妖怪がいることが間違い、確かに一里ある、だがそれでも引くわけには行かない。一応俺も神らしいし。
「諏訪子様、やめてくださいこの方は私を助けてくれたんですよ」
「狐は人を騙す、助けて付け入ろうって魂胆だろうさ、もう少し疑うことを覚えたほうがいい」
少女が止めに入るが、それでも引かない神。どうやら戦闘は避けられないようだ。能力は使わず、浄炎と武術のみで戦うことにする。能力を使った瞬間に俺は敵と見なされるからだ。
睨み合いが続き、先に動いたのは諏訪子と呼ばれる神だった、ただ腕を動かしただけだが嫌な予感がし浄炎を展開する。何か燃えたような反応があったが、何だったのかはわからない。
「今のは」
「邪を払う清めの炎、浄炎だ」
「だが、それだけでは」
「ならもう少しやるか?」
「当たり前だ」
浄炎で印象が変わるかと思ったが、全然だった。そのまま続くので、浄炎を纏った拳で鬼拳術を使用する。俺が扱う武器はこういうのに向いていない。鉈もう神の力に耐えられないし、八支刀は威力が高すぎる。武器が使えないということは狐刀術は使えない。現在手加減をするときは鬼拳術が一番扱いやすいのだ。
確実に相手を追い詰めて気絶させようと振りかぶる。
「鬼拳術〈
「だめぇぇぇぇ」
神に物理攻撃は効果ない。正確にはすぐに回復するのだ、気絶させるには内部に攻撃するしかないのだが、少女に止められる。本当にこの子は怖い物知らずだな。
「清苗」
「はぁ、おい、自分の命は大切にしろよ。俺やそいつと違って信仰で復活するわけでもない、死んだら終わりだぞ」
「…………えっ」
「どうした?」
「お前さん神だったのかい」
「元妖怪、信仰で神になったんだ。して誤解は解いてくれるのかい?」
「いいだろう」
誤解もとけたので、忘れていた自己紹介をする。
「俺は桜咲陽月、神名?とやらはない」
「そうか、私は洩矢諏訪子。土着神であり、諏訪神だ」
「私は
謝罪と親睦を深めようということで、上がらせてもらう。諏訪子という名前は、清苗が諏訪湖から取ったらしい。そのままだと言ったら、諏訪子に叩かれた。もう少し考えろと。女性は久しぶりなので対応の仕方を、忘れているのかもしれない。清苗にそのまま神社に住まうことを提案された。諏訪子は攻撃した謝罪にと、許可を出した。人との関わりは重要だ。断ることもなく了承した。
五年たち諏訪での生活もなれ、清苗も十五になった。少し警戒心が芽生え、巫女としての力もついてきた。能力もある程度使えるようになり、少し勝手が変わっていたが。
古代と違うのは誰しもが能力を持っているわけではないということ。持っているものは、巫女や神主として神事を行ったり、それがないと差別されたりもする。能力は《清浄を操る程度の能力》戦闘には向かないが妖怪を払うことは出来るし、土地の守護にも使える。人間状態では苦戦するほどに強くなった。
「いやぁ、清苗も強くなったな。これなら心配なさそうだ」
「東風谷様!はぁはぁはぁ」
「どうしたんですか?」
「大和の国から、こんな文が」
大和の国諏訪の国にほど近い場所にあるが、勢力が比べ物にならないくらいに大きく、この島の半分を勢力下としている。内容は
〜 スワノクニノカミニツグ、ヤマトノクニニシンコウヲワタセ。コトワルトイウノナラバ、コチラモ、ヨウシャハシナイ。イクサノジュンビハデキテイル。ヨイヘンジヲキタイシテイル〜
要は、邪魔だからされ。抵抗するなら滅ぼすといったところか。信仰が無くなれば神は消える。信仰を渡せば諏訪子は消えるし、戦争で滅ぼされたら、同じく信仰がなくなる。そして大和の国に勝てるほどの戦力はない。完全に脅しだ。清苗に諏訪子のところに行くようにうながし、俺は国の集落に行く。戻って来ると、
「ふざけた話だが、信仰は渡せないし、戦で勝てる力もない。でも私は生き残りたい」
「わざわざ全面戦争しようとするからだ。やりようは幾らでもある」
「陽月さん、でもどうするんですか。幾ら陽月さんでも止めることはできませんよ」
「戦で滅びないようにする方法は、決闘。これで決める、もちろん出るのは、お前だがな。だからまあ準備しておけ、俺は使いとしていってくる」
そういい、諏訪を後にする。ここから必要なのは話術どれだけ敵を乗せられるかだ