「見えてきたわよ」
「そうか」
永琳についていくこと、数分巨大な塀に囲まれたところについた。門のところには門番がいて
「ご無事で何よりです。八意様、して彼女は?」
「妖怪に襲われているところを助けてもらったの、森にずっといるから保護してきたのよ」
「そうですか、八意様を助けていただき感謝する」
「どうも、それと俺は男だ」
「そ、そうかすまない」
やはり間違えられたが妖怪であることは隠し通せた。しかし様付けとはもしかしなくとも永琳はかなり地位が高いのか?そんな疑問を浮かべながら、門をくぐる。これは、巨大な建物が乱立している、なんでこんな『近代的』な都市があるんだ。……今何を思った?『近代的』そう思った。こういうものを見るのは初めてのはずだ。なのになぜ、
「こっちよ」
「あ、ああ」
新たな疑問ができ少し考えながら都市の中心部へ向かっていく。だんだんと低いながらも塀と門をこしらえた家が増えていく。
「着いたわよ」
「もしかしなくても永琳ってかなり地位が高いのか?」
永琳が入っていく敷地には、縦横三十メートルはありそうな屋敷だった。薄々感じていたがここまでとは。
「そこまで高くないんだけどね、この都市の発明のほとんどを私が担ってたりするから、上層の人たちがここに住めってうるさくて、こんな広くても一人だと住みづらいしね」
「十分すごいことしてると思うけど」
「あら、ありがとう」
屋敷に入り応接室に案内される。いやマジで広いなこの家。
「さて、お酒だったわね。はい」
「ありがとな」
「陽月提案があるのだけれど、ここにすまないかしら?」
「俺は妖怪だそ」
永琳のとんでもない発言を否定するように答える。
「こんな大きな屋敷に一人はつまらないのよ。それに人に化けているときは妖力を感じないし、人間にしか持っていないはずの霊力を持っている、殺されることもないし、酒や食べ物は用意してあげる。条件は私の仕事について行ってもらうこと」
「随分好待遇だな、そこまで言うなら、残ってやる」
「契約成立ね」
流れるように都市の移住が決まった。一鬼達には悪いが、しばらくは此処にいよう。そう決めて数日が経過した。
「陽月、Aの棚の五段目の薬品を取ってちょうだい」
「はい」
「次、Eの棚の二段目の薬品」
「はい」
見ての通り、永琳の手伝いだ。初日についていったら施設の人に女と間違えられ、あげくの果てに迷子と言われる始末。永琳の助けもあり、何とかなりこんな感じで手伝いをさせられている。
永琳も毎日の用に薬の実験をしていて、たまに飲ませようとしてくるので、百年生きて培った野生の感でヤバい奴は断固拒否する。永琳、詰まらなそうな顔をしないでくれ、薬で面倒なことになるのはこっちなんだから。