされ信じられた火之迦具土の力は、存在だけで効力を発揮する。それが本人の言った言葉となれば、その言葉が実現される。

 迫りくる業火を見つめ最後の足掻きと、結界を発動させる。

 

 「集天候・天ノ羽衣」

 

 その結界にのしかかる重圧、防げないと感じても。

 

 「死んでたまるかぁぁぁぁぁぁぁ」

 

 無意識に発せられる言霊により、威力が落ちる。

 陽月が起こした災害は、周辺の村の人間にも届きうる規模、収まった後に落ちる太陽ににたなにか、人が理解できない者を妖怪や神とするその風習が陽月の助けになる。

 

 「静まってくれ、静まってくれ」

 

 落ちてくる焔を否定する人間が、火之迦具土の力を落とし先ほどの災害による神の顕現という勘違いが、陽月を補佐する。互いに全力で言霊を発動する。

 

 「燃ろぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 「燃えるわけには行かないんだよ」

 

 落ちる業火が消える頃には互いに力を使い果たした、神と妖怪が立っている。残り火とでもいうような炎が火之迦具土の周りを渦巻く、少し残っている天ノ羽衣を維持しながら拳に移す。火之迦具土も同じように炎が拳へと移る。

 少しの沈黙、睨み合いが呼吸を整える時間となる。互いに理解した終戦の方法、拳を強く握り互いに走り出す。力の残っていない二人がすること、当然のように殴り合いが始まる。漢達の終戦それはどんなときでも拳を使う

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